1.豪雪の中山峠
1/12頃からの寒波で積雪量は1~2mと予想されたので、豪雪期の中山峠がどのようなものか確かめたくて、1/22(日)に歩くことにしました。
前回は、昔の道具カンジキを想定してスノーシューを使用しましたが、今回は違う道具を試してみようと思い、テレマークスキー(センター幅100mm)を使用することにしました。シールを貼り付けて頂上まで登り、下りはシールを剥がして滑って降ります。スノーシューと比較して、雪の沈み込みも半分くらいですむので楽チンです。スキー最大の利点は、帰りに滑って降りれることでしょうか。私は通常、山ではスノーシューで上り、スノーボードで滑って降りるのですが、山古志のような里山では、上り下りに対応できるテレマークスキーが最適ではないかと考えています。
雪崩ビーコンのスイッチを入れてスタート。豪雪期でも中山峠のトレイルは形を残しており、迷うことなく歩くことができました。低木は雪の下に埋まっているので、トレイルをはずして歩くのがまた気持ちいいのです。
地元の有志で手掘りのトンネルを掘らねばならないほど、つらく苦しい中山峠の道も、私のような里山スキー愛好者にとっては、最高の遊び場になってしまう・・・なにか複雑な思いを抱いてしまいます。
峠の祠の前にやってきました。今回は、昔の峠歩きの再現ではなく里山スキーの色合いが濃いため、「おじゃまします、本日は山で遊ばせてください」とお願いして手を合わせました。
山頂部は真っ白な雪原になっています。50分で到達しました。景色を遮るものはほとんどばく、絶景が広がっていす。昔、峠を越えた人たちはここで一服していたのでしょうか?
雪崩用のプローブ(240cm)で積雪深を測定すると160cmでした。
2.中山峠で里山スキー
ゲレンデではない自然のスノーフィールドにおいて、自然と触れ合うスキーを「ネイチャースキー」と呼んでいます。本格的な山を登り滑り降りる「山スキー・山ボード」とは違い、雪の里山を「歩いたり滑ったりして楽しむ」スキーで、私は「里山スキー」という名前を使うことにしています。昨今注目されている「バックカントリースキー・スノーボード」(私はこれも好きです)は、滑ることを主目的としているのに対して、自然との触れ合いを第一に雪景色を楽しみ、樹木を観察し、バードウォッチングやアニマルトラッキングを楽しむのが里山スキーです。
今回の中山峠の往復に関しては、里山スキーであると考えています。標高が低く、地形やルートも夏から調査済みで、雪崩地形を確認しながら行動しているのでソロでの活動でも支障がないと判断しています。大きな山と違って滑る距離は短いですが、音のない豪雪地帯の里山を満喫できる素晴らしいフィールドです。
スノーシューで上り下りをしたときは、上り1時間30分、下り30分でしたが、積雪深倍増でもテレマークスキーを使うと上り50分、下り10分という別格の機動力です。
最下部では、落込みもあり危険な箇所もありますが、全体的に雪崩の危険性も少なく、慎重に滑れば安全に下りることが可能です。
3.中山隧道をどう体感するか?
現在、中山隧道の保存と見せ方について検討されているようですが、峠道にもスポットを当ててもらいたいと思っています。保存作業が進み、再び中山隧道を通り抜けることが出来るようになった時は、積雪期の峠道を実際に歩いて、その存在感を体感していただくことが大切だと思っています。土木構造物は昔の人たちの苦労を知ってこそ、その価値がわかるものではないでしょうか・・・