前回の社会保険制度でFPの一つ目の分野、「ライフプランニングと資金計画」は終わりです。 これからリスク管理分野として保険、さらに金融資産分野を勉強していきますが、今回はそこで必要となる所得税についてあらかじめ基礎的なことを大まかに見てみようと思います。


所得税

 所得税は、個人が働いて得た利益に対してかかる税金で、1暦年の所得に対して課税されます。ここで所得とは何かということを確認してみましょう。

 

  <所得=一年間の収入金額-収入を得るための必要経費>


納税方式

 自営業者の人などは、自分自身で一暦年の所得とその税額を計算して税務署に確定申告して納税しなければならない申告納税方式ですが、サラリーマンなどの給与所得者は給料の中から所得税が天引きされ(源泉徴収)

年末に※年末調整が行われているケースが多いので、一定の場合を除き確定申告の必要はありません。


年末調整 

 一暦年の給与についての税金と、実際に天引きした源泉徴収額との差額を精算すること。


10種類の所得

 さまざまな所得についてそれぞれに適切な課税を行っていくために所得は10種類に区分されている。

→ 1.利子所得(預金、貯金の利子など) 2.配当所得(株式の配当など) 3.不動産所得(家賃など)

 4.事業所得(自営業者の利益) 5.給与所得(サラリーマンの給与) 6.退職所得(退職金など)

 7.山林所得(山林の譲渡による) 8.譲渡所得(①不動産譲渡・②株式譲渡・③その他の資産譲渡の3種類)

 9.一時所得(生命保険の満期保険金など) 10.雑所得(①公的年金等の雑所得・②その他の雑所得の2種類)  


課税方式

 上の10種類の所得は種類によって、総合課税されるもの、分離課税されるもの、源泉分離課税されるものの3パターンがあります。 原則は総合課税で、これは対象となる所得を合計して税額を計算する方法です。 このとき対象となる所得を合計したものを総所得金額と呼びます。 個人の生活面を考慮して医療費控除など14種類の所得控除が設けられていますが、総所得金額から子の所得控除を引いた額に税金がかけられることになります。


超過累進税率

 所得に応じて段階的に税率を適用するもので、所得が多いほどより高い税率を要求するものです。5%から40%まで6段階に設定されています。

 


 前回は公的年金を学習しましたが、今回は企業が任意に設定、運営する企業年金についてみていくことにしましょう。 


厚生年金基金

 これは企業が独自に基金を設立して、厚生年金の一部を国に代わって運用・支給していく制度です。厚生年金の上の3階建て部分に相当します。 


確定給付型確定拠出型の年金制度

 確定給付型は、将来の給付額が一定の基準に基づき先に確定されているのに対し、確定拠出型は毎月の拠出額を先に決め、その運用実績によって給付額が決まる制度です。 つまり確定給付は将来もらえる額が決まっているのに対し、確定拠出は運用実績によってもらえる額が変わってくるのです。 これからは自己責任の時代と言われますがその表れの一つでしょう。


確定拠出年金制度の拠出限度額

 上で見たように運用実績によって給付額が変わってくる確定拠出型はリスクが伴います。そのため拠出金(掛金)の限度額が決められています。

 ●企業型  企業が掛金を拠出

   企業年金あり → 23000円/月

   企業年金なし → 46000円/月

 ●個人型  個人が任意で掛金を拠出

   第一号被保険者 → 68000円/月(※国民年金基金との合計額)

   企業年金なし   → 18000円/月

 この確定拠出年金制度は、第2号の民間企業のサラリーマン、第1号の人が対象で公務員、第3号被保険者は加入者になることができません。

 


国民年金基金

 民間企業に勤めるサラリーマンはこれまで見たように2階部分に厚生年金、場合によってさらにその上に企業年金が整備されていますが、自営業者のような第一号被保険者にはこのような2階部分がありません。そのため国が第1号被保険者のために2階部分として整備したのが国民年金基金です。 ただしこれは任意加入です。



 前回は公的年金の老齢給付についてみたんでしたね。 今回は残りの障害給付と、遺族給付についてみていきましょう。 年金制度というと老後に受け取る年金だけというイメージがありますが、実は病気やケガのときのための障害給付や 加入者がなくなったときにその遺族が受け取れる遺族給付があります。


障害給付

 病気やけがで障害者になった場合、一定の保険料納付要件を満たせば、障害の程度に応じて年金や一時金が支給されます。


遺族給付

 年金加入者が死亡した場合、要件を満たせば生計維持関係がある一定の要件を満たす遺族に遺族年金が支給されます。 ただしこれは 遺族基礎年金と、遺族厚生年金では遺族の範囲が異なります。 他の所でも共通しているように遺族厚生年金の方が優遇されています。


 遺族基礎年金

  受給できる家族は、子のある妻と、子に限られます。つまり子供がいない妻は対象外になります。 そして   

 「子」は18歳到達年度末日までにある子を指します。 年金額は約80万円プラス加算額です。


 遺族厚生年金

  受給順位は①妻、夫・子 ②父母 ③孫 ④祖父母 で上位者が受給すればそれで終わりです。 年金額は

 老齢厚生年金の報酬比例部分を計算した額の4分の3に相当する額です。被保険者げっ数が300月に満たな    

 い場合は300月として計算されます。


  中高齢寡婦加算

 夫の死亡当時40歳以上65歳未満の子のない妻、もしくは子のあるの場合、妻が40歳以上65歳未満で 

遺族基礎年金が受給できない期間(つまり子が18歳を過ぎてから妻が65歳になるまでの間)に遺族厚生年金に一律約60万円が加算される。