1. 最上川橋梁(山形鉄道 フラワー長井線)
 
 最上川橋梁が見たくて、山形鉄道 フラワー長井線の荒砥を訪ねました。この最上川橋梁、全錬鉄製ダブルワーレントラス橋で国内最古の現役鉄道橋であり、歴史的に貴重な土木遺産となっています。
 

 

 

 この橋梁、3連のダブルワーレントラスと9連のプレートガーターで構成されています。200フィートあった径間を150フィートに短縮・改造して移設されたそうです。

 もともとは明治20年に旧東海道本線の木曽川に架設されたものであることがわかりました、が・・・どうやって持ってきたんでしょうか?

 

 

 大正時代にこんな大きなモノ、どうやって持ってきたか・・・台車?フネ?そんな訳、ないない・・・大正12年に改造・転用と書かれているので、バラして持ってきたことは間違いないようです・・・当たり前か?

 

 
 それより、この解説を読んでびっくりしたのですが、少し北にあるJR左沢線にもまったく同じ名前で同じモノが存在しているとは・・・
 

 

 山形鉄道フラワー長井線及びJR左沢線に架かる2つの最上川橋梁は現役国内最古の鉄道橋で、双方が2008年に土木学会選奨土木遺産に選奨され、2009年には経済産業省から近代化産業遺産としても認定されています。
 


 このような橋梁は、当時の日本の鉄道技術では建造することができなかったようです。

 

 

 当時としては最長である、200フィートの径間をもった「ダブルワーレントラス」という形式の錬鉄製の鉄橋は、英国で製作されたもので、イギリス人のチャールズ・アセトン・W・ポーナルの設計で、パテントシャフト&アクスルトリー社製造の物を輸入したとされています。

 

2. もうひとつの最上川橋梁(JR左沢線)

 

 知ってしまった以上、もうひとつの最上川橋梁も見なくては・・・ということで別日に最上川橋梁巡りすることになってしまいました。

 

 

 こちらは、5連のダブルワーレントラスと3連のプラットトラスとなっています。山形鉄道フラワー長井線
と同様、明治22年に新橋駅-神戸駅間が全通した東海道本線の木曽川に架けられたものです。

 

 

 なぜ?木曽川に架けられていた橋が、遠く離れた最上川にやってきたのでしょうか?

 今ほどではないでしょうが、明治から大正にかけても時代の流れは速く、大量輸送に対応するためでしょうか?機関車の重量が増していき、橋梁の強度不足が明確になったようです。したがって、大動脈の東海道本線の木曽川橋梁を架けかえる必要が生じ、貴重な鉄材を有効に転用するため、支間長を200フィートあった径間を150フィートに短縮・改造して、最上川の2つの箇所にに分けて架けられたということです。たまたま、その時期があったのでしょうね・・・縁というやつでしょうか?

 

 

 山形よりのプラットトラスは、筑豊本線の遠賀川橋梁から移設されたそうです。鉄道車両の転用は当たり前で、橋梁の転用もなんとなく知っていましたが、これほど大規模な転用が行われていたとは・・・

 

 

 日没ギリギリで、近距離撮影を忘れてしまいました。
 この2つの橋は"双子橋"としても親しまれているそうです。マニアだけだと思いますが・・・

 

3. まだまだある最上川橋梁、第2最上川橋梁

 

 JR羽越本線に架かるのが第2最上川橋梁、さて第1最上川橋梁はどこに?

 

 

 1径間だけ形が違っているのがオシャレですね。たまたまのようですが・・・

 

 

 

 ここは、2005年12月25日に発生した、列車脱線事故現場(死者5 重軽傷者32)のすぐ近くです。

 

 事故の概要ですが、新潟行きの上り特急いなほ14号6両編成が、橋梁通過直後に最も軽量であった2両目から脱線を始めて最終的に全車両が脱線、うち3両が転覆し、先頭車両が線路脇の養豚場の堆肥舎に激突し大破した事故です。

 

 

 

 平成18年豪雪といわれた冬に発生した突風による事故で、竜巻かダウンバーストが原因ではないかと言われています。

 

 

 慰霊碑と立派な施設がつくられていました。

 

 

4. 見つけました!第1最上川橋梁

 

 陸羽西線の津谷~古口にありました。

 

 

 歩道・車道・鉄道と3つ並ぶ姿がなんとも・・・

 

 

 鉄道橋は橋脚が渋い。

 

5. 道路橋もいろいろ

 

 明鏡橋、竣工年は昭和12年で、平成18年に土木遺産に選奨されています。

 

 

 鉄筋コンクリートアーチ橋で、開腹部のアーケード形状、高欄の逆アーチ形状等、デザイン的に優れていまることが、土木遺産に選奨された理由のようです。

 

 

 

 新旧の橋がいい感じで並んでいます。

 

 

 最上川に架かる最上橋、竣工年は昭和15年で、平成15年度に土木遺産に選奨されました。

 

 最上橋は、3連の美しいリブアーチ橋の姿、調和のとれたバルコニーと高欄が歴史を物語っています。地元の方々に愛されていて、イベントなども開催されているようです。

 

 下流にある橋ですが、名前はわかりません。天気が良ければ月山と風車バックに・・・

 

 

 最上川、橋梁巡り。結構おススメです???