1. 100年かけても追いつけない?デンマークの自転車文化
コペンハーゲンにおいては、100年も前から自転車専用道が存在していたそうです。
1912 年 にすでに、50km の専用道があり、2000 年には 300km を超え、サイクルスネークなる自転車専用の高架道路ができるなど2020年は?km になっているのでしょうか?
日本では、趣味的なロードバイクと街にあふれるママチャリが歩行者やクルマと混在しており、逆走や歩道走行が当たりまえなど正にカオスと言っても過言ではないと思っています。さて、自転車王国と言われるデンマークのコペンハーゲンはいかがなものか?
スウェーデンのリンシェーピングからストックホルムへの移動日。
せっかくなので早起きしてコペンハーゲンへ行くことにしました。スウェーデンとデンマークは瀬戸大橋のような大きな橋でつながっており、お気軽に行き来が可能になっています。
ローカル線のカルマル経由でコペンハーゲン中央駅に着きました。コペンハーゲン中央駅はヨーロッパらしい立派な駅で、日本の鉄道とは異なる魅力を醸し出していました。その中で印象に残ったのがサイクルトレインです。首都の駅のホームに自転車が・・・
ホームに向かう自転車は、ロードバイクではなく日本でいうママチャリです。
スウェーデンもデンマークも、ロードバイクはほとんど走っていません。日本よりちょっとおしゃれなママチャリ(のような自転車)が主力です。
さて、デンマーク中央駅から自転車王国デンマークの道路状況を見ていきましょう。
コペンハーゲン市内には、約386Kmの自転車専用レーンがあるとか・・・
駐輪場も多く、信号機も自転車のスピードに合わせて変わる仕組みになっているそうです・・・私は歩きだったので、実感できませんでした。
Saves CO2 なるレンタル自転車をよく見かけましたが、本気でCO2を減らすという姿勢が随所に見られました。
乗り捨て型のキックスケーターも・・・
季節は初冬、雨でも自転車が普通に走っています。
2016年に市内を走る自転車(26万台)が、自動車(25万台)の数を超えたとか・・・
雪が積もったら、車道より先に自転車レーンの除雪を優先するとか・・・
ホントかどうかは確認できませんでしたが、おそらく、そうなのでしょう。
舗装は砕石マスチック舗装(SMA)が主流のようです。グリップはバツグンです。
どこに行っても自転車レーンがあります。日本のように逆走する人は全くいません。
コペンハーゲンでは、様々な自転車政策が実施されてきました。
① 街に存在する未開発の土地については、その3分の1は、自転車利用に活用する。 ※?
② 公共交通に対する自転車の容易なアクセスを実現する。※かなり進んでいる。
③ 車の駐車は、建物内の駐車場に限る。(路上駐車は認めない) ※実際は路上駐車多い。
④ 車規制の強化(速度制限、通行エリア)※所々で確認できました。
⑤ 新規開発における駐輪場の設置義務※駐輪場は確かに多い。
その結果、自転車の利用は 1975 年頃から増え始め、1995 年頃からの伸び方が激増しています。また、移動における所要時間を考察してみ ると、自動車の平均速度が 1985 年 34km、1995 年 33km、2005 年 27km と減少しているの に対し、自転車の平均速度は 2004 年 15.3km、2006 年 16.0km、2008 年 16.2km と速くな っているとです。 このように自転車の利便性を高めることにより利用を促進し、自家用車の利便性を減 らす政策を同時進行させているのが特徴です。中途半端な整備を続ける日本とは大違いです。
日本の自転車レーンの整備は、趣味でロードバイクに乗る人が対象になっているような感じですが、デンマークではママチャリのような本当の街乗りが対象になっているという感じです。日本のママチャリは相変わらず歩道走行が主流で、自転車レーンの逆走も当たり前。デンマークに追いつくには100年かかるのではないかと実感いたしました。
2. 歩いても楽しいコペンハーゲン
ローゼンボー城周辺の歩道は本当に気持ちいいです。
故郷の姫路城と比べるのはやめよう・・・意味がない?
舗装に関しては、日本と同じような材料が使われていました。
並木や道路の配置にデザイン性を感じました。
ストロイエと呼ばれるコペンハーゲンのショッピングストリートは圧巻でした。
銀座とは異なる華やかさ・・・何が違うのか?歴史だけの差なのか?
オシャレな街中に、なぜかバッカン(混合ゴミ収集運搬用の箱)が無造作に置かれている。
日本では考えられない・・・
路肩ではなく、街中の車道を堂々と走るバックホー(油圧ショベル)。きっちり赤信号の停止線で止まっている・・・
日本では考えられない・・・
自転車はちゃんと信号を守ります。
日本と違って、重機も自転車もクルマと同じ車両だという意識がしっかりと出来上がっているのでしょう。
驚いたことに、自転車レーンに直進と右折レーンが・・・
ここまで徹底しているのには驚きを隠せません。うかうか「自転車レーンを歩く」なんてことはできない雰囲気になっています。
日暮れが迫ってきました。チボリ公園のそばを自転車が軽快に走っていきます。
青信号の際に、20km/hで走行すると、決して赤信号にかからないよう、信号も工夫されています。
うらやまし~
デンマーク中央駅まで戻ってきました。開発ラッシュです。
クルマの停車は、けっして自転車の通行を妨げません。これも徹底しています。
コペンハーゲン中央駅のバスと地下鉄のチケット売り場です。
2002年に最初に地下鉄M1が開業して、M2、M3と路線が広がっています。
コペンハーゲン中央駅からSJの高速列車X2000に乗ってストックホルム中央駅に向かいます。
次はストックホルムの自転車道を見ていきます。