アイツと相性の悪い姉妹 | はれ、ときどきリウマチ

はれ、ときどきリウマチ

時々痛みが出るリウマチ主婦の、時々下手っぴな絵がついてくる「時々絵日記」

(はじめに:嘔○の表現が複数回あります。恐怖症の方、お食事中の方はご注意ください)

恐れていたものが緑川家にやってきた。
インフルエンザである。

これがよく分からないのだが、最初に体調を崩したのはあさ月であった。
元々咳が出ていたが、水曜の午後から仕事中にあり得ないレベルでの居眠り(「寝息が聞こえた」と先輩に指摘されたのだった…)、帰りにふらついて駅の階段を踏み外しそうになる、悪寒・夜間の発熱など、重度の風邪かと思っていた翌日の午後に幼稚園から電話がかかってきた。

「ライムちゃん、顔色が悪くて『寒い』とずっと言っていて、熱を測ると37.3℃あって…」

あさ月の風邪という心当たりがありすぎるので仕事は即早退させてもらい、幼稚園に向かった。
幼稚園到着時には熱が上がっていて38.6℃にもなっていた。保健室に寝かしてもらっていたが顔色が土気色である。
出迎えてくれた主任の先生は
「でも咳も鼻水も出ていたから、インフルエンザとは違いそうな気がする。つばき組ではインフルエンザの子は一人もいないし」
と言い、あさ月も同意した。しかし隣のあやめ組では9人ものインフルエンザ患児が発生している。ただそのため前日から学級閉鎖となっていて、他のクラスに拡散する前の封じ込めには成功していると思われた。

一旦家に帰ると、学校から帰宅していた長女が気になる情報を持っていた。
「(クラスメイトの)わこちゃんがインフルエンザなんだって。妹のせいかちゃんがインフルエンザだったから」
何っ!?
日曜の夕方にあさ月はPTAでのっぴきならない用があり、わこちゃんのお宅を訪問している。2時間余りにわたって滞在し、そのうち30分くらいはそのせいかちゃんも同じテーブルにいた。
まさかあさ月の体調不良はそこで感染したインフルエンザ?!
そしてそれが次女にも感染?
とにかく季節柄高熱=インフルエンザの可能性は否定できない。あさ月は次女を連れかかりつけの小児科に向かった。

インフルエンザの可能性があるからと隔離室に通してもらい、かかりつけ医の診察を受ける。
「うーん、インフルエンザの可能性もありますけど、クラスにはいないんですよね?熱が出てから3時間程度…反応が出るかどうか…」
と言われつつ検査をしてもらい10分後

ガラッ(隔離室の戸が開く音)

「ライムちゃん、インフルエンザでした。A型です。クラス第一号ですね」

ガクリ<そんな第一号いらない…

土曜までに熱が下がっても火曜までは出席停止であること、タミフルが処方されることなどの説明を受け帰宅。
タミフルを調剤してもらった薬局では「できるだけ早く飲ませる方がいいので、帰ったらすぐ今日の夜の分は飲んでください」と指示される。
そこで帰ってすぐ、タミフルをヨーグルトに載せて(混ぜるとコーティングが剥がれて苦くなるよ☆)食べさせた。
すると40分ほど経った頃だろうか。
「ゲボがでた…」
というか細い声が。

ノオオオオオオオ!!!

嘔吐してるぅううう!!

カーペットに…ううううう…
何で嘔吐??泣

その後は何ともなかったが、翌朝朝食を軽く食べさせ、薬を飲ませて大丈夫そうかと思っていたら服用から1時間後また嘔吐orz(ただし次女はなかなか賢いので、用意しておいた洗面器に吐いていた)

これはなんだ?
タイミング良く(?)長女も前日夜から発熱が始まり、うつっている疑いが濃厚だったので二人を引き連れついでに自分の診察券も持って再び小児科を訪れた。
自分もインフルエンザの可能性が高いということで長女とあさ月は検査、次女は嘔吐の件を相談。

長女の検査は1分ほどで「やっぱりインフルエンザA型です」と結果が返ってきた。早っ。
次女の嘔吐は
「2回とも薬を飲んで40分とか1時間なので、薬との相性が悪いのかもしれないですね…。吐き気止めを出しますから、飲んでから食事やタミフルを飲んで様子を見るか、まあ無理して飲まなくてもいいのかも…」
とのこと。
そして

「お母さんは陰性ですね」

え???

時間が経ちすぎているからでしょうか?と聞いても、水曜の昼からならまだ2日、抗ウイルス薬でウイルスの増殖を抑えたわけでもない。もしインフルエンザなら確実に陽性と出るはずだという。子どもたちはリンパ腺が腫れていたが、あさ月はそうでもないなど症状にも少し違いがあるとも。

自分はインフルではない…?

「わこちゃんちであさ月が感染して緑川家に拡散した」説がガラガラと崩れていく。
じゃあ次女、あなたのインフルはどこから?(ベンザブロックの宣伝風に)
あやめ組が学級閉鎖になる直前にもらった?
謎である。

次女には吐き気止め、長女にはタミフルをもらって帰宅。
長女はやはり一刻も早く服用を開始した方が良いということで、帰ってすぐに飲ませる。
~1時間後~
「…洗面器…」by長女 以下略

電話で小児科に相談。
「それはやっぱり薬との相性が悪いんでしょうね。二人とも無理に飲ませなくてもいいと思いますよ」。

調べるとタミフルの副作用として、小児では最も多いのが嘔吐だったりする。その頻度実に24.3%。それでも我が家の小児での発現率100%って何なんだ…。タミフルと相性の悪い姉妹。
(薬を飲ませるのをやめたら嘔吐はすっぱりなくなり、ご飯ももりもり食べられるのだからやはり副作用だったと考えられる)

さて、今まで話に出てこず一人健康体で頑張っていた夫ハカセ。インフルエンザではなかったにせよ体調の悪いあさ月に代わり家事をしたり子どもたちの面倒を見たり大活躍してくれていた。
しかし日曜になって何やら喉に違和感を覚え始めたという。
火曜には絶対に外せない仕事が入っているらしい。

「そうだ、タミフルの予防投与ができるかもしれない」
あさ月はひらめいた。

タミフルはウイルスの増殖を抑える薬である。患者と接触した人が発症前に飲めば、ウイルスの増殖を抑制し発症を防ぐことができる。これを予防投与という。
一応予防投与の対象は、患者と同居している高齢者だとか呼吸器系の基礎疾患がある者だとかガイドラインみたいなのがあるが、病気に対する治療ではないため自費診療だからぶっちゃけ金さえ払えば何でもありだ。
まして我が家には今タミフルが既にある。姉妹が飲めなかったタミフルドライシロップが。
処方された薬の量から成分量を逆算する。次女の分がオセルタミビルリン酸塩にして30mg、長女の分が40mg。合わせれば70mg。大人用のタミフルカプセルだと75mgだから、5mg足りないがまあ許容範囲だろう。

長女のタミフルを1包、次女のタミフルを1包。
「さあこれを今すぐ」
ウイルスが増殖する前にそれを抑え込めるかが鍵だ。思い立ったが吉日、初回投与は早ければ早いほどいい。(本当は患者と接触して48時間以内が望ましい)
少なくとも熱が出てから飲むよりはるかに効きが良いはずだ。
子どもたちは副作用で飲めなかったし、飲まなくても予防接種の効果か2人とも2日でさくっと熱は下がってタミフルは不要だった。実はこれが一番有意義な使い方だろう。

サラサラとタミフルを口に入れる夫ハカセを見ながら長女が
「パパ吐かない…?」
と心配そうに言った。
すっかりタミフル=嘔吐という図式ができあがってしまったようだ。
大人の場合も嘔吐の副作用は報告されているが、頻度が小児とは全然違い1%とかなのでまず心配ないのであるが。
実際問題なく経過している。後は発症を抑えられるかだ…。
タミフルの力、見せてもらおう。

そしてタミフルなしでも2日で熱が下がった姉妹はとても元気だが、まだ出席停止で自宅から出られない。姉妹同時だったのは幸いであるが、特に次女の方が退屈を持て余している。
でもって夫ハカセも1日休んでくれたが、あさ月は2日有給を減らすことになった。半日休暇にすれば4回分。PTAなどの行事4回こなせたのに…もったいなさすぎて、涙。


     
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