1. 平均水量日本2位の阿賀野川
新潟市を河口に持つ阿賀野川は流域面積7710km2で日本8位、長さは210kmで日本10位ですが、平均水量(馬下)は451㎥/sと信濃川に次ぐ堂々の2位の大河なのです。関西の淀川(枚方)の平均水量が163㎥/sであるこを考えると、その凄さがわかります。
その水量を利用して、たくさんの水力発電所がつくられなんと60基も存在しているのです。このブログで紹介した田子倉湖や沼沢湖もその一つとなっています。つまり電力の川なのです。
今回はカヤックで下りながら、阿賀野川を考えていきたいと思います。
まずは咲花温泉にクルマを止め磐越西線の列車に乗って三川を目指します。
磐越西線の列車はいつの間にか国鉄型の車両がなくなり、電気式気動車GV-E400系が目立つようになりました。
ノスタルジックさはなくなりましたが快適な気動車です。軽トラとプリウスの違いくらいかな???
三川駅、このようなコンクリート造の駅は木造駅舎のようなノスタルジックな雰囲気はありませんが、いかにも昭和的な懐かしさを醸し出しています。
事前に置いておいたカヤックに乗り込み阿賀野川を下ります。
この時期は水量の少ない時期ですが、渦やボイルなど大きな川の特徴が随所にあらわれています。
久々のソロカヤックツーリングなので慎重に漕ぎ進めます。大歩危小歩危の吉野川や増水の木曽川などを漕いだのは20年以上前の若かりし頃だったので、少しビビりながらのスタートとなりました。
土木工事の現場にお邪魔しました。
仮設桟橋の下を漕ぎました。これが結構芸術的?なのです。
この鉄骨美!ドボクはやっぱり美しい・・・
阿賀野川、昔は信濃川と新潟市の河口でつながっていたのです。
水量日本一位と日本二位の川が河口で合流していたことを考えると、新潟というところの恐ろしさがわかります。
氾濫を繰り返してきた阿賀野川に手をつけたのが新発田藩です。1730年に松浜地区を開削して直接日本海に流すことになったのです。
松浜開削で治水の効果があがった阿賀野川ですが、昭和40年代に第二水俣病が発生するなど暗い過去を忘れてはいけません。
治水に関しては安心感のある阿賀野川ですが、平成23年の新潟福島豪雨で観測史上1位の9950㎥/s、令和元年の東日本台風で観測史上3位の8670㎥/sの水量を記録するなど大氾濫ギリギリの出水を記録しています。阿賀野川氾濫、堤防決壊が現実になる日がそろそろやってくるのではないかと不安がよぎります。海抜0m以下の多い新潟市、信濃川のような分水がないので、阿賀野川の氾濫は想像を絶するものになるのではないかと・・・
川の流れは快適で、瀬のないところでも分速40~60mくらいの流れがあります。
唯一危険なところが五十島の橋脚付近の流れです。ここに引き込まれないように慎重にやり過ごしました。
五十島からは国道49号のスノーシェッド沿いを漕ぎます。
途中、水位の変化をきれいに表した砂場に出くわしました。
雪解けシーズンとの水位差を感じることができます。
この区間は延々とスノーシェッドが続きます。
この区間が厳しいところであることがわかります。
スノーシェッドの上から沢の水を流す工夫を、随所に見ることができます。
川幅がぐんと広がりました。
このあたりまで阿賀野川ライン下りの観光船が上がってきます。航路を邪魔しないように待機しますが、観光船の方もすごく気をつかってくれて低速で通過してくれます。五十島まで上がる船もあるようです。
磐越道と国道49号線の橋梁をくぐります。
阿賀の里が見えてきました。ここで観光船が発着しています。
咲花温泉に泊まって観光船で川巡り・・・そんな旅もいいですね~
そういう旅をほとんどしたことがない私は、咲花温泉の岸辺でカヤックを担ぎクルマを置いたJR咲花駅まで満足げに歩いたのでした。
温泉にも入らずに・・・