「助けてください」爽彩さんは中学校に電話したが…。旭川14歳女子死亡“ウッペツ川飛び込み”イジメ事件。
「川に飛び込むとき、みんなが携帯カメラを…」
あまりに残酷な事件…コレをいじめと言うのか。。教頭の驚く教育者と思えぬ発言も含め、このような残虐な行いが若年層で起こっている事を、我々大人は目を逸さず知っておかなければならない…。
本日は前回の続き②をお届けします。
爽彩さんの母親の親族が説明する。
「記事は主犯格の人間を間違えていたり、事実と異なる部分もありますが、爽彩が川に飛び込んだことは事実です。現場は、彼女が過去に凄惨なイジメを受けた、小学校近くの児童公園の前を流れるウッペツ川でした」
取材班も現場を訪れた。川沿いの遊歩道は柵で通行止めされており、乗り越えなければ川岸には近づけない。
川岸の土手は川面から4メートルほどの高さがあり、コンクリートで舗装されている。
ウッペツ川は、川幅3メートル、水深は1メートルほどの小さな川だ。近隣に住宅はあるが、人通りは少ない。
「助けてください」爽彩さんは中学校に電話したが…
「その日は雨が降っていたんです。夕方6時頃、加害グループのA子、C男、別の中学校の生徒や小学生ら計10人以上がウッペツ川の土手の上に集まった。これは事件後に爽彩の母親が本人から聞いた話ですが、
1人の生徒が笑いながら、『今までのことをまだ知らない人に話すから。画像をもっと全校生徒に流すから』などと爽彩に言ったそうです。
『やめてください』と爽彩がお願いしたら『死ね』と言われたと……。
『わかりました。じゃあ死ぬから画像を消してください』と爽彩は答えたそうです。
しかし、別の生徒が『死ぬ気もねぇのに死ぬとか言うなよ』と煽った。そこから集まった全員に煽られ、爽彩は柵を乗り越え、コンクリートの土手を降り、ついに川へ飛び込んだのです。
“自殺未遂”というより、イジメグループたちから逃げるためには川に飛び込むしかなかったのです」
川へ飛び込む直前、爽彩さんは中学校に「助けてください」と、助けを求める電話をしていた。すると、連絡を受けた学校から母親の元にも「今から公園近くの川にすぐに来てください」と電話があった。母親は急いで現場へ向かったという。
「母親が川に着いたときには、爽彩は男の先生たちに抱えられていました。着ていたジャージはずぶ濡れで、川から引き揚げられた直後だったそうです。爽彩は『もう死にたい』と泣き叫んでいて。。
その様子を、他の加害生徒たちは公園側の遊歩道から柵越しに見ていただけだったそうです」
「川に飛び込むとき、みんなが携帯カメラを」目撃証言
この“事件”の一部始終を川の対岸から目撃していた人物がいたという。
「その方(目撃者)が川に飛び込んだ爽彩を心配して、警察に通報したのです。その方は『私見てたの、1人の女の子をみんなが囲んでいて、あれはイジメだよ。女の子が川に飛び込んだときにはみんなが携帯のカメラを向けていた』と爽彩の母親に話したそうです」
取材班はこの目撃者にも話を聞こうとしたが、すでに亡くなっていることが現場周辺の聞き込みでわかった。
イジメ発覚を恐れた加害少年らは警察に虚偽の証言
幸い川に飛び込んだ爽彩さんに大きな怪我はなかった。だが、イジメの発覚を恐れた加害少年らは、のちに駆け付けた警察に対し、「この子はお母さんから虐待を受けていて、虐待がつらいから死にたくて飛び込んだ」と虚偽の説明をしたという。
最悪なことに、加害少年の虚偽証言を警察が鵜呑みにしたため、爽彩さんの母親は、爽彩さんの病院へ付き添うことを止められたのだという。
「しかし、その後になって警察が調べて、虐待の事実はないことがわかり、母親は入院する爽彩と面会できるようになりました。
川へ飛び込んだ日の夜、爽彩のスマホが母親へ返却されました。母親が電源を入れましたが、当時ウッペツ川周辺で警察に『爽彩の友達だ』と証言していた生徒らからは、心配するメッセージや着信も一切ない。
不審に思い、念のために爽彩のLINEを開くと、そこには、A子やB男、C男らによるイジメの文言や画像が残っていたのです」
本当にやるせない。。
TVニュースでは、いじめの実態が分かっていないような報道がされているが、目撃者もいたり通報が入ったり、本人や加害生徒の携帯電話にいじめ画像などが存在していたり、当初から警察もある程度認知していた訳だ。
川に飛び込んだいじめ現場から、本人自らSOSと学校に電話も入れ、尚且つ一般の方から警察へ通報もされ、教師も現場に駆けつけていたのに…
少女を助けられなかったのは何故なのか。
知れば知るほど、この中学校のその後の対応は理解に苦しむ。。
刑罰も与えられない若年層のいじめ(傷害)の実態に次回は触れたい。
次回へ続く。。