「サンキュー・スモーキング (2005)」
監督:ジェイソン・ライトマン
キャスト:アーロン・エッカート、マリア・ベロ、アダム・バイン、サム・エリオット、ケイティ・ホームズ
、ロブ・ロウ、ウィリアム・H・メイシー、ロバート・デュバル
100点満点中75点
タバコ業界により設立されたタバコ研究アカデミーのスポークスマンのニック・ネイラー(アーロン・エッカート)は、日々マスコミ相手にテレビの討論番組などで喫煙者の権利を守るために、タバコに健康悪化との因果関係がないことを世間に信じさせるために日々奮闘していた。
ニック自身、タバコは体に良くないことは知っている。 しかし、討論ではタバコを言葉巧みに擁護し、実は害はないんじゃないか?とこちらを錯覚に陥れる話のプロだ。
私生活では、もちろん周りからは嫌われ者のニックだが、一人息子のジョーイは仕事のできるお父さんとして尊敬してくれている。
そして銃器協会とアルコール業界の同じく戦友でスポークスマンのニック含め3人は行きつけのバーに集まり仕事のストレスの解消の場としている。
ニックの敵でもある、嫌煙派のフィニスター(ウィリアム・H・メイシー)は議会で、タバコのパッケージにドクロマークをプリントすべきとの法案を通そうとしていた。
これに対抗すべく、ハリウッドに行って映画プロデューサーにハリウッドスターに劇中でタバコを吸うシーンを盛り込んでもらうことを頼む。 タバコのイメージアップを図ろうという魂胆だ。
ところが彼にある日近づいてきた新聞ジャーナリストのヘザー・ホロウェイ(ケイティ・ホームズ)。
ベビーフェイスでかわいい彼女にニックはメロメロになってしまい、業界裏話を聞かせてあげたりと熱い一夜を共にする。
ところが翌日彼は新聞を見て愕然とする。 そこには、ヘザーにピロートークで語った裏話すべてが載っていて、窮地に立たされることとなったニック・ネイラーはどうするのか・・・
自由の国アメリカならではの、タバコを吸いたいなら多少のリスクも引き受けなければならないという主張がある傍ら、本質にある大事なことは愛であるということが示されていた。
そして、ニックの話術がすごい。 ディベートの相手はこちらの持論に全く納得していないのに、聴衆はニックの味方につくというスゴ業を見せる。 そんなニックの討論においての考えは、自分が正しいことを証明するのではなく、相手の間違っていることを証明するというものだ。 よく考えてみると、日常にいたら相当嫌な奴だ。 これでは友達となった人も逃げていくだろう。
コメディ映画でもあり、ユーモアがアメリカンテイストでシリアスな内容を堅苦しくせず、映画を見ている間は笑っているか、内容に納得しているかのどちらかだった。
その中でも、死の商人と呼ばれる業界人の3人組ニック、ジェイ、ポリー(タバコ、銃、アルコール)の話があほらしかった。 うちの業界では計算すると一日に~人死んでいる、君の業界ではたった~人しか死んでいないと実に不謹慎な奴らである。
こういう作品で社会について勉強でき考えるきっかけを作れるし、さらにヒューマンドラマとして楽しむこともできて一石二鳥である。
タバコを吸う人も吸わない人、どちらが見ても楽しめる映画だ。





