きっとここに来てくださる方は、
私は今日あの事を記事にすると思っておられるかもしれませんが。


ひとつひとつ、気持ちを整理していくと時系列になりますので、
今日はこちら。















去年「DEATHTRAP」を観て以来の、
東京芸術劇場プレイハウス。

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「戯伝写楽」観劇してきました。







公演が決定した頃は、そんなに心惹かれる舞台じゃなかった。



D☆Dのりだ東山さんがダブルキャストで出演というのは、へー、っていう程度だった。

キャストの吉野圭吾さんはCLUB SEVEN ZEROで観て以来また観たいと思う俳優さんだったけど。



演出の河原雅彦さんにはちょっと興味あって。

一昨年、関西ジャニーズの浜中文一・文ちゃん主演の「50Shades!〜クリスチャン・グレイの歪んだ性癖〜」の演出をされてて、
はちゃめちゃ具合がぶっ飛んでて面白かった。


それより大昔の河原さんだと、
ドラマ「演技者」の「青木さん家の奥さん」で嵐・大野智、相葉雅紀、櫻井翔さんたちと共演してて、そのアドリブの振り方も面白かった覚えが。







そんな程度の興味だったのだけど、
D☆Dの公演「White Labyrnth」が千穐楽を迎える頃から、現場の予定がなくなってしまうのが急に寂しくなってきた。


その時は、真剣に、銀河劇場の次の公演「GANTZ」を観ようとチケ探してた。
(初・百名ヒロキさんを拝もうかと)





それが、観劇予定の公演のチケットをお譲りいただけることになり、急遽観劇を決定!













というわけで、行ってまいりました(いつもながら前置き長くてすみません)。



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例によって、D☆Dの現場でお見かけする方がちらほら(でも知り合いじゃない)。





ダブルキャストの東山りだ登場の日のすぐくらいに、
森新吾さんが観劇、
その数日後に晧平さんが観劇されてて、
今日あたり誰かきてます?と思ったら、
なんとマチネで類さんと泰ちゃんが観劇されてたらしい。

ソワレではありませんでした。




舞台の予習らしきことは、実在の登場人物をさらっと見るくらいと、
フライヤーに書いてあるストーリーを読んでおくくらい。

あんまりいろいろ調べませんでした。








冒頭の、十郎兵衛とおせいちゃんが歌うシーンでもう涙が出た。


歌うシーンには結構弱い。



特に中川しょこたんの声は、ポップス系の歌が似合う声なのに、
ちゃんと他の方の声と合っていていい感じだった。




そしてこの舞台も、生バンドです。


ドッグファイトくらいから、生バンド付きの公演をずっと観ている気がする。

やっぱり生バンドは良いです。


バンドの方は2階の両サイドに2人ずついて、
それこそオペラグラスでガン見しようと思ってたのだけど、
前からほんの数列目のお席でオペグラ構えてる人はいなくて躊躇しているうちに芝居はどんどん進んでしまった。





冒頭のお江戸の町人たちの歌とダンスは、
和装なのに日本舞踊と関係なく普通に踊って面白かった。
さすがに足をガバッと広げるとかそういう動きはなかったけど、違和感なかったな。




室内の場面で何度も登場する家の中みたいなセットは、
黒子さんが動かしていた。

本当の黒子って最近見ている舞台では珍しいかも。

演者がセット移動するのとか、自動のとかが多いから。

この家、商人たちが酒を酌み交わしながら商談する部屋だったり、
十郎兵衛がおせいちゃんを住まわせて浮世絵を書かせる家だったり、
吉原の花魁のいる部屋だったり、様々な場面になるのね。





東山りだが演じる与七は、登場したとき大阪弁で、
お江戸の町が舞台なので、あれ?と思ったの。

まさかりだが関西出身で日頃関西弁で話しているからって、
セリフまで関西弁にするのかなと思ってたの。


でもこれ、実は伏線になってたのです。

2幕の最初の方で、
「すっかりお江戸言葉になって」って言われるし、
終盤では、
「難波言葉に戻ってる」って言われるシーンがあるの。


そんな細かいところまで作り込まれているんだなぁと、
後になって思いました。





その与七りだ、ヘアスタイルもこれまた斬新で。

髷を結っていないだけでなく、
ドレッドヘアみたいな編み込み。

しかも明るい茶髪。

およそお江戸の人には見えないスタイル。

これは演出家さんのアイディアなのでしょうか。

いつもの妖艶な感じのりだが垣間見えていて、
私的には全く問題無かったのですけど。





十郎兵衛さんは、浮世絵がうまくなくて、
おせいちゃんは素晴らしい才能がある。


その才能を利用して、自分を売り込んでいくのがざっくりした話です。



商売人の蔦屋重三郎は商魂に長けているので、
手を組んで儲ける。



おせいちゃんは、好きな絵をいくらでも描いていられるのでそれで幸せ。


ちょっと目にはみんなが幸せ。



いわゆる芸術家みたいなおせいちゃんや、浮世絵稼業を巧くやっている十郎兵衛の傍で、
鍋焼きうどんを作ったり世話を焼いているのが与七なのです。


普段の様子とかけ離れた設定に、
D☆Dファンの方は楽しんでおられた。


私も、こんなに甲斐甲斐しく立ち回る日頃のジャイアンぶりとはかけ離れた与七を、
可愛いなと思って観ていました。



うーん、まんまと「りだ可愛い」の術にはまってしまった。。。

(ただ、この術は舞台の幕が下りた瞬間に解けました。)








さて、休憩時間にパンフレットを観ていたら、
楽しみにしていたはずの吉野圭吾さんを全く気にかけてなかったことに気がついた。


どんなお衣装を着ていたかも覚えてない。


これでは勿体無いと、
2幕では一生懸命探す。



すると、ああ、この役なのねという役でした。

(どんだけりだばっかり観てたんだよ)



2幕では、おせいちゃんと十郎兵衛の写楽生活が、
楽しいだけじゃなくなってくる。



鉄蔵がからんでくるのですね。

鉄蔵役の山崎樹範さん、知ってる役は、
その昔、相葉雅紀主演の「マイガール」での相葉ちゃんのいとこ役のたかちゃんと、
キスマイのミニドラマ仕立てのDVD「Eternal Mind」でのマネージャー役。

今でも家ではたかちゃん呼びです。


そんなたかちゃん、いえ鉄蔵さん、
人生に迷いがある役ですが、
最後には人生が開け、世に名だたる人として活躍する予感がありました。




おせいちゃんと十郎兵衛さんの写楽の生業。


言ってみればゴーストライター。



そこに絡んでくるのが花魁の浮雲さん。


壮一帆さんが演じているのですが、
壮さんは、
D☆Dの公演「WILDe BEAUTY」のときには、
凛々しいオスカー役で共演していた。


それが妖艶な花魁の役。


吉原の花魁だけども、生き様がとても凛々しくて、
この方は凛々しい役が似合うなーと、
綺麗で淫らな着物姿にも見入ってしまいました。






花魁の浮雲さん、
自分の姿絵を観たことで人生を変える。




絵が人の人生を変える力があるのです。


芸術が持つそのパワーに、
とてもとても感動しました。



ほかにも、
スケッチのように見ながら描くのではなく、
心に焼き付けて描け、とか、
心に焼き付けた絵は、
何枚描いても消えないとか、
話を書くとか。



芸術家が思ったり、言ったりしそうなセリフがいっぱいありました。


明治の文豪が同人誌を作るときに言いそうなセリフにも思えて、
芸術家さんたちの会話が面白いと思う場面もいっぱいあった。






その中でも、
一番心を打たれたのが、おせいちゃんが狂ったように絵を描き続けるところでした。



何枚も何枚も描く描く。


それは心の叫びを筆に託しているようで、
壮絶そのもの。




でも悲惨な感じではなくて、心の中を具現化することが楽しくて仕方がない、そんな感じに思えました。



私は2幕は始まってすぐくらいから泣きまして。


ほぼ最後までタオルで顔を覆いながら観ていました。



周りの方はわりとカラッと見ていたような感じで、
ちょっと恥ずかしかったけど、
でも。





お客さんは舞台に心を揺すぶられるために足を運ぶ。


少年隊の東山さん(だったか錦織さんだったか)の言葉を、
ザキさんが受け売りで以前雑誌の対談で語っていました。



私はこの言葉がすごくすごく印象に残ってて、
今でもよく思い出すのです。



心を揺すぶられる。


まさにそのとおりです。




壮絶なおせいちゃん、
壮絶な浮雲、
壮絶、とは違うけど、人生をかけた十郎兵衛と、
商売人の重三郎さんと、
傍で見守っていた与七と、
鉄蔵さんと、ほかの方々も。




鉄蔵さんも与七も、
未来が洋々たる成功者の予感でお話が終わるので、
ラストは楽しく明るく嬉しく、
拍手することができました。









この、誰それさんはのちに活躍して、そのときの名前は◯◯さんでした、
的な成功話。



スティーブン・キングの「スタンド・バイ・ミー」であった方式かな、
と思ったのですが、
そう言えば近いところでは、
「23階の笑い」で、辰巳さん演じるルーカス・ブリックマンが、
ラストで語っていた方式が同じでした。



ちょっと嬉しい「後日談」です。





カテコではもう号泣だったのですが、
近くの方々がすっと立ったので、私も躊躇無く立って拍手しました。




リピするには地方公演にまで足を運ばねばですが、
さすがにそれはできなそう。




でも、すごく面白い作品だったなと、
観なくてスルーしてもそれはそれまでだけど、
興味があるなら行ってみた方が良い作品だなと、
思いました。



ファンのひいき目とかそういうのは無しでね。








余談ですが、
昨年3月に行った「アルジャーノンに花束を」。


あれは純粋に作品の原作が好きだったのと、
矢田悠祐さんと蒼乃夕妃さんが観たくて行ったのです。



だからファンのひいき目とかそいういうのは一切無くて、気持ちを素直にブログに上げられたのですが、
今は、泰ちゃんが出てくるとか、風海さんが出てくると、
D☆Dファン目線になってしまう。



あの時のタイミングで観劇できてよかったと本当に思います。





ファンだから観る、もありですが、
作品が好き、
というのに出会えるのは、
とても素敵なことだと思います。


今年はどのくらい、そういう作品に出会えるかな。










なんて思いながらの帰り道でした。








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