1.三面ダム湖

 

三面川の上流に三面ダムと奥三面ダムという2つのダムがあり、その間のダム湖が良い雰囲気なのでSUPで漕いできました。しかし、どうして小さな三面川に2つも大きなダムがあるのか?少し調べてみました。

 

 

2.奥三面ダム

 

4年前、三面ダムの奥にある奥三面ダムを訪ねました。

新潟県営ダムとしては大きなダムで、流路延長50kmの三面川にしては少し大きさに違和感がありました。

平成13年10月に完成した比較的新しいダムですが、なぜこれほど大きなダムがあるのか?

 

 

三面川は流路が短いながら、大雨が降るたびに氾濫を繰り返したということで、昭和28年に三面ダムが完成しました。県営では初めてのダムでした。しかし、昭和42年に県北部(特に荒川・胎内川流域の被害が甚大)を襲った羽越豪雨では、三面ダムで想定していた洪水流量を大幅に上回り、必死の洪水調整にもかかわらず大きな被害(人的被害はなかったようです)を受けたということです。

羽越豪雨以降、三面川流域住民から治水対策への強い要望と、こうした被害を2度と繰り返さないため、最適な治水対策として三面ダム上流に新たなダムの建設が計画され、平成13年に多目的ダム(治水・発電・用水)として奥三面ダムが完成しました。三面ダムと奥三面ダムの2つのダムにより三面川流域の水量をコントロールすることが可能となり、流域住民の生命と財産を守る重要な役割を果たしているということです。

 

 

ダム湖の湖底には、平家の落人伝説があった旧三面集落(42戸)があり、さらには縄文時代を中心とした奥三面遺跡群が水没しましたが、「縄文の里・朝日奥三面歴史交流館」(H17年開館)で遺跡の一部が一般公開されています。

 

 

奥三面ダム(アーチ式コンクリートダム)の高さは116.0m、三面ダム(重力式コンクリートダム)の高さは82.5m。

総貯水容量は奥三面ダム125,500,000㎥、三面ダム47,800,000㎥となっています。

 

最初に奥三面ダムを訪れたときは紅葉真っ盛りでした。

このダム湖を見たらやはり漕ぎたくなります。この細い蛇行がいいのです。

 

 

3.羽越豪雨


昭和42年8月、前線上を進む低気圧が27日と29日に東北地方を通過、 26日~27日にかけては新潟県の上中越地方を中心に50~100mmの雨が降り、 28日~29日朝にかけては東北地方の日本海側や新潟県の北部で強い雨が断続的に降り大きな被害が発生しました。

 


26日~29日にかけての期間降水量は、下越地方や山形県の南西部で200mmを越え、多い所では胎内川第一ダムで748mmを観測し、この付近を流れる中小河川が氾濫し、大規模な土砂災害が多発しました。 被害は特に山形県南部から新潟県北部にかけての飯豊山系を中心に記録的な豪雨が降り注ぎ、この地域を水源とする最上川、三面川、荒川、胎内川、加治川に過去最悪の水害をもたらすことになり、新潟県の死者・行方不明者は130人を超えたということです。

阿賀野川も氾濫したことから、三面川南岸から阿賀野川北岸の低地一帯に新たな湖が誕生したかの様な事態になったようです。

平成31年、胎内川の胎内川ダムの上流域に建設された奥胎内ダムも多目的ダムで奥三面ダムと同じような役割を担っています。

 

 

4.三面ダム湖の上流へ

 

9月初旬に2回、SUPで上流までのんびりとツーリングしました。

支流の川はさすがに清流で、ここでのんびり過ごしました。本当に気持ちいいところでした。
 

 

まずは支流を遡ります。

 

 

行けるところまで行って、流れに乗って下ります。

 

 

気持ちのいい流れで、初のリバーSUP?

 

 

何回も上流と下流を行き来して、きれいな水と遊ばせていただきました。

 

 

更に上流には滝が・・・

 

 

SUPに乗ったまま滝行ができるのです。

 

 

冷たいけど、気持ちいい~

 

 

ここは、アカハライモリが多いです。

 

 

沢もあって、ちょっとした沢登りも楽しめます。

 

 

ここでは伏流水が湧いてて、小魚とたわむれました。

 

 

足の毛をつついてくるので、ちょっとこそばいですが可愛いんですよね・・・

 

 

そんなこんなで、三面ダム湖をたっぷりと楽しみました。

 

 

5.治水の効果

 

三面川は昭和28年に三面ダム、羽越豪雨を受けて平成13年に奥三面ダムを完成させました。

胎内川は昭和51年に胎内川ダムを完成させ、平成31年に奥胎内ダムをさせました。

加治川は本流に日本最大級の治水ダムである加治川治水ダムを昭和49年に完成させたほか、昭和47年に支流の内の倉川に内の倉ダムを完成させています。また福島潟については福島潟放水路を建設しています。

こうした治水対策の効果は平成16年7月新潟・福島豪雨において効果があったとされ、信濃川水系での浸水被害とは対照的に大きな浸水被害を受けなかったのです。その地区の雨の降り方とその範囲にもよるとは思いますが、ダムと放水路の重要性が理解できたのではないでしょうか。