1. 路線バスでしか行けない島
人口236人、周囲5.4kmの櫃石島。
この島、島民以外のクルマは入ることができません。
JRの児島駅から下津井電鉄バスにのり、下津井瀬戸大橋を渡って専用のランプウェイから島内に入ります。
バスの乗客は私たち夫婦以外に1人のみ。運転席の真後ろからかぶりつきです。
どでかいループ橋をグルグルと回ります。景色は最高!
そしてその先に料金所らしきものが現われました。運転手さんが専用のカードを挿入していざ島内へ!
JR瀬戸大橋線の向こうにループ橋が見えます。
島内から見る、ループ橋。圧巻です!
島内から見る、斜張橋の櫃石島橋と岩黒島橋です。当初は鳥かごのようなトラス橋で建設される予定でした。
島は釣り人が目立ちます、バスの乗客も島民より釣り人のほうが多いように思います。
この櫃石島、2018年に島内の小中学校が閉鎖されたのです。1988年に瀬戸大橋が開通し本土や四国に陸続きで渡れるようになったことで、通学者・入園者がいなくなったことが原因のようです。規模は違いますが新幹線の駅ができて地域が衰退するストロー効果がはたらいているものと考えられます。
ループ橋から見る櫃石島橋と岩黒島橋です。本土か島かよくわからない、これが瀬戸内海最大の魅力です。
島民にとっては便利になった瀬戸大橋。橋のない衰退と橋のある衰退、どちらも考えられることが、この地域の特徴でもあると私は思います。島民以外を受け入れないシステム、個人的には「有り」ですが、このまま地域の衰退を放っておいていいのでしょうか・・・
2. 岩黒島
路線バスは次の岩黒島を目指して櫃石島橋を南に向かって走ります。
岩黒島は人口94人、周囲1.6kmの島です。
島へ降りるループ橋が見えますが、なんと!バス停は本線上にあります。
どうやって島へ行くの?
このバスが下津井電鉄の路線バスです。
この日は運転手さんが新人(高齢の方でしたが・・・)で、これまたベテランの方が横で教習をやられていて緊張感のある車内でした。
路線バスは、SAのある与島に向かって走っていきました。次のバスまで3時間、岩黒島でのんびりと・・・
橋梁床版の下にあるボックスカルバートを通って反対側に向かいます。ここは橋を満喫できる素晴らしいポイントです。
岩黒島橋と与島を眺めます。
反対側(本州)の下津井大橋と鷲羽山ハイランドです。
岩黒島のメインはなんといってもこのループ橋です。
この迫力は、都市高速(首都高・阪高)のJCTよりすごいんじゃない?
反対側に行くボックスカルバートです。
櫃石島橋です。
水島の工業地帯が見えます。
岩黒島橋と四国側を見ます。
3段ループ、圧巻です!
島に降りるためのエレベーターから見るループ橋です。
エレベーターを降りて下から見るループ橋です。
岩黒島をブラブラと・・・
港からみるループ橋です。
港から見る岩黒島橋です。
ゴーっという音を立てて走る瀬戸大橋線の列車です。貨物列車も含めてかなりの頻度で通過していきます。騒音はかなりのもんです。
これは櫃石島橋です。
海岸線をぐるっと歩きます。これは岩黒島橋です。
海を渡る橋梁、維持管理は陸地と同じようにはいきません。
土木構造物の最大の敵は塩分です。その塩分からどう構造物を守っていくのか?我々土木技術者の使命であります。
海岸線から橋とループ橋を見上げます。
櫃石島橋と櫃石島です。
この岩黒島、土木構造物を眺めるための島といっても過言ではありません。
とにかく上ばかり眺めてしまいます。
岩黒島には坂出市立岩黒小中学校があり、今も現役です。
櫃石島より人口は少ないですが、学校があったり漁港の様子をみているかぎり、櫃石島より衰退感を感じませんでした。
これほどの魅力を放っておいていいんでしょうか?
路線バスにエレベーター、これだけでも立派な観光資源です。
島の北側にある黒浜。素晴らしい砂浜です。
花崗岩の砂浜はやっぱりいいですね!サヨリが打ち上げられていました。
さて、エレベーターに乗って次の与島にいきましょう。
与島行のバスがやってきました。さっきと同じバスで、教習は続いています。
申し訳ありませんが、興味しんしんで二人の様子を観察させていただきました。
与島につきました。
元々重要な港であった与島も人口100人程度の島で年々人口が減少していますが、瀬戸中央自動車道のSAがあり他の島とは賑やかさが別次元となっています。いいか悪いかは別にして・・・
さてさて、琴電バスに乗って坂出に行くか?それとも下電バスで児島に帰るか?
坂出行きの琴電バスが来ましたがパス。
下電バスで児島に戻ることにしました。瀬戸内海の島を路線バスで巡ることができるなんてなんと素敵なことか・・・
瀬戸大橋が開通して31年、本四の交流、航路の廃止、島の衰退および繁栄、様々ことがありました。
今後どうなっていくのでしょうか?