さらに続きです。
観覧車に乗ったことで1944年に時空移動したマサヒロ。
周りの人の様子に違和感を感じるまでが結構長い。
ここはもう少しコンパクトにしてもいいのでは?
そして、私が1番観たかった、ショウヘイが登場。
私は辰巳さんがショウヘイを演じている間は、
ほぼずっと彼の表情を観ていました。
もともと、芝居が好きだとずっとずっと言ってきた人。
ふぉ〜ゆ〜の中でも1番の芝居好き。
そんな辰巳さんが、
細かいところまで表情がショウヘイを生きている、
という評判を聞いていて、
どんなふうに演じているのだろうか、
そこが、この舞台を観たい、私の1番大きな動機だった。
カウコンで使うために手に入れた高性能双眼鏡。
さほど舞台から遠くもないはずのこのお席で、
わざわざこれを持ってきた理由はそのためでした。
思った通り、すごい迫力。
全身から混沌とした怒りのようなものがにじみ出ている。
終始、眉間にしわを寄せ、
憲兵が来た時など、家族や身の周りの人が危険にさらされると思ったら、
真っ先に出て行って盾になる。
敬礼するときは頭からつま先までぴっとして、靴を揃えるときには音がする。
憲兵に礼をするときは90度の最敬礼。
この時代、
こういう人はきっといたのではないかと思いながら、
この健気な青年を観ていた。
異邦人にもわりとすんなり受け入れた仲間たちと違って、
ショウヘイはマサヒロに対しては敵対心むき出し。
遊園地の経営者として人望の厚い長男と、
ずっと自らを比較して、
「次男坊」と憲兵からも言われる(家長制度の強かった時代に次男坊というのは長男と比べてだいぶ差があったのだろうと思います)。
そして彼にはまだ召集令状が来ていない。
なぜなんだなぜなんだと、
毎日を生きていたショウヘイ(私の想像ですけど)。
そんなところに現れたマサヒロ。
そういう気持ちを全て表現している辰巳さんは、
本当、双眼鏡越しにもオーラがありました。
そしてショウヘイに対比するように居るマサヒロは、
まさに(平成の)時代の寵児というのか、
チャラいし軽いしなーんも考えてない。
ポケットに両手を突っ込んで立ってるなんて、
当時ありえない非国民ですね。
昭和19年に来て平成30年を語る。
過去を知っていることを、金儲けの道具にしようとさえするマサヒロ。
ちょっと、
「レインマン」に出てくるトム・クルーズを連想した。
そんな一触即発のマサヒロとショウヘイの間にいて、
とてもいい空気を作っていたのが、
みょーちゃんさん演じるディーノでした。
いしのようこさん演じるトメさんと夫婦であり、
ハルちゃんの親でもある。
このかたの、(役作りであろう)ゆるーい話し方が、
場を和ませてくれるとても素敵な存在でした。
子役の存在も大きかった。
私が普段見ている舞台には、
あまり子どもは登場しないので、
小学生くらいのお子さまはとても新鮮。
甲高い声で楽しく遊ぶ子どもの存在は、
毎日を必死に生きる大人たちの希望を背負っている存在だった。
ところで、
人気の活弁士だったけど戦争で仕事が無くなったというトメさんですが、
序盤あたりで、
なんか声が聞こえにくいなぁと思った。
だんだん気にならなくなっていったけど、
活弁士という役なのに、とちょっと思った。
まだ書き足りない。
すみません、まだ続く。