1.札幌駅(1880年開業 5代目駅舎)
1978年乗降人数が116698(人口130万人)、近年198872人(人口197万人)
札幌一極集中について、北海道の鉄道の状況と駅の乗降客数+人口で見ていきたいと思います。
札幌駅については、言わずもながです。寒冷地で同規模のストックホルム中央駅の乗降客数17万人を上回っています。
JR北海道については、経営難による安全面でのトラブルが相次ぎ、その影響もあって特急列車のスピードも低下して輸送サービスの低下が懸念されています。スウェーデンの鉄道はスピードが速いこともあって、広い国土でもクルマと勝負できますが、JR北海道のスピードの遅さは致命的です。
北海道の特急列車のほとんどが札幌起点となっています。
写真の列車は石北特急「オホーツク」です。
私は「スーパーおおぞら」で釧路へ向かいます。NEW三大蟹弁当とサッポロビールで・・・
2.釧路駅
1978年乗降人数が10092人(人口20.3万人)、近年2192人(人口17.2万人)
水産業で栄えた漁師まち釧路も、いまや寂しい街に・・・街の勢いもお隣の帯広に抜かれた感があり、人口逆転も時間の問題です。新潟駅と同様、昭和の香りがする駅舎も寂しいかぎりです・・・
乗降客数2000人弱はヤバい。
昔はたくさんのお金持ちの漁師さんが大量の現金を持って繁華街を闊歩していたそうですが、今はなかなか稼げない職業になってしまいました。
駅名板がホームと垂直に設置されているところは「門司港」のようで、いい感じです。
3. 帯広駅
1978年乗降人数が11826人(人口14.0万人)、現在3514人(人口16.8万人)
人口が増加して、街のにぎやかさも釧路より上です。農業のまち帯広は地元を活性化させようという意気込みが凄く、地元の百貨店「藤丸」を守るなど、まち全体が結束して賑わいを持続させているようです。
駅前広場も旭川駅と同様オシャレです。
帯広駅から「スーパーとかち」で苫小牧に向かいます。
北海道の非電化区間の主役は、まだまだ国鉄時代のキハ40です。
釧路湿原を表現したラッピング、いいですね~
4. 石勝線の駅
新得駅 乗降客数 近年500人
根室本線と石勝線の分岐駅です。ここから大きなS字カーブを描きながら狩勝峠を目指し、上落合信号場でトマム方面と富良野方面に分かれていきます。私は雄大なこの区間が大好きなのです。
トマム駅 乗降客数 近年40人
特急が停車する無人駅です。
アルファリゾートが破綻して、現在は星野リゾートになっており事実上の専用駅といってもいいでしょう。
5. 南千歳駅(1980年千歳空港駅として開業)
現在の南千歳駅の近くにあり、信号場に格下げとなった旧美々駅の1978年乗降人数が28人、信号場からの格上げで千歳空港駅となり南千歳駅に名称変更した近年の乗降人数は2794人となっています。完全な乗り換え駅で、駅舎よりホームの方がにぎやかです。
南千歳駅から特急「スーパー北斗」に乗り換え苫小牧へ。特急は満席で、自由席のデッキ乗車となりました。JR北海道の特急はおおむね乗車率が高く、予想以上でした。
中国人観光客に救われているようです。
南千歳駅は、札幌・千歳空港・函館・帯広方面への結節点になっており、列車の発着は乗降客数の割に多種多様で本数も多くなっています。
6.苫小牧駅
1978年乗降人数が11516人(人口12.6万人)、現在7354人(人口17.2万人)
室蘭とは対照的に人口増で、釧路・帯広に匹敵する規模となっています。Kitacaエリアの南端でギリギリ札幌のベッドタウンといった感じでしょうか?そのようなこともあり、駅前のさびれ感は釧路以上です。駅舎もひどい・・・
北側にメガドンキがあるものの、17万都市とは思えない雰囲気で繁華街のようなところがないのです。商業施設は東側のロードサイドに広がっています。
駅の西側に王子製紙の工場があります。室蘭とは対照的に港湾都市・工業都市として発展しているといっていいでしょう。苫小牧港の内航取扱貨物量は日本一の取扱量となっており、石油備蓄基地もあるなど、北海道の海の玄関口となっています。
苫小牧は、札幌へ向かう千歳線・岩見沢に向かう非電化の室蘭本線・函館に向かう室蘭本線・日高地方に向かう日高本線の結節点となっています。
岩見沢へは、非電化複線(一部単線)の室蘭本線経由の方が早い・・・のですが本数が少なく不便です。筑豊本線と同様、室蘭本線の非電化複線は炭鉱時代の名残りなんでしょうね。
キハ40の車内です。北海道は寒いのでデッキ付きの車両となっています。
7.東室蘭駅
1978年乗降人数が11286人(人口16.4万人)、現在3880人(人口8.5万人)
北海道の都市で最も衰退している都市ではないでしょうか?新日鐵等の合理化などもあり、1967年から人口が減り続けて約半分になってしまいました。
室蘭駅へは室蘭本線の支線である室蘭支線のワンマンカーで向かいます。
特急「すずらん」も直通(区間普通列車)しています。
8.室蘭駅
1978年乗降人数が7706人(人口16.4万人)、近年1238人(人口8.5万人)
かつては7000人以上が利用していた室蘭駅、現在は閑散としています。
2両編成の列車に乗ってきたのですが、東室蘭に向かうときは1両で発車しました。合理化が徹底されています。
9.岩見沢駅
1978年乗降人数が17272人(人口7.9万人)、近年9588人(人口8.2万人)
札幌都市圏の端っこのベッドタウンという印象で、人口も減っていないが都市としては衰退していると言えます。駅は立派です。
札幌からの近郊型電車が発着しています。
10.旭川駅
1978年乗降人数が22462人(人口33.6万人)、近年10666人(人口34.0万人)
それほど人口が減っていない割にJRの乗降客数が減少しているのが旭川駅です。
駅は立派でオシャレ、駅構内のデザインも素晴らしく北海道第二の都市らしい風貌です。駅前広場も広く都市のデザインとしては全国でもハイレベルといっていいのではないでしょうか・・・
北彩都あさひかわ整備事業の一環「川のある駅」として、2011年開業。
北側の景観も素晴らしいものとなっています。
しかし、人が少ない!
駅の乗降客数が1万人、札幌駅の1/20ですから・・・
旭川へは特急「宗谷」で、旭川からは普通列車で石北本線へ。
構内のデザインは、暗く古めかしい札幌駅とは対照的です。
これから石北本線の普通列車で網走を目指します。続きはPartⅡで。