時間が空いてしまいましたが続きです。
ところで。
私はツイッターではわりと寡黙です。
というのは、
的確に端的に感想を呟いてくださる方が大勢おられて、
たいていはそれに対して共感することで自分で納得してしまうからです。
それでもわざわざここでおぼつかない言葉で書き綴るのは、
単純に、自分の記録を残しておきたい、それだけです。
D☆Dの舞台は、
セリフは少ないのです。
ミュージカルやストレートプレイを見慣れていると、
ストーリーを追うのにも、
自分自身で想像や推測をしないとなので結構難しいなと思います。
そういえば、
ダンカン王はセリフなしで、全てタップだったし、
預言者もそう、フラメンコが全てだった。
セリフは、
マクベス、バンクオー、
骨、魔女たち、
レディマクベス、
あとは伝令の小寺さんと、
刺客の泰ちゃんがちょっとだけ。
セリフが無い分、
ダンスに盛られた思いがとっても比重が大きい。
水夏希さんが演じるマクベスの妻。
不甲斐ない夫にやきもきしていたのが、予言が的中して嬉しい気持ちで踊る場面や、
ダンカン王を殺めろと夫のマクベスを嗾す場面、
夫が王に君臨して嬉しい気持ちでペアで踊る場面、
そして、終盤で、自責の念に囚われて狂ってしまった(と感じました)場面。
その踊りもだけど、
表情に気持ちが表れていて、
目が離せなくなった。
預言者として出演されていた小島さん。
78歳というお年とは思えない、
魂の叫びのようなフラメンコを踊っておられて、
初日に観劇したとき、
だから公演のタイトルにFLAMENCOとあるのだなと、
納得しました。
踊っているだけで気持ちが揺すぶられる踊りというのは本当にあるんだと。
マクベス役の東山りだも。
東山さんのダンスは、
ジャンルで分類できないなと常々思っていて。
バレエでもないしジャズでもない。
もちろんフラメンコでもない。
東山のダンス、というジャンルなんだと思う。
ソロでのみ確立するダンスだと思っているので、
この公演でも特に注目してはいなかった。
のだけど、
表情がすごかった。
預言者の出現に同様する場面、
王になるのだと言われた場面、
予言が的中して国の領主になった場面、
ダンカン王を殺せと骨に手引きされ、妻にもそそのかされた場面、
そしてバンクオーの猜疑心に満ちた目で見られた場面、
自らの罪に苦しみ、眠れなくなって苦悩する場面などなど。
踊っているのだけど、
その表情が心の叫びを表しているのですね。
私が一番心鷲掴みされたのは、
ラストで、咲哉くん演じるフリーアンスに刺された場面でした。
それまでの苦しみに悶える日々が、
これで終わるという安堵の表情、
自分は運命に勝ったのだ、自分は生きている、と言った通り、今が生きているのだと思う解き放たれた気持ち、
そういうものが全て表れているような、
恍惚とした表情から感情が読み取れるような気がして、
見ているだけで涙がぼろぼろとこぼれました。
初日は、それこそ終演後も立ち上がれないくらい圧倒的でした。
それでもなお、
私は東山りだ推しではないんだなと、
改めて思いました笑
東山りだの圧倒的なマクベスだけに意識を持っていかれないだけの、
主演以外のキャストがまたとても魅力的でした。
骨役の森新吾さんについては書いたけど、
バンクオー役の中塚晧平さん。
バレエについては素晴らしくて、
D☆Dを知ったばかりの頃はこの人が推しになるかもしれない、という目線で見てた。
今回マクベスの盟友役だったのだけど、
ダンカン王をマクベスが殺したことを知って疑いの目線を向けるところや、
息子のフリーアンスを可愛がっているところなど、
とっても素敵に演じておられた。
「伝令!」
と、おもに伝令をする役の家来とも言える小寺さん。
伝令は素敵にこなしていたけど、
コロス役の方たちと同じようにダンスやタップやバーを使ったりと、
器用にいろいろこなしておられて、
このバランスの良さがD☆Dのバランスにも通じているんだなと1人ほくそ笑んでいたのでした。
類さんとTAKAちゃんは二人で揃ってまるで双子みたい。
原作では魔女は3人いるらしいけど今回は2人。
笑い声が甲高くてそれこそ魔女だった。
そして腕の動きから指先の動き、身のこなしに至るまで、
みんなたおやかで本当に女性のようだった。
歌はいつもながら、間違いない。
聴き惚れる。
初日の開演前、
お友だちに、
「出番がいっぱいあるといいですね」
と言ってもらった。
出番は多くはなかったけど、
登場した時に確実に存在感があって、
余韻で忘れられない感じがあった。
だから私は満足している。
マクベスは、
公演が発表されたときは、
それこそ、活動休止だのメンバー卒業だのという気持ちがぐるぐるしているときにチケット申し込んだので、あまり期待度は高くなかった。
けど公演が始まったら、本当に何度も観たくなって、でももう増やせなくてやきもきしました。
前楽と、千穐楽と、
観劇したのでそれで良しとしますが、
あとは映像収録日にどんなだったかDVDで確認したいと思います。
まだまだ思いつくことはあれもこれもあるけど、
ひとまず感想はこれで終わります。
D☆Dの公演の後にはお友だちと飲みながらあれこれ喋って過ごすのがいつものこと。
それも今は大事な時間と思えます。