元ヘッジファンドE氏の「着実に2割稼ぐ株式投資術」

元ヘッジファンドE氏の「着実に2割稼ぐ株式投資術」

日本株のファンドマネージャーを20年以上、うち8年はヘッジファンドのファンドマネージャーをしてきた私「E」が、相場に振らされず安定して着実に2割稼ぐコツを解説していきます。


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こんにちは。元ヘッジファンドマネージャーの「相場師E氏」です。

連日気持ち良く下げますね。世間では何が起きているのかわからないという声が多いですが、私の記事をずっと読んでいるみなさんは起こるべくして起きたことがようやく始まっているだけだと判っているでしょう。

今まで溜まっていたものが剥落しただけなので、別に騒ぐ事はないのです。


2月限を作るタイミングが難しかったのでロットが少なかったですが、値幅がこれだけ出ているので小額でも十二分に儲かったと思います。


昨日までが悲劇の第二章だとしたら、16000円到達はこれは悲劇の第三章です。しかし、今年の「リスクオフ物語」は超大作でして、全部で12章はありそうです。。。

なので、まだまだ下げます。

しかし、本日はタイトルでにおわせたように、今晩16000円を割っているときに165プットを持っている方は全部利益確定した方が良いでしょう。

本日は一時300円高まで買う阿呆が居ましたが、その反動で大幅安になってしまいました。
日本株続落、原油や海外景気懸念強く全業種下げる-午後崩れ安値引け

21 日の東京株式相場は続落。下げ止まらない原油市況の行方や海外景気・株式市場の先行き不安が根強く、銀行やその他金融など金融株、不動産や食料 品、電気・ガス、陸運株など内需セクター中心に東証1部33業種は全て安い。株価の割安さを見直す格好で午前は反発して終えていたが、午後に入ると先物主 導で崩れ、主要株価指数はこの日の安値引け。
TOPIXの終値は前日比37.48ポイント(2.8%)安の1301.49、日経平均株価は 398円93銭(2.4%)安の1万6017円26銭。両指 数とも連日の昨年来安値更新で、およそ1年3カ月ぶりの低水準。心理的節目の1300ポイント、1万6000円割れ寸前だった。
富国生命保険の 山田一郎株式部長は、「プレーヤーが変わっているようだ。個人が日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信を売っているほか、銀行が かなりETFを切らざるを得ず、国内のフローが大きい」との見方を示した。資金の流れが変化している背景には米国の利上げ局面入りがあり、「立て続けに年 4回行うと米連邦準備制度理事会(FRB)の主要メンバーが発言していることは、マーケットとの食い違いがある」と言う。
前日に日経平均で 600円超急落した反動から、きょうの日本株は小高く始まり、徐々に上昇基調を強めた後は午後早々に一時318円高の1万6734円まで 反発した。テクニカル指標からみた売られ過ぎ感、日経平均の予想PERは13.7倍と昨年9月末以来の低水準にあり、見直し買いが増加。また、米紙ウォー ルストリート・ジャーナル(WSJ)は、安倍首相の側近が世界的な市場混乱がアベノミクスの支障となる恐れがあり、日本銀行は来週の決定会合で追加緩和す べきとの見方を示した報道。政策発動への期待感も一部で高まりつつある。

昨日も一昨日もそうですが、これだけ不透明なのに積極的に買う奴って何を考えているのでしょうかね?
(CME)
1CME121.png

特に本日は昨晩の米国株も下げたし、原油も下げたので、寄りから積極的に買う理由なんて何一つないと思うのですが。

値ごろ感ですか?

値ごろ感って何ですか?外部環境が変わりバリュエーションの基準すら変わっているのに、単純に同じ日経平均を見て高い安いと判断しているだけではないですか?

企業収益が堅調というのがウリだったのに、こんな報道も出ていますし、インバウンドも減速感が出てきているし、加えて足元の円高は今期の上場企業の予算レートである118円以上の円高です。
電子部品受注額 伸び急減速 10~12月、中国向け変調

今 のままでは来期は減益です。実際減益なのではなく、今年4月から5月に発表される来期業績見通しが減益で出てくる可能性が高いという事です。前にも何度か 書きましたが、企業の次期計画策定は2月下旬から3月上旬の外部環境をベースに作られますので、ここから1カ月でよほど株価が上がり景況感が回復しないと 強気の計画なんて出せないでしょう。

それにしても、本日のコメンテーターも嘘ついてますね。プレーヤーが変わって昨日から国内勢が売り始めたのは事実ですが、レバレッジ投信は本日も買っています。
(先物手口)
2ft121.png

本日の国内勢の売りは機関投資家でしょう。本日はTOPIXの下げが極端で、ほぼ全銘柄が売られていたので、国民の大切な年金資産を19000円以上でバカスカ日本株に投資した信託銀行さんが恐怖に駆られ売り始めたのだと思います。
(マーケット)
3マーケット121

しかし、その信託銀行は先週までは日本株最大の買い手だったので救いようがありません。

巷 では年金で21兆円損したという噂が出ていますが、そんなにはロス出ていないです。しかし、昨年9月末が8兆円だったので、その後高値で3兆円程度日本株 にシフトしたことを考えると、おそらく直近では15兆円程度のロスにはなっています。。。個人投資家を上回る素人ぶりに怒りがわいています。

信託銀行は16000円を下回ると、野村のレバレッジ投信と先を競うように売って来るので、この2者が日本株を更に暴落される戦犯になります。

これをもって外資に蹂躙された日本株なんていうのは止めてほしいです。欲にかられたバカな日本人が被害者面して喚いているだけです。

本日結局下げたのは上海総合がへたったからでしょう。
(上海日経)
4上海日経121

上海株が上がると先回りして買ったもののへたったので、不安になって投げたのでしょうか。

中 国株が短期的にどうなるかなんてだれも読めませんが、中国が本当はどうなのかは容易に想像付きますので、おそらく酷いだろうという事実に着目したポジショ ンを取るよりほかに方策はないのです。アヤが続いていればともかく、明確に壊れてしまった以上、当局が何かをしてくれるというアヤを楽しみに待つのはあま りにも危険です。
(上海5日)
5上海5日121

上海株は結局じりじり下がっているので、今週は「上海暴落シナリオ」になってしまっています。なので、16000円まで来ているので、週末の私の相場見通し通りの展開なのです。

リスクオン  16500~18300円(17500円)  1割以下 → 1割
通常のリスクオフ 15800~17700円(16600円)5割 → 3割
上海株暴落or地政学的リスク勃発時 14500~17500円(16000円)4割以上→5割

ね?適当に数字入れているわけではないのですよ。

尤も、今晩~明日15000円台に入ると、今週にしてはちょっと下げ過ぎになります。

しかし、これだけ下げても野村の先物投げが出ていないことに驚いています。

私は野村の投げが本格化してから下げが急加速すると書いてきました。どのくらい崩れるかは外部環境に左右されるので今までは書いていませんでしたが、今の出来高と中国株や米国株の状況を考えると、野村の先物を全部投げるまでに2000円以上は下げそうです。

とすると今来月に14000円?

ちょっと下げるのが早すぎるんですよね。

何度も書いているように、新興国中危機は顕在化していないし中国株は下げているものの、パニックになっていません。

なのに16000円まで来ていることにかなり不安を覚えます。

売買代金も先物出来高もセリングクライマックスには程遠いのです。
(売買代金)
売買代金121

(先物出来高)
先物出来高121

なので、先週の記事で「今来週がセリングクライマックスか」と書きましたが、来週から再来週になりそうです。

こうなると、完全に2年前の再現相場になってしまいますね。当時も1月下旬から2月第1週がセリングクライマックスでしたので。

では、そこまではガンガンに弱気で良いではないかと思うかもしれませんが、今晩は注意してください。

それはECB会合があるからです。

「週末の相場見通しで、E氏は今回のECBは何も出ないだろうと書いたではないか」と思うかもしれません。確かにそうです。しかし、相場見通しは流動的なのです。見通しをころころ変えるのでいい加減だなんて思わないでくださいよ。

下げのピッチがあまりにも早ければ、何もしないと思っていた当局が何かする可能性が高まる以上、流動的な見通しにせざるを得ないのです。

ECBは原油を注視しています。その原油がズドンと下げて30ドルをあっという間に割ってしまっています。
(原油2種)
原油121

とすると、ドラギECB総裁のリップサービスが再度炸裂する可能性も高いわけです。

ドラギECB総裁以外の反対が多い以上、追加緩和を決定することはないでしょう。しかし、昨年10月の会合で「12月の会合に何かしちゃうよ。あらゆる手段を検討するからね」という程度は出来るでしょう。

ドラギECB総裁は、リスクオンの笛を吹くかもしれないのです。

ドラギECB総裁は口が軽すぎるのが難ですが、FOMCの理事や地区連銀総裁たちと同様に、インフレ動向や株のことを真剣に考えている真の中央銀行バンカーです。市場を驚かして良い気になるだけが楽しみの黒田とは違うのです。

な ので、今晩の会合後の会見でドラギECB総裁が何か追加緩和的な発言をする可能性がかなり高まっています。正確には、報道やコンセンサスでは高まっていま せん。しかし、私の経験上、これだけ資本市場が下げるとECBやFRBなら何かハト派的メッセージを出す確率が一気に上がるという意味です。

ということなので、165プットをおもちの場合は、16000円以下で一旦利益確定してください。

かくいう私も、今この記事を書きながら先週ちょっと作った165プットは15960円で全部利益確定しました。

一方、ピンポンダッシュが趣味の黒田君は来週の日銀政策決定会合で何かするかというと微妙です。普通の中央銀行トップなら何かしないといけないと思う水準ですし、月間の下がり方もリーマンショック級なので危機意識を持つはずです。

しかし、今マーケットで追加緩和期待が出ているのも事実です。
焦点:「黒田バズーカ」は三度効くか、ドル115円なら思惑台 頭』

先月の日銀政策決定会合での行動を批判した記事でも書いたように、過去の緩和もどきは市場での追加緩和期待値が低いときにしかやっていません。日経平均が危機的とか割高とか関係ないのです。

市場が驚くかどうかで決定しているフシがあるのです。

結 果、19500円という割高な水準で意味のないことをしてしまったので、駒を使い果たしてしまったのです。もし先月何もせず、17000円割れになって 「昨今の急激な株価下落と急激な円高はインフレ目標の達成を困難にする可能性が高いので注視している。日銀はあらゆる手段を持っているし、あらゆる手段で 行き過ぎの株価と円高を阻止する用意がある」と発言していたら、追加緩和が怖くてうかつに売り浴びせられないでしょう。しかし、黒田はあんなに高いときに 持ち駒を見せてしまったので、マーケットから舐められてしまったのです。

今回追加緩和もどきをしたら、私は少し彼を見直して、彼に「氏」を付けて呼ぶことにします。

しかし、それで流れは変わりません。ECBと日銀政策決定会合があっても、よほどの量でない限りは、今年は悲劇の12章まで行くと思います。

よほどというのは、市場が期待する国債購入を現行ペースの3割増以上です。

5割増しになったら明確に流れは変わりますが、日独の国債市場の流動性が枯渇してしまっているので3割増しも困難です。

なので現実的には困難でしょう。するとマイナス金利幅を拡大させるとか付利撤廃などの小手先でしか対応できません。

小手先ということはベースラインを変えることができないということなので、それはアヤです。

なので、日銀政策決定会合やECBで中5半端な緩和策や、アナウンスだけあって期待値が過剰に醸成される場合は、絶好のショート仕込場になります。

それにしても、本来リスクオフを演じるはずの主役がまだ出てきていないのに下げのペースがあまりにも早すぎます。

年 末年始に、FOMCメンバーが「株が調整しても利上げをする」と発言したときの根拠は、1割程度下げるというニュアンスです(そのように発言している記事 があったけど、今見つかりませんでした)。なので、新興国危機も中国パニックもないのにピークから2割も下げた今の水準は中央銀行トップにとって衝撃的だ と思います。

なので、私が中央銀行トップだったら、出来る限り今回の会合で緩和策を出そうとするでしょうし、ECBとFOMCメンバーならそう考えているはずです。

相場見通しは上げ下げのスピードが速過ぎる場合も臨機応変に変えないといけません。

なので、ビジョンはどんどん変わってしまうのです。そこのところご理解の上、今晩のECBの前に16000円以下で多少の利益確定をした方が良いと思います。

(終わり)


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このブログは、デイリーの相場見通し記事を一定期間経過後に(発行日と同じ日付で)アップしたものです。

リアルタイムでの、より詳細な見通しのシナリオや具体的な投資戦略は、(http://financialconsulting.blog.fc2.com/)のブログまで。


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こんにちは。元ヘッジファンドマネージャーの「相場師E氏」です。

中国株をきっかけにしたリスクオフがいよいよ世界中に波及し始めました。昨年12月16日のFOMCで米国はリーマンショック以降初めてとなうる利上げを決定しましたが、当初は「利上げに耐えうる経済状況」を好感して堅調な地合いでしたが、今となっては懐かしい日々です。
(昨年12月FOMC後の主要アセット)
1FOMC後各アセット116

年明け第1週の下げがあまりにもきつかった上に、先週はネガティブな材料に乏しい週だったので、本来はショートカバーで多少戻してもおかしくなかったのですが、下げ止まらない中国株が完全にセンチメントを悪化させてしまいました。

先週の私の相場見通しは以下のようなものでした。

リスクオン  17500~18600円(18200円)  1割以下
通常のリスクオフ 17100~18200円(17700円)   9割以上 → 5割
上海株暴落or地政学的リスク勃発時 16000~18200円(17000円)0 → 4割以上

特 に悪材料が出ない週だったので、確率5割で通常のリスクオフの場合や横這い程度で推移すると見ていましたが、結果的には、上海暴落シナリオの通りになって しまいました。実際、先週の中国株の下げ方は2500ptに早期に到達するような下げ方で、3000ptの抵抗をほとんど感じなかったので当然です。

日本株は年明け後は大幅に下げていますが、その中で個人投資家の突っ込み買いが続いているので、NISA初年度で大量の個人投資家資金が出てから新興国危機で大やけどさせられた2年前の相場にかなり似てきています。
当時も、米国の量的緩和縮小が開始された「グローバルのマネーがタイトになる局面」で、新興国のような弱い地域や限界的な資産が危機になったので今と環境が驚くほど似ています。

当時は積極的に買い続けたものの、中旬以降に新興国危機が顕在化したことで、大量の追証が発生し、1月末から2月初旬に個人投資家の投げで底値を付けに行きましたが、今回も同様の動きになる可能性が高いです。

単 に米国の利上げを織り込むだけでしたら、先週急変したFOMCメンバーの発言を考慮すると現時点でかなり売られ過ぎになっていますが、中国株が買い支えに も関わらずサポートをあっさり切ったことで、この相場見通しで参考値として書いていただけの中国株崩壊リスクがメインシナリオになった可能性が高いです。

中国株が2500pt程度で下げ止まるという前提に立てば、今来週が短期的なセリングクライマックスになるでしょう。

しかし、中国株が更に下げるようなことになると、世界恐慌的な状況になります。その場合、日経平均は限りなく下げるでしょう。

新 興国の資本関連のデータは今週から徐々に出てくると思われますし、中国株に下げ止まりの気配が見えない為に、今週はかなり値幅を出して崩れるでしょうが、 その一方でリスクオフのもう一方の主役であった米国の利上げについてはかなり楽観的なトーンに変化してきているので、中国株の下げ止まりが確認され、個人 投資家の投げが済んだら大幅に戻すと思います。

従って、今来週は上も下も大きく動くでしょう。ボラティリティの高さはリーマンショック以来の水準になると思われますので、急落時も過度に弱気を維持するのは非常に危険です。

<今週の注目材料>
今週は中国GDPとECB理事会が重要です。

1/19火 中国10-12期GDP

1/20水 米CPI

1/21木 ECB理事会&ドラギECB総裁会見 

中国GDPは当然のように操作してくるでしょうが、それでもコンセンサスである年率6.9%を下回るようでしたら、中国経済と株の動向を気にしている世界中のマーケットは更にリスクオフに傾くでしょう。
(中国GDP)
7中国GDP116

一方、ECB理事会は、ドラギECB総裁は更に追加緩和を行いたいと考えていますが、他の理事が積極的でないので、今回はノーアクションと思われています。

今週は経済統計やイベント以上に中国株の動向が最重要になります。

<マネーの方向性>


―FRB―
初 回利上げが決まったので、FRB 政策の今後のポイントは利上げ回数と利上げ幅、そして債券回収時期です。本格的なマネー逆流はFRBの保有債券売却(市中からドル札を吸い上げる)で B/Sを削減し始める2017年以降ですが、利上げをするだけで対外ドル資産が米国に還流するので、米国以外の地域でのドルの過剰流動性は減少します。

リーマンショック以降長く続いた緩和政策を大きなショックなく引き締め転じるために、FRBは文言を少しずつ変更し慎重に利上げに向けた地ならしを進めてきました。

ステップ1(~2014年11月) 「相当な期間ゼロ金利を維持」
ステップ2 (2014年12月~)「相当な期間」と「辛抱強くなれる」の併用
ステップ3 (2015年1月~) 「辛抱強くなれる」
ステップ4 (2014年3月) 「辛抱強くなれる」を削除
ステップ5 利上げが適切かどうかについて毎回議論 → 2015年5月から
ステップ6 2015年12月16日のFOMCで利上げ決定 

12 月FOMCで決定された初回利上げ幅は25bpsと想定通りでした。今後重要になるのは、利上げペースと利上げ幅と来年末時点での金利水準で、それがマー ケットの期待値とどれだけ乖離しているかが重要になります。FRBは3ヶ月に一度FOMCメンバーの金利見通し(ドットチャート)を公表するのですが、 マーケットは当事者の見通しを全く気にしないで暴走するためです。過去数年は、楽観的なマーケット参加者の見通しが正しかったですが、今回は年内利上げを 見込むFOMCメンバーに対し、マーケットはかなり直前まで来年3月以降の利上げを織り込んでいたために混乱が生じました。

今回のFOMCで公表されたドットチャートを前回9月と比較すると、来年末のFFレートの平均値は変わっていませんが、分布が平均値近辺に収斂しました。
(ドットチャート)
8ドットチャート13

1%以下の極端に経済に悲観的な見方が減った反面、2%以上というタカ派的な見方も消えたのが今回の特徴です。

この結果、マーケットとの解釈相違は以下のようになります。
●マーケットの期待値はもっとハト派的で依然として乖離が大きい
●今回のメンバーはハト派で、来年からタカ派主導のメンバー構成になる
(新旧FOMCメンバー)
9新旧メンバー

従って、従来までは以下のように考えていました。
●マーケットは早晩FOMCのドットチャート並みの利上げペースを織り込む
●しかし、FOMCメンバーのタカ派色が強まるので、3月FOMCで更にドットチャートのFF金利先物見通しは上方修正する
●いたちごっこが続くので、マーケットのリスクオフは半年程度続く可能性がある

しかし、年明けからの株安で、先週の要人発言が一気にハト派的になりました。日を追って発言のトーンが変わっていくのを見て行きます。

週初の11日は、中立派のロックハート総裁が世界的な株安は米経済や金融政策に影響を与えないと発言しているので、まだ深刻視していないことが窺えます。
(11日)
アトランタ連銀総裁:世界的な株安、米経済に悪影響を与えず

アトランタ連銀のロックハート総裁は11日、今年の金融政策は引き締め継続が望ましいとし、世界的な株安が米国経済に影響を及ぼす可能性は低いと述べた。
ロッ クハート総裁はアトランタで講演。「ボラティリティがかなり高い時は、金融経済よりも米国の実体経済を見る方が役に立つ。そして何か根本的におかしい 点はないかを問うことだ」と指摘し、「広範な経済が海外からのショックに対して脆弱(ぜいじゃく)になるような深刻な不均衡が存在するだろうか。現状でそ のようなつながりは見られない」と語った。
同総裁は講演後に記者団に対し、昨年8月に始まったような混乱が長期化すれば、自身のそうした見方 が変わる可能性もあると指摘。「現時点では海外の金融市 場と実体経済の間に関連性はないと見ているが、ボラティリティが数週間継続すれば、この見方を修正する必要があるかもしれない。どれほど長く続くかによ る」と語った。

12日もラッカー総裁が中国情勢は米国のファンダメンタルズに影響を与えないと発言しています。実際は影響を与えるに決まっているので、これは「中国株安が利上げに影響を与えるのは好ましくない」ので牽制をしたのだと思います。
(12日)
中国情勢、米ファンダメンタルズに影響せず=リッチモンド連銀総裁 8:17am JST』

米リッチモンド地区連銀のラッカー総裁は12日、米中経済の関連性は最近の株価動向が示しているほど深くはないとし、中国情勢は米国のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に影響を及ぼしていないとの見解を示した。
総 裁はサウスカロライナ州コロンビアで「米中の実体経済は、米国の株式市場が中国の外為相場や株式市場と連動している程度ほど関連性はないと思う」と指摘。 米国株式市場が昨夏に中国株の変動や人民元切り下げを受けてボラティリティーが高まったことは「後から振り返ると過剰反応だったようだ」とした上で、「現 在のケースも同様ではないか」との認識を示した。

しかし、中国株があっさり3000ptを切って2900ptになった13日からトーンが変わり始めました。
(上海総合5日)
10上海5日116

(13日)
ボストン連銀総裁:利上げの道筋に下振れリスク-成長・物価見通しで

米ボストン連銀のローゼングレン総裁は、米経済成長見通しが後退しつつあり、金融政策当局が見込む利上げの道筋にリスクをもたらしているとの認識を示した。
ロー ゼングレン総裁は13日、ボストン商業会議所で講演。事前に配布された原稿によれば総裁は、政策当局者らが昨年12月に示した予測の中央値は2016 年の政策金利の道筋についての「妥当な予想」を示しているとした一方、この予測は「下振れリスク」にさらされていると述べた。その上で、「今後も海外の経 済情勢のほか、国内経済のいかなる軟化や米国のインフレの道筋に大きな注意を払っていく」と語った。
総裁は「金融当局として適切な政策の道筋について検討する中、政策当局者らは自身の経済予測に対する下振れリスクを真剣に捉え、それらリスクに対処すべきだ」と語った。

ローゼングレン総裁はハト派ですが、下ブレリスクを指摘しています。

また、同日信任のカプラン総裁(タカ派と言われている)も発言していますが、この発言は「足元の金融市場の動きは過度に悲観的」と見ているだけで、ハト派的なトーンではありません。
ダラス連銀総裁:市場の動きは足元の景気を反映していない可能性

ダラス連銀のカプラン総裁は13日、金融政策当局者は株式の値動きを注視しているものの、その値動きは足元の景気を反映していない可能性があり、当局者は過剰に反応すべきではないと述べた。
カプラン総裁はブルームバーグテレビジョンのインタビューで「一年の始まりとしては非常に厳しい」と述べ、「こうした市場の動きは注視する必要があるもの の、米国の足元の景気動向を反映しているかもしれないが、そうでない可能性があることも認識するべきだ」と続けた。
さらに「私は正常化への動きにバイアスがかかっていると言えよう」と話し、「それはある程度のリスクを伴う。政策金利を引き上げるたび、その影響を見極めなくてはならないだろう」と言明した。
カプラン総裁は年内に3-4度の利上げが「妥当と言える基本的な見方」だとした。

ただ、同日、FOMCで屈指のハト派であるエバンス総裁がFOMCのコンセンサスである利上げ回数4回にケチを付けています。
米利上げ、年内4回は多過ぎ=シカゴ連銀総裁 4:58am JST』

米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は13日、インフレ率が連邦準備理事会(FRB)の目標である2%に到達することが困難となる公算は大きく、年内の利上げは2─3回にとどめるべきとの見解を示した。
エバンズ総裁は講演原稿で「利上げはFRB当局者の金利予測の中央値よりも緩やかなペースにすべき」と語った。

エバンス総裁は前から超ハト派だったので、中国株急落で変わったわけではないでしょうが、13日からFOMCメンバーのハト派発言が一気に増えました。

そして、昨日の記事で書いたように14日はタカ派で影響力も大きいブラード総裁が急に弱気な発言をしたのです。
(14日)
米セントルイス連銀総裁:物価目標達成が遅れる可能性、原油一段安で

米セントルイス連銀のブラード総裁は14日、ここ最近の原油価格下落でインフレ率が当局目標の2%に戻るのは遅れる可能性があると指摘。同総裁は過去数カ月間、利上げを最も強く主張していた金融当局者の1人だったが、この日はより慎重な姿勢を示した。
ブ ラード総裁はテネシー州メンフィスで講演。事前原稿によると「原油価格が過去数週間に再び下落したことに伴う、市場ベースのインフレ期待の低下が気掛か りになりつつある」と発言。中央銀行の当局者らは通常、原油価格の変動を「それほど重視しない」が、「懸念が強まり得る状況の一例としては、原油価格の変 動のためにインフレ期待そのものが変化し始める場合だ」と述べた。
総裁は原油価格の「非常に著しい」下落が低インフレにつながったとし、一段 と値下がりすればインフレ率が目標水準に戻るのが遅れる可能性があると指摘。価 格が6月末まで下落するとのシナリオに基づくと、2%へのインフレ率回復は2017年半ばまで起こらないことになると話した。
「原油価格が安定すれば、ヘッドラインのインフレ率は目標に戻るだろうが、最近のさらなる世界的な原油値下がりにより、こうした安定がいつ到来するのか疑問が生じる」と言明。
そ の上で総裁は、原油価格の下落は米経済にとって差し引きではプラスとの見方を示した。「例えば、自動車販売はここのところ強い」とし、「もっと広く言え ば、原油価格が大きく下げた2014年半ばから15年半ばの期間に実質ベースの個人消費支出の伸びは加速した。原油価格の下落は米国にとって強気な要素に なることを多少裏付けているとみることができるかもしれない」と述べた。

ブラード総裁は量的緩和終了直前の2014年 10月に世界のマーケットがリスクオフになった際も「緩和終了後に再度緩和を始めるのが良い」と発言して、マーケットをリスクオンの流れに変えたほどのイ ンパクトがあるので、今回もそれなりに影響があり、木曜の米国株は大幅高になりました。

そして15日、再度中国株が2900ptに下げ米国株も急落したときの発言が以下のモノです。

(15日)
株式市場の混乱、米経済見通しを変えず=SF連銀総裁 8:48am JST』

米サンフランシスコ(SF)地区連銀のウィリアムズ総裁は、最近の株式市場の混乱を受けても、自身の米経済に関する見通しは変わらないと述べた。記者団に対する発言。
総裁は「米連邦準備理事会(FRB)が緩やかなペースで正常化を進める中で、株価が昨年の高値水準になくても驚きはない」と指摘。株価は不安定な動きとなっているが、これまでのところ緩やかな景気回復との見通しを根本的に変えるまでには至っていないとした。

インフレ期待低下のリスク増大、目標達成困難に=米NY連銀総裁 2:57am JST』

米ニューヨーク(NY)連銀のダドリー総裁は、原油安とドル高によりインフレ期待が低下するリスクが高まっており、米連邦準備理事会(FRB)のインフレ率目標達成を困難にしているとの認識を示した。
総裁は講演で「インフレ見通しに対するリスクについて、最も懸念しているのはインフレ期待が下振れ方向へと目標から離れていくことだ」と述べた。
市場ベースのインフレ期待は足元、原油価格の急落を受けて大きく低下しており、通常国債とインフレ指数連動債(TIPS)の利回り格差であるブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、10年物が昨年8月下旬以来の水準に低下している。
総 裁は、最近数カ月の インフレ期待低下に留意しながらも、それはFRBに利上げを思いとどまらせるほど十分ではなかったとした上で「経済成長がトレンドペースを上回り続けるか ぎり、資源利用の拡大がインフレとインフレ見通しを将来的にともに押し上げていくと想定する」と述べた。
エネルギーや食品を除いた価格は依然安定しているほか、ディスインフレの懸念にかかわらず、2016年の米経済成長率は2%をやや超える見通しで、労働市場は多少ながら一段と引き締まるだろうとした。

ウィリアムズ総裁は中立派とは思えないくらいにシビアな発言をしています。見通しを変えないというのは、氏の従来からの見解である「年4回で年末125bps程度」の世界でしょう。
一方、ハト派のダドリー総裁は目標達成が困難になったと、いきなり利上げに水を差すような発言をしています。

このように、先々週までは年4回利上げがコンセンサスだったFOMCですが、13日前後からトーンが変わり、中立派やタカ派の一部メンバーもハト派的な姿勢に変化してきました。

通常のマーケットですと、この変更はマネー逆流懸念が遠のいたことになるので、弱い雇用統計で利上げが後連れになったと勝手に判断した昨年10月から11月のようにマーケットはプチリスクオンになります。

実際、FF金利先物は急速に利上げ回数の減少を織り込み始めました。
(3月限FF金利先物)
11FF金利先物3月限116
(1からこの数値を引いた値がFFレートなので、99.1は今年末のFFレートを0.9%で見ているということになる)

3末で37.5bpsなので、次回利上げは3月にないと考える投資家が過半になったという事です。
(3月利上げ確率)
12利上げ確率116

一方4月はどうかというと、こちらも40bps程度なので、4月に利上げはないと考えられています(1回の利上げ幅は25bpsなので、次利上げをすると50bpsになるので)。
(4月限FF金利先物)
12FF金利先物4月限116

では、50bpsになる時期はというと今年6月なので、今のマーケットは中国株急落に伴うリスクオフで次回利上げ時期が今年6月にずれ込んだと見ているのです。

6月限FF金利先物は、昨年末の時点では65bps程度だったので、6月までに2回の利上げをするかもしれないというところまで観ていたのですが、今年に入ってからの株安で一気に利上げ回数が減少しました。

そして、注目される今年末のFF金利先物は、なんと62bps程度です。
(12月限FF金利先物))
13FF金利先物12月限116

つ まり、今マーケットは今年末までに2回しないとまで観ているのです(2回すると75bps)。先週1週間でかなりハト派的になったFOMCメンバーです が、超ハト派のエバンス総裁ですら年2回が妥当と発言しているので、現在のマーケットの見方は過度にハト派的になってしまいました。

従来 は、このマーケットとFOMCメンバーの認識ギャップは、マーケットがすり寄る形で収れんしていくと見ていましたが、先週1週間の要人発言の変化で、株安 が続く限り当面はFOMCメンバーの見通しは12月ドットチャートよりハト派的になる可能性が高いと、見方を一気に変えました。

もちろ ん、新メンバーにタカ派が多いので、3月ドットチャートのFF金利先物は上方修正される可能性も残っていますが、先週はタカ派だったブラード総裁までがハ ト派的な見方に変わったので、他のタカ派メンバーも変わる可能性が高いと見ています。なので、3月ドットチャートも従来見ていたよりFFレートが上がる可 能性は低下したと見方を変えました。


以上を整理すると、以下のようになります。

         FRB           マーケット
次回利上げ時期  3月 →ずれ込みそう   4月以降 → 6月くらい
来年利上げ回数  4回 → 減りそう    2回~1回
来年末FFレート  1.3% → 低下しそう  0.75%→60bps

マーケットの見通しは更に後連れしましたが、FOMCの見方がマーケットにすり寄った形になっています。

これを踏まえ、私の利上げ予想も変えることにしました。
次回利上げ時期 3月(8割→2割)、4月(1割→5割)、6月(1割→3割)
来年利上げ回数 5回 → 3回
来年末FFレート 1.6% → 0.75%

年 初からこれだけ下げ続けると従来のFOMCの利上げ見通しを正当化することはできなくなりました。何度も書いていることですが、利上げを2回ほどしてから 今起きているようなリスクオフになると、マーケットは「そうは言っても、定規で引いたようにこの先も利上げが続く」という慣性が働きますし、FOMCの修 正も困難になります。
しかし、初回利上げ後直ぐにリスクオフになると、利上げを取り消し続けることも可能ですし、利下げをして再度ゼロ金利に戻してしかうことも可能です。

なので、今年マーケットが「マネー逆流の恐怖でリスクオフになる」というシナリオの確度はかなり低下したと思われます。中国株が落ち着けば再度マネー逆流懸念は出てきますが、現在は中国情勢でFRBの出口戦略が修正を迫られたと思われます。

今週も要人発言は要注意です。特に、まだ発言していないブレイナード理事、タルーロ理事の超ハト派がどういった発言をしてくるかはとても重要ですし、タカ派と目されているメンバーがハト派的な発言をする場合も重要です。

 

以上を整理すると、今週は各中央銀行とも重要なニュースはありませんが、緩和的な発言が続くかどうかという米国FOMCの要人発言が最重要です。

<リスクオン/オフ>
2014年10月の米国の量的緩和終了前後から新興国はリスクオフに転じましたが、同時期に発表された日銀マネーと昨年3月に始まったECBの量的緩和に救われ先進国は今まではリスクオンが継続していました。
12月初旬のECBではマーケットが期待した国債買い入れ増額は決定されなかったので、昨年3月以降の日米欧のマネー供給ペースに変化はありません。
しかし、昨年12月16日に決定された米国の利上げで、いよいよ基軸通貨マネーの逆流が本格化します(なお、日銀の追加緩和は日本株ETF買いなので、世界のリスクオフ解決には無関係です)。

先進国のリスクオフ、特に米国株のリスクオンが終わる場合の可能性は上海株安を加えて4つありましたが、ギリシャ問題が片付いたので、地政学的リスク以外でマーケットが気にすべきリスクオフになるトリガーは3つに減っています。

リスクオフになるトリガー
●米の利上げによって過剰流動性相場が本格的に終了すること
●昨年1月のように新興国のリスクオフが深刻化しフラジャイル5など比較的大きな国の危機が勃発する
●中国経済懸念(上海株安/元切り下げ)をきっかけにした世界株安

この3点はいずれも密接に関係しており、特にFOMCで利上げ先送りの理由を海外発の物価下落による影響としたことで、全てが相互的に絡んでいますが、その根源は中国経済に尽きます。

つまり、
●新興国危機は中国経済減速に起因
●米国が9月から利上げを躊躇していたのは、世界的な商品市況安の見極めをしていたためなので結局は中国経済
です。

そのいずれかがおきても、玉突き的に他のリスクが現実化するので、結局は全てが起こる可能性が高いのです。
●新興国危機が起きる事態になると利上げは先送りになるだろうが、中国経済はもっと酷いことになっている
●米国が利上げをすると、新興国危機に拍車がかかり、中国からの資金引き上げも加速し、中国危機に繋がる
●中国経済がクラッシュすると、新興国だけでなく世界的な混乱に繋がる

こうして見ると、元をただすと中国経済要因が独立リスクかつ一番の問題だということになりますが、ここではそれぞれ別個に検討することにします。

まずは米発のマネー逆流懸念、引き締め懸念から来るリスクオフシナリオです。リーマンショック以降続いていた量的緩和が2014年10月に終了したので、以降のマーケットは日欧の緩和だけで支えられてきました。
(量的緩和終了後のマーケット)
14量的緩和終了後116

しかし、いよいよ米国の利上げが始まったので、リスク資産からもマネーが逃げ出し始めたのです。

昨年6月以降のマーケットのリスクオンとリスクオフの揺らぎを整理すると以下のようになります。

昨年6月中旬以降の世界のマーケットの調整感
●FRB:利上げ時期前倒し懸念台頭 → もともと9月以降の見方だったが、もしかしたら7月という見方も
●ECB:2016年以降も緩和は続くが、ボラティリティ容認(=債券買い入れピッチが緩む懸念)
●日銀:追加緩和打ち止め観測 → 毎回の会合で木内委員の緩和終了の動議が出される

昨年10月以降のリスクオン
●FRB:利上げは来年3月以降に先送りとマーケットが勝手に判断(10月発表の弱い雇用統計で)
●ECB:12月に追加緩和をする、あらゆる手段を検討しているとドラギECB総裁が発言
●日銀:去年もそうだったので10末の追加緩和があるとマーケットが勝手に判断

きっかけは弱い米国雇用統計を受けて、マーケットコンセンサスの利上げ時期が後連れしたことですが、日米欧の中央銀行の全てがマネーを緩める方向に動くという見方になってしまったために、マーケットは勝手な妄想的なリスクオンになったのです。
ほ ぼ同時期にFOMCのタルーロ理事とブレイナード理事が相次いで年内の利上げに反対する発言をしたこともその理由ですが、他の要人は引き続き年内利上げに 賛成する意見が主流でした。FOMCメンバーで最もハト派の二人がこの時期に発言をしたことで、結果的にマーケットをミスリードさせることになったので す。

10月の楽観相場において、中央銀行と市場との見方の違いは以下のようになっていました。
●FRBは再三、年内利上げと発言 ⇔ マーケットは来年3月以降
●日銀は追加緩和の必要ない→ ⇔ マーケットは10月緩和、そうでなかったら11月緩和
●欧州ECBは追加緩和決定(預金金利引下げの可能性大) ⇔ マーケットは最も効果がある債券購入増額期待

つまり、欧州ではベストシナリオの追加緩和を織り込み、日米は当局が否定しているのに緩和的行動を織り込んでいたことから、12月初旬のECBの追加緩和の内容が市場が期待する債券購入プログラムの増額ではなく預金金利引き下げに留まったのでショックを受けたのです。

10月以降のアヤが数ヶ月に亘り長大になったのは、リーマンショック以降のマネーの大量供給で、いまだかつてないくらいに中央銀行の影響力が大きくなっているのに、中央銀行の情報発信力が応え切れていないのと、市場参加者の咀嚼能力も十分でないためでしょう。

し かし、マーケットがリスクオフに転じ、その調整スピードが速過ぎることを懸念したためか、先週からFOMCメンバーの発言が一気にハト派的になりました。 このため、そもそもFOMCの見方より楽観的だったマーケットは更に楽観的な見方へと変更されましたが、FOMCの見方もマーケットにすり寄ってきまし た。

結果、中国株が落ち着くと、再度昨年10月以降の楽観マーケットに戻る可能性が高まっています。

一方のECBはドラ ギECB総裁の発言の信頼性に対する疑問符が付き始めてしまったので、ECB発のマネーは当面は増額無しという見方に落ち着くでしょう。同様に、日銀は今 回も騙まし討ち的なサプライズ緩和をしましたが、内容が意味のないレベルだったので、頑張ってもこの程度しか出せなかったと取られてしまいました。

つ まり、日欧中央銀行の緩和は当面出尽くしと取られていますが、FRBが緩和的なメッセージを打ち出してきましたために、当面(この数カ月)は、米の利上げ をトリガーとしたリスクオフにはなりにくくなりました。逆に、昨年10月のような楽観相場になるトリガーになる可能性が高まり始めました。

ここが先週から変わった最大のポイントです。

次に新興国発のリスクオフシナリオですが、年明けからの中国株安と元切り下げをきっかけに、新興国通貨も一気に売られ始めました。
(トルコリラ)
15TRY-USD116.png

あとは新興国からの資金流出が加速している統計が出ると新興国発の危機は再燃します。
露の国家基金「2019年初めに底つく」 資源頼み、欧米制裁…プーチン政権さらに窮地

財政難でサウジがアラムコ社の上場を検討するとか、ロシア財政が危機的だとかという報道が連日のように出てきたので、様相はかなり2年前の新興国通貨危機時に似てきましたが、本格化するのはこれからです。

恐らく、今月末にかけて新興国からの資本流出が加速するののが判明することで、新興国の危機は現実のモノになりますので、新興国発の危機でマーケットが極度の不安に駆られるのもこれからです。


―日本株のポジティブ/ネガティブ整理-
グ ローバルのリスクで日本株が影響を受ける場合、米国発のマネー逆流懸念、新興国発のリスクオフが先進国に波及するリスク、地政学的リスクなどがあります。 一方でグローバルリスク以外での日本固有のリスクは、徐々に増えてきました。ずっと強気だった周囲の外人も、昨年6月以降は支持率低下や日銀の緩和終了懸 念を口にし始めました。これは一昨年11月以降で初めてのことです。

現時点で、日本国内外のリスクをまとめると以下のようになります。

1マネー逆流懸念再燃 → 日米欧ともに楽観サイドに振れていたのを修正過程
●FRB 利上げ → (新)一気にトーンダウン
●ECB 追加緩和不発
●日銀追加緩和観測 → サプライズ緩和だが逆効果で出尽くしという心象を与えた

2コモディティ安 → 8月安値を再度更新

3地政学的リスク
中国シャドーバンキング →今は問題なし
米中関係 → かなり注意
中国国内の政情不安
トルコ情勢
フランス同時多発テロ

4新興国危機 → 依然として注意
中国株下落リスク → 突如勃発!現在最大のリスク
元切り下げ → まだ続く可能性大
新興国デフォルトリスク かなり危険域に

5日本固有のリスク
●追加緩和期待消失
●支持率低下、政権混乱懸念 → 今は落ち着いている
●新3本の矢に対する失望

一方のポジティブ要因は以下のようになっています。

1:追加緩和期待 → 追加緩和したことで完全に消失

2:良好だった企業収益 →下期は下方修正、来期は減益の見方が主流に
円高、中国懸念時はネガティブさが加速

3:積極的になりつつある株主還元 → 企業収益が下方修正し始めると株主還元も減る

4:リップサービス的な対策
補正予算:追加報道無し
軽減税率:決定したがポジティブではない

と見ると判るように、ポジティブは消失したか、ピークアウトしているか、材料出尽くしなのです。株はモメンタムや方向感で動くので、このポジティブ材料の変化は明らかにネガティブです。

このため、需給以外は日本株を巡るポジティブ、ネガティブでは依然としてネガティブのほうが多いし、去年と同程度だが効果は更に不透明な補正予算では追加緩和期待消失のネガティブを相殺することは出来ないと考えています。

以上を踏まえて、今週の相場見通しですが、今週の変数も中国暴落があるかどうかでリスクオフを二つに分けています。

リスクオン  16500~18300円(17500円)  1割以下 → 1割
通常のリスクオフ 15800~17700円(16600円)5割 → 3割
上海株暴落or地政学的リスク勃発時 14500~17500円(16000円)4割以上→5割

上海暴落がどの程度かというと、週間で5%以上の下げがあるような場合です。なので、この水準から1日で2%も3%お下げるようなら上海暴落シナリオと考えてください。
特に、2500ptという水準は恐怖に駆られる水準なので、この水準を一気に突き抜けた場合は、日経平均1000円安、ダウ1000ドル安になる可能性が高いです。

そ れなのになぜ上限も上げたのかというと、セリングクライマックスは早期に来た場合、反動も大きいためです。たとえば、中国株が2500ptになって、中国 当局が売りを法律で禁止するとか、株を保有した場合は税金優遇されるなどの禁じ手を出して、中国株が500pt上げたらどうなりますか?中央銀行の項目で 説明したように、先週以降FRBのトーンがハト派的に変わってしまっているのです。なので、中国が完全に解決した場合、棒上げになる可能性も多少はあるの です。ただ、今週に関しては、新興国リスクがまだ顕在化していないので、仮に中国が解決しても上値は重いと考えています。

一方で通常のリ スクオフシナリオの場合、中国株は上値は重いけど、2800~3200pt程度での推移になる場合です。3000ポイントを回復して戻る場合、中国で何ら かの対策が出て好感する場合なので、このときは世界中のマーケットが好感して大幅高になる可能性が高いです。この確率を引き下げたのは、今週は対策が出て もまだ吹き飛ばされる可能性が高いためです。当局は先週もそれなりに対策を打ち出しているし、昨年9月から出ている経済対策も匂わしていますがマーケット が反応しなくなっています。今効果的な対策が出ていないということは、打つ手がなくなった可能性が高いですので、今週ノーマルのリスクオフ比率を下げまし た。

リスクオンシナリオを残しているのは、先ほども書いたようにFRBのトーンが緩和的に変化したためです。中国株安や新興国安がなかっ たら、マーケットは完全にリスクオンになったくらいのインパクトがあったはずです。実際、新興国危機や中国懸念が残っていても、昨年10月以降世界がリス クオンになったのは、8月の世界的な株安の影響を見極めるため9月利上げが後ずれしたことがきっかけだったわけです。

こんな超悲観相場の中でも、いや悲観相場の中だからこそ、こうやって誰も気づかないうちに暴騰の芽が出始めたのです。これは突如のセンチメント変化リスクとして認識しておくべきでしょう。
しかし、今週に関しては中国が落ち着いても新興国危機が去るわけではないので、この確率は1割のままにしています。

最後に今週どういったスタンスで臨むかについて書きます。

基本は16500円程度から利益確定を始めてください。

遥か下までのプットがあるのなら、インザマネーで400円以上利が乗ったら利益確定するというように、従来よりは引きつけて利益確定しても良いでしょう。

ただし、セリングクライマックス的な下げが確認された場合は、利が乗っているショートは全てカバーするようにしてください。

恐らく、今週か来週にセリングクライマックスはやってきます。

セ リングクライマックスの見極めは、基本は売買代金の急増を確認する必要がありますし、今回は野村の先物の投げを確認する必要がありますが、目安としては中 国株が2500pt程度になった場合、為替が115円を切る場合、ダウが500pt以上下落する場合にはセリングクライマックス的な下げになり易いでしょ う。

この場合、日経平均が1000円近く下げマザーズ指数は10%程度の下げになるはずです。

こうなったら全てショートをカバーして、稼いだ金で温泉でも行ってください。

そして、本来ならドテンのロングでも良いのですが、まだ新興国の危機が本格化していないことを考えると、今回はセリングクライマックスが2発来るかもしれないので、無理にロングを作ることはないかと思っています。

どうしても作りたい場合は、16000円程度になったときに、2月限の175コールを買う程度で良いでしょう。

一方、今週ショートをどういうタイミングで作るかは非常に難しいです。なぜならば、今週はロング筋が投げる週なので、パニックで売っている人と一緒の行動をしても儲けられる可能性が低下してしまうからです。プットのボラティリティは極端に上がるでしょう。

それでもプットを買いたい場合は、155とか150をちょっと買っておくくらいにした方が良いです。

幸いなことに、週前半早々に中国の対策で3000ptを超え、FOMCの利上げ当面打ち止め発言なんかが出て、マーケットが17300円程度になるようなことがあったら、160や155のプットを作りましょう。

先物はやらない方が良いです。1000円反対に持っていかれても耐えられるのでしたら、上の事象でマーケットが上げたとき17300円程度で作っても良いかもしれませんが、今のマーケットは上下2000円ほどのレンジがあるので、先物はお勧めしません。

昨年6月から弱気に転じたのは私だけだと思います。チャートを見ると、10月11月のアヤはありましたが、大きな流れはほぼ合っていたと思います。

そして、楽観的な見方が支配的だった今年のマーケットを年明けから波乱があると予想していたのも私だけでしょう。

その私の弱気見通しは、今来週が短期的なクライマックスになると思います。

米国の利上げが年2回以上あるのなら、今年は後半にも危機がやってくるでしょうが、年明け早々これだけ波乱が起きても利上げを継続させることはしないでしょうから、たった1週間でFRBのスタンスはかなり変わったと認識すべきです。

なので、今来週がショートとしての最大の儲け場の一つであり、逆に言うと今年最も安い水準かもしれないところで、貪欲にショートを作りにいくのは暴挙だと思います。

マネー逆流がどんなに恐ろしいか、いんちき統計国家のバブル崩壊がどんなにすさまじいかみなさんは見当がつかないと思いますが、私には今までみてきた様々な危機がダブって視えます。


(終わり)

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このブログは、毎週日曜配信の相場見通し記事をアメブロの文字数制限のため抜粋したものを、一定期間経過後に(発行日と同じ日付で)アップしたものです。

リアルタイムでの、より詳細な見通しのシナリオや具体的な投資戦略は、(http://financialconsulting.blog.fc2.com/)のブログまで。



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こんにちは。元ヘッジファンドマネージャーの「相場師E氏」です。

毎週の相場見通しで従来は参考値にしていた上海暴落シナリオがいよいよ現実になるようですね。中国当局が必死に買い支えしているのに、全く下げ止まらないのでこれはまじでヤバいです。

その結果、FOMCメンバーがかなりハト派的な発言を繰り返しているのに米国株の下落に歯止めがかかりません。

いつも金曜のマーケットは先に海外を見てから日本株を書くのですが、本日は時系列で見た方が良いので順番に説明します。

まずは日本株です。17500円以上に上げたは上げましたが一瞬でした。
日本株続落、中国株安など海外警戒強く午後失速-輸出、金融中心売り (15:38) 』

15日の東京株式相場は続落。下げ止まらない中国株など海外市場動向への警戒が強い上、為替の円高推移で景気や企業業績に対する不透明感が再燃、午後の取引で失速した。輸送用機器や電機など輸出関連、銀行や保険、証券など金融株中心に安い。
TOPIXの終値は前日比4.10ポイント(0.3%)安の1402.45、日経平均株価は93円84銭(0.5%)安の1万7147円11銭。
損 保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの角田成広シニアインベストメントマネジャーは、「あまりにも中国株のボラティリティが大き過ぎる。中国株が振 れると元安ドライブの発想が浮かぶ。元安で得をする国は中国以外にない」と指摘した。特に日本株は、「為替が円高になって諸外国の中で株が最も下がってし まいかねない」と言う。
前日のニューヨーク原油先物の続伸、エネルギー銘柄を中心とした米国株反発の流れを受け、きょうの日本株は資源セク ター中心に幅広い業種に買いが先行、朝 方に日経平均は一時356円高まで上げ幅を広げた。買い一巡後は伸び悩み、週末とあって持ち高調整、手じまいの売り圧力が高まった午後にマイナス転換、午 後2時半前には183円安まで売られる場面があった。時間外取引での原油安や中国株、シカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)の米国株先物の下落 も投資家心理を悪化させた。きょうの日経平均の高安値幅は540円と、大発会4日(556円)以来の大きさだ。

前回の記 事で、「金曜は大幅に上げるだろう。17500円以上でないとショートは作らない方が良い。出来れば17700円以上。SQ無事に通過すると、引けにかけ て上げ幅を拡大する可能性が高い。」と書きました。確かに上げたのですが、急失速で引け安になってしまいました。

それもこれも中国株です。
(上海と日経)
1上海日経115

一応2900ポイント台では必死の買い支えが見られますが、金曜は効果なしでした。
(上海5日)
2上海5日115

これを怖がって日本株もずるずると下げてしまったのです。

私 は、17500円になったときに、2月限の150、155、160プットは作りましたが、165が割高だったので引け間際まで待とうとして作りませんでし た。そうしたら中国株が安く始まったし日本株もずるずると売り物に押されたので、高いな嫌だなと思いつつも17400円程度で165プットも作りました。 あまり下のプットを作るとインザマネーにならない可能性も高いのでこの程度で止めましたが、昨晩のCMEを見ると、結果的には170プットも含めガンガン に作っておいた方が良かったみたいですね。

しかし、後で説明するように、木曜の米国株は下げトレンドの流れが変わる可能性も高い要人発言 が出たので、過度な弱気になることはできませんでした。中国株が止められるかどうかは私はわかりませんし、世界中の誰にも判りません。基調はやばいけど、 連中だって売り方を殺す日柄程度の買い支えはできますので、彼らが何をしてくるか判らない以上過度な弱気は危険です。

ただ、金曜のマーケットを見る限りでは、完全に中国株は壊れました。当局は止められないでしょう。昨年から「年末くらいに2500pt、バブル崩壊する最終的には1200ptだが、それは数年後」と書いていましたが、いよいよ現実のものになってきました。

明日の記事で書きますが、今後メインシナリオは中国株崩壊シナリオになりそうです。
中国株:下落、週間では3週連続下げへ-当局の景気減速対応に懸念

金曜は、元も高値に維持しようと必死だったので、この1週間は元は落ち着いています。
(元ドルチャート)
3USD CNY115

それでも株が下げてしまったのですから、本当にヤバいです。

元も買い支えしていますが、昨年8月と比較するとかなり下がっているので、今買い支えしていても他の新興国のリスクオフは進みます。
(元ドル昨年8月来)
4USD CNY8月以降115

最終的にどこの程度まで元が切り下がるかですが、私は基本的にリーマンショック前の水準まで行くと思います。
(元ドルチャート長期)
5USD CNY長期115

赤線2本引きましたが、下の赤線は今来月中に行くと思います。そして、その頃に上海総合指数は2500pt程度になっているでしょう。

次の赤線は、上海総合が2000ptになっている頃です。早ければ今年夏前、必死の買い支えや対策の効果で延命しても年内には到達すると思います。

とまあこんな感じなので、昨年11月くらいから「今年は大変な年になる」と書いていたのですが、予想より早く大変になりました。

それにしても、昨年後半「今年は申年だからどーのこーの」とか「下値を切り上げているので、今年は再度2万円を超える」なんて予想していた奴らはいったいなんだったのでしょう。

そんな奴らのせいかどうか知りませんが、金曜の日本株では再び野村が買い越しています。
(先物手口)
6ft115.png

8 万枚以上の買いを持って、16000円台に突入するのです。彼らは年末19000円超で終わったときも6万枚以上ありましたので、膨大な含み損でしょう。 レバレッジETFという位なので、今のリターンはマイナス20%程度でしょう?なので、17000円切ったらもう買うこと出来ないでしょう。逆にロスカッ トで売って来ると思います。

なので、来週の波乱要因はこの先物の投げです。これで一気に値幅が出て、短期的なセリングクライマックスになると思います。

中国株がまだまだ下げるので年の後半もあまり強気ではないのですが、米国の利上げペースがかなり微妙になってきたので、もしかしたら中国株が下げ止まりさせすれば、夏場位からリスクオンになる可能性すら出てきました。

何が変わったのかというと、木曜のマーケットでタカ派のブラード総裁が非常にハト派的な発言をしたためです。
米セントルイス連銀総裁:物価目標達成が遅れる可能性、原油一段安で

米セントルイス連銀のブラード総裁は14日、ここ最近の原油価格下落でインフレ率が当局目標の2%に戻るのは遅れる可能性があると指摘。同総裁は過去数カ月間、利上げを最も強く主張していた金融当局者の1人だったが、この日はより慎重な姿勢を示した。
ブ ラード総裁はテネシー州メンフィスで講演。事前原稿によると「原油価格が過去数週間に再び下落したことに伴う、市場ベースのインフレ期待の低下が気掛か りになりつつある」と発言。中央銀行の当局者らは通常、原油価格の変動を「それほど重視しない」が、「懸念が強まり得る状況の一例としては、原油価格の変 動のためにインフレ期待そのものが変化し始める場合だ」と述べた。
総裁は原油価格の「非常に著しい」下落が低インフレにつながったとし、一段 と値下がりすればインフレ率が目標水準に戻るのが遅れる可能性があると指摘。価 格が6月末まで下落するとのシナリオに基づくと、2%へのインフレ率回復は2017年半ばまで起こらないことになると話した。
「原油価格が安定すれば、ヘッドラインのインフレ率は目標に戻るだろうが、最近のさらなる世界的な原油値下がりにより、こうした安定がいつ到来するのか疑問が生じる」と言明。
そ の上で総裁は、原油価格の下落は米経済にとって差し引きではプラスとの見方を示した。「例えば、自動車販売はここのところ強い」とし、「もっと広く言え ば、原油価格が大きく下げた2014年半ばから15年半ばの期間に実質ベースの個人消費支出の伸びは加速した。原油価格の下落は米国にとって強気な要素に なることを多少裏付けているとみることができるかもしれない」と述べた。

この人の発言はマーケットインパクトが非常にあります(米国の債券マネージャーの中でもっとも信頼されている総裁だった筈です)。
ずっとタカ派で、昨年の早い段階から利上げを主張していましたし、9月利上げがずれ込んだときも早くしないと大変なことになると言っていた位です。そして、先月のFOMC後も「2回目以降も早いペースでの利上げ」を主張していました。
この人が、木曜は上の記事のように物価目標達成が遅れる可能性が高いと発言したのです。この意味は、利上げペースを遅らせないと良くないことになるという見方をしている証拠です。

なので、木曜の米国株はこの発言を好感して大幅に上げたのでした。
(木曜米国株)
7ブラード以降115


ブラード総裁は、量的緩和終了直前に世界のマーケットがリスクオフになっているときにもマーケットの流れを変える発言をしました。2014年10月16日に「量的緩和終了をしたら、直ぐに新しい緩和始めた方が良い」と発言したのです。
その月の終わりで量的緩和が終了するけど、今のように世界のリスクオフが進んでいるのなら、直ぐに緩和を再開させた方が良いのではないかという発言にマーケットはびっくりして、その後世界はリスクオンに戻ったのでした。
(ブラード発言の比較)
8ブラード総裁発言比較115

なので、木曜の米国株を見る限りでは、「今回もブラード発言で流れが変わったかもな」と思ったので、あまりガンガンに金曜はショートを乗せられなかったのです。

しかし、中国株があんなことになってしまったので、ブラード発言も効果が消えました。
米国株(15日):S&P500が8月来安値-原油安や小売売上高を嫌気

米小売売上高で下落というのは嘘です。寄りから急落したのは原油安と中国株安に対する恐怖からです。
(米国株日中)
米国株日中116

(原油)
原油7日116

せっかくのブラード総裁発言ですが、今回に関してはアヤになってしまいました。
(FOMC以降の米国株)
FOMC以降116

これを見ると、FOMC後数日妙に堅調だったのは絶好の売り場だったと言えます。あのとき、利上げを決定したのを好感してマーケットは上げたのですよ。

ベー スラインは完全に下落ですが、問題はFOMCメンバーもこれを気にしていて、なんとかして株価の下げを止めたいと思っているはずです。黒田と違い、 FOMCメンバーはサプライズを狙いません。正攻法で考えていることを発言しますので、来週あたりからかなりハト派的な発言が出てくると思います。

ブ レイナード理事、タルーロ理事あたりからは、「12月に利上げを決断をしたのは過ちだった。再度ゼロ金利に戻すことを考える必要がある」なんて発言をして きそうですし、タカ派の要人からも「これ以上の株の下落は物価目標の達成を困難にするだけでなく、企業の雇用姿勢に変化が出る懸念もあるので、以降の利上 げは株安の動向を見極めるまですべきではない」という発言が出てきそうです。

こうなると、普通は昨年10月以降のリスクオン的なショート カバーマーケットになってしまいますので、あまり下まで追いかけるのは危険になってきたでしょう。利上げを数回してからだったらマーケットは年末まで同じ ペースで利上げをした世界を想像しますが、今は初回利上げしかしてなかったので、FOMCメンバーの方向転換も容易ですし、マーケットも利下げすら有り得 るという見方に簡単に変わります。

この危険性とどこまで壊れるか判らない中国株の、強大な売り買いネタ同士による綱引きが始まるのです。

なので、上にも下にも激しく値幅が出てくるでしょう。

金曜までにショートが十分にできなかった方は、今来週にやってくる短期的なセリングクライマックスまで何もしないで、そこで逆にロングをしても良いかと思います。

ショートの強い理由が、中国株崩壊だけなのです。FOMCの姿勢は明らかに変化してしまいました。中国当局が何をしてくるか判らない以上、貪欲に下を攻めると、突如1200円高なんて事になりかねないと思います。

明日の相場見通しのシナリオ予想に苦労しています。どの程度の値幅が出るかが、どういう順番でネタが出てくるかで全く変わってしまうからです。頭が痛いです。

(終わり)


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このブログは、デイリーの相場見通し記事を一定期間経過後に(発行日と同じ日付で)アップしたものです。

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こんにちは。元ヘッジファンドマネージャーの「相場師E氏」です。

上も下も値動きが激しいですね。しかし、本日の急落は理由がしっかりありますので、一昨日の急落とは違います。

本日は、大した理由なく米国株があそこまで下げたのが非常に気持ちが悪いのです。なので、17000円を割ったくらいに投げたかった気落ちは判ります。これで中国株もダメだったら、本日中に16500円まで行っちゃうかもなと思っていた位ですから。

12日の急落と本日の違いは以下の点です。

元ドル → 両日とも落ち着いている
為替 → 両日とも117円~118円前半
中国 → 12日は3000ptで下げ止まり、本日は安値後反発
原油 → 両日とも底這い
米国株→ 12日は横ばい、本日は急落

なので、米国株の急落を怖がったのでここまで下げました。しかし、米国株がここまで下げた理由がいまいち不明なのが気持ちが悪い。

今日はその辺を説明します。

まずは米国株です。
米国株:大幅安、消費関連中心に売り-ダウ平均365ドルの下げ

13日の米株式相場は大幅安。消費関連株が特に大きく売られた。ダウ工業株30種平均は360ドル超の値下がり。米国株は年初から大きく下げており、これまでに少なくとも1兆6000億ドルが吹き飛んでいる。
ニュー ヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価指数は前日比2.5%安の1890.28。終値ベースで9月29日以来の安値。ダウ工業株 30種平均は364.81ドル(2.2%)下げて16151.41ドル。ラッセル2000指数は3.3%下げて2013年以来の安値。6月の最高値からの 下落率は22%となり、弱気相場入りした。

米国株は月曜火曜と揉み合いで、引けにかけてショートカバーが入りいちおう堅調な終わり方をしていました。しかし、昨晩はつるべ落としです。
(米国株二日)
1世界の株価114

欧州株が軟調だったこともありますが、このところの米国株は欧州市場がクローズするとショートカバーでするする戻す状況だったのです。しかし、昨晩は全く反応していません。

昨晩NY時間で何かネガティブなことが出たかというと違います。原油は底ばっていました。
(原油)
2genyu.png

北海ブレントは安値更新しましたが、WTIは安値圏で揉んでいただけです。

また、こんな地合いなので、マーケットは勝手に利上げ時期を後連れさせて、3月利上げ確率は更に低下しています。
(利上げ確率)
3利上げ確率114

ドルはちょっと上がりましたが、この程度のドル高でここまで株が下がったことはありません。
(ドルインデックス)
4$USD114.png

一方中国株は、昨日の記事でも書いたように昨日は3000ptをあっさり切って終わっていました。ただ、元は落ち着いていました。

にも関わらず、ドカンと下げたのです。

概況記事ではこれでベアマーケット入りとか行っていますが、一定値以下になるとベアマーケットだとかどうだとかなんてのは全く意味がありません。大切なのは何を怖がって下げたのかです。

考えられる要因は漠とした中国への不安だけですが、昨日の日本株が深刻な反応をしてなかったし、場中ずっとだらだら下げていたので、漠とした怖さ程度のものでしょう。もし中国株が本当に怖かったら、オープン前の夜間先物市場で急落しているはずですから。

利 上げが怖いという可能性も多少はありますが、少なくとも3月利上げ確率は後退しています。昨晩は比較的大勢の要人が発言していましたが、ローゼングレン総 裁は利上げ道筋に下ブレリスクがあるとコメントしていたので、市場の悲観を打ち消す方向性に寄与する筈です。しか反応しなかった。

となると、ずっとリスクや金融制政策の変化に対し鈍感な反応しかしてなかった米国株が、ハイイールド債と同じ水準まで一気に訂正をしにかかったとしか説明できません。
(S&P500ハイイールド債)
5SP500ハイイールド債114

この手の重ねチャートを良く紹介しているのは単に似ているからではなく、実際にマーケットはこのように動く可能性が高いと経験上確信しているからです。
これを見ると、ずっとS&P500とハイイールド債(要するにジャンク債)は、上下の動きは似ていましたが、そもそもの水準訂正をせずに来ていました。

これは、米国株が常に楽観的だったからですが、この楽観がいよいよ消える可能性が出てきました。

な ぜそうなるかというと、何度も説明してきたように、グレートローテーションを信じる機関投資家が大勢いるのですが、この連中のいくばくかが、「株は債券よ り利上げに強い魅力ある資産」ではなく、「結局変動が大きいのでハイイールド債と似たようなリスク資産だよね」と考えるようになったからでしょう。
(先月FOMC以降の各アセット)
6FOMC以降114

これを見ると、原油が暴落してもあまり反応してなかったのに、昨晩は原油以上に下げているのが判るでしょう(一番下げているのが原油)。

となると、「そもそもの楽観の修正が入り始めた」と考えるほかありません。

そして、これこそが世界のリスクオフの明確な証拠になるのです。

米国FRBが行うマネー逆流は、米国内にマネーが還流します。なので、米国株は相対的に強い筈ですが、こんな風になってしまった。こうなったら、新興国の株なんてバカらしくて買ってられないでしょう。

ということで、この動きは時間差で世界に波及します。米国株がこんなに下がったらハイイールド債は更に下がらないと買い手が現れませんし、同様に魅力度の劣る新興国株式ももっと要求配当利回やバリュエーションの割安さが厳しくなるからです。

なので、本日はCME以上で寄ったものの、基本はCMEや米国株がだらだらと下げたように、同じくだらだらと下げ続けたのです。
(CME)
7cm114.png


なので、冒頭に書いたように、本日は16500円行っちゃうかなと思ったのでした。

しかし、昼過ぎからするすると戻してしまいました。

その理由は中国株です。
(上海総合と日経平均)
8上海日経114

本日も下げて始まり2900ptも割るかと思ったら、買い支えが出たようです。
(上海5日)
9上海5日114

といっても、出来高が低迷しているので実際の買い支えではなく、大量の資金供給で買い手を誘ったのです。

中国人民銀行が1600億元の資金供給、2015年2月以来の高水準 11:34am JST』

しかし、日本の追加緩和で円が売られるとの同様に、これやると中国元は下がるのでもろ刃の剣です。
(元ドルチャート)
USD CNY114

せっかく通貨防衛の介入していたのに、資金供給をしたものだから再び安値更新に向けて値を飛ばし始めました。

これ私の印象ですが、どうも中国当局は資本市場のことを本当に判っていない気がします。

喩えて言うと、SF映画で敵の宇宙船に乗って、どのボタンを押すとどうなるかが判らないので、片っ端から押している、そんな感じなのです。

ここを押すとこうなるけど、代わりにこっちが飛び出るという効果を十分に理解していない気がします。

なので、株対策をしたら、今度は元が下がったので、昨日発表の中国貿易統計で、新興国通貨が落ち着いていたのですが、再度売られ始めると思います。

操作方法を判らない乗組員が地球の大陸くらいの大きさの巨大宇宙船に乗って地球の成層圏で必死に脱出しようとあれこれボタンを押しているような感じです。

ということなので、中国株が上がっても全く安心できません。いや、元が切り下がる方が昨年8月のショックに似てくるので、こちらの方が記憶に新しい以上、米国株参加者の投げが加速する可能性が高まるでしょう。

とまあこんな感じなので、本来ならデータがそろっていないで比較的落ち着いた週になるはずでしたが、データがなくてもパニックになり始める位にセンチメントが悪化してきたようです。

ということなので、アヤで上がったところは確実に2月限のプットも作りましょう。

理想は17700円以上です。今の水準見ていると、そんなところまで戻るわけないよと思うかもしれませんが、このところ野村の先物が大暴れをしているので、必ずしも不可能ではないと思います。
(先物手口)
ft114.png

表の一番上に野村の売り買いのロットを書いていますが、これを見ると判るように、本日は売り越しですが買いも多いです。なので、おそらくは前場は恐怖に駆られて大量売りを出したが、上海株が上がり始めたのをみて嬉しくなって、再度買いに転じたのでしょう。

バカです、全く持ってバカです。投資行動に知性が微塵も感じられません。起きていることを表面でしか見ないからこういう暴徒のような動きになってしまうのです。

しかし、これで今晩の米国株が上がるようなことになれば、ミニSQを無事に通過したということで、明日は引けにかけて上げ幅を拡大させる展開になりそうです。そのときは、17700円というのはあながち不可能ではないでしょう。

何 しろ、野村の売り買いは今のマーケットには巨大すぎます。それが精錬された投資家ではなく、どの証券より客質の悪い暴徒なんですから堪ったものではありま せん。しかし、この連中のお陰でアヤができるので、我々はショートポジションを作ることができるし、行きすぎて下がったときにしっかりと利益確定ができる のです。

繰り返し言いますが、本来今週は大騒ぎする材料がないので、ショートカバーなどで堅調な地合いになり易いのです。

それを中国株が下げ続けたものだからおかしくなってしまったし、米国株も突如自身の楽観に気付いたようなのでおかしくなりましたが、基本はアヤが出やすい週です。

逆に上がらなかったら?

私は昨日17700円で作りましたが、3日程度で仕上げるつもりだったので量は不十分です。しかし、17500円以下ではショートは作りたくないです。
ヘッジファンドの外人で昨年8月から9月にかけての安いところを、せっかく利が乗っていたのに更に売り乗せをして結果的に10月11月に踏み上げられて死んだ奴が居ました。私はそいつに散々アドバイスをしていたのですが、本日一部利益確定したようです。
この水準でもショートを乗せている外資も居ますが、この水準は激しく危険です。

相 場は絶対なんてことはありません。ほぼ確実にマネー逆流で超リスクオフになると思っていますが、FRBの理事もそう思っていた場合どうしますか?利上げし ないことは多いにあるでしょうし、場合によっては先月の利上げを取り消して再度利下げするかもしれないのです。我々はインサイダーをもらう立場ではないの で、常に反対になるリスクを考慮すべきなのです。

勿論、明日は上がりそうですが、これで下げは終りではありません。

本日17000円を切りましたが、これでセリングクライマックスではありません。本当の恐怖は来週以降、新興国の資金データが出てきたときや、元安が更に進むことで新興国通貨が売られたときです。

昨日は中国貿易統計を好感してちょっと戻しましたが、トルコリラはいつのまにか安値近辺に到達しています。
(トルコリラ)
TRY-USD114.png

悲劇はこれからです。中国が変なボタンを押して爆破する前に、暴徒野村の乱暴な買いで上がったところはすかさずショートを作りましょう。

(終わり)



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こんにちは。元ヘッジファンドマネージャーの「相場師E氏」です。

言った通りの展開になったでしょ?

昨日は、敵が襲っていないのに勝手に自滅したので、その戻りが大きくなるのは当然です。何度も書いているように、今週は敵の姿がまだ現れないので、前週比フラット程度が居心地が良いのです。なので、17700円に戻ったのです。

本当にこれだけしか書くことがない中身の無い相場なので、これで終わりでも良いのですが、ひとつ気になる点が出たので、ショートは少し早目に少しずつ作る方が良いかと思っています。

日本株7日ぶり大幅反発、中国期待と円安で全面高-昨年9月来上昇率

13 日の東京株式相場は7営業日ぶりに大幅反発。中国の人民元相場安定への期待や為替の円安推移を好感、短期的な売られ過ぎ感も加わり、幅広く見直 しの買いが入った。電機や輸送用機器、ゴム製品、機械など輸出関連、銀行や証券など金融株中心に東証1部33業種は全て高い。
TOPIXの終値は前日比40.14ポイント(2.9%)高の1442.09、日経平均株価は496円67銭(2.9%)高の1万7715円63銭。上昇率はともに昨年9月9日以来、4カ月ぶりの大きさ。
三 井住友トラスト・アセットマネジメントの三沢淳一執行役員は、「原油価格の底が定まらないなど外部環境に不透明感が強まっているリスクオフの中では、足 元の株価変動もあり得る」と指摘。ただ、市場を覆う不透明感の大半が中国株安に伴う中国経済への不安だとすれば、「実体経済に与える影響が限定的だったこ とが確認された昨年9月以降の相場が参考になる。魅力ある銘柄にとってはバーゲンハンティングの好機」との見方を示した。
中国人民銀行(中央 銀行)は12日、香港市場で元買い介入を行い、人民元の防衛を強化した。香港オフショア市場の人民元は対ドルで一時0.7%上げ、上海 市場のレートとの差がゼロとなった。両レートの差がゼロになるのは昨年10月以来。また人民銀は13日、人民元の中心レートを1ドル=6.5630元と前 日とほぼ同水準に4営業日連続で設定した。

コメンテーターはぐだぐだ書いていますが、昨日の相場と本日の相場でポジティブに変わったことは何一つありません。米国株はおとといの晩も上昇していました。
(米国株日中の二日比較)
1米国株2日113

米国株なんぞ、この二日全く同じ日中の動きになっています。こういう変な動きのときはほぼ確実にショートカバーが出ています。
(ポピュラーショート)
2ps113.png

結果、原油との連動性が薄れていますので、今の米国株は楽観に傾き過ぎていると思います。
(原油とS&P500)
3SP原油円113

なので、再度悲観に大きく振れるときがくるでしょうが、(中国株が大崩れしない限り)それは今週より来週以降の気がします。

元ドルが落ち着いているのも同じです。
(ドル円)
米ドル-円 113

尤も、昨日は引けにかけやや円高になりましたが、それでも日本の祝日に付けた116円台よりは円安でした。

また、元ドルレートは今週に入ってから落ち着いています。
(元ドルチャート)
USD CNY 113

前の晩のCMEは昨日も今日も同程度でしたので、昨日あそこまで下げたのが意味不明だったのです。
(CME)
5CME113.png

結局、昨日の下げを帳消しにしておつりがくるほど上げてしまいました。

週末の相場見通しで、利が乗っているのは全部利益確定と書いたので、みなさんは昨日で全て利益確定したと思います。良かったでしょ?

で、昨日の記事では今日明日で壮大なアヤを作ったときに2月限のショートを作りたいと書きました。みなさんは本日ショート作りましたか?

私は2月限の155、160、165の各プットを作りました。

17700円は今週の基準値であって割高ゾーンじゃないので、ちょっと早い気もしますが、これは冒頭書いた理由によります。

つまり、気になることがあったので、早めにショートを作っておいたのです。

それは中国株です。あっさりと3000ptを割ってしまいました。
(上海総合)
上海5日113

単に3000ptを割ったということで気になったのではありません。当局がこの水準を死守しようという意思が感じられなかったので、無理な操作なくするする下げる気がしたのです。

その理由は、上で赤丸囲いした出来高です。

7日8日は当局が膨大な買い支えをしたので相場の下げが止まっていましたが、本日は出来高もなくするする切っています。

売りがパニックになっていないし、強硬な買いもないのです。

こ れはセリングクライマックスまで程遠いのと、何らかの理由で買い支えが出来なくなったと考えられます。もしかしたら、これ以上買い支えをすると、買わせて いる主体の財務体質が危機的になってしまうからかもしれませんし、今買い支えても効果がないので、次のポイントを2500ptに設定しているのかもしれま せん。

いずれにしても、3000ptが通過点だと判明したので、今週の相場見通しで書いた「上海暴落シナリオ」が今週あってもおかしくないなと思い早目にショートを作ったわけです。

上海暴落さえなければ、今週は前週比フラットかプラスで終わりそうなマーケットなのは、本日の強さを見れば判るでしょう。しかし、本日の楽観マーケットはこの重要な兆しを忘れているのです。

私 が神のような存在で、起きている事象のポジティブネガティブを株式指数の変動で表現しようとするならば、昨日は前週の米国株安を考慮して17600円、本 日は中国が気になるので17500円を付けるでしょう。今週の基準値17700円との差額は200円超がアヤだということです。

話を中国に戻すと、本日発表の貿易統計は懸念した通り?に堅調でした。
中国:昨年12月の輸出、予想外の増加-人民元安が寄与か

中国の輸出は昨年12月に予想外に増加した一方で、輸入の落ち込みは和らいだ。人民元安が世界最大の貿易国である中国の競争力を押し上げ始めている可能性を示唆している。
税 関総署が13日発表した12月の貿易統計によれば、輸出は人民元ベースで前年同月比2.3%増。11月は3.7%減だった。輸入は人民元ベースで4%減 と1年2カ月連続で減少したが、前月の5.6%減から減少幅が縮小した。貿易黒字は3820億元(約6兆8700億円)となった。
中国の輸出の持ち直しと貿易黒字の拡大を受けて、オーストラリア・ドルや中国株、S&P500種株価指数先物が上昇。

やはり操作していますよ。Pmiがずっと悪いのに輸出が持ち直すのは不自然です。元安の効果が出たのでしたら、逆に輸入のマイナスが拡大しても良さそうなのに、輸入のマイナスも減っています。

もし中国の実態がこの指数通りならば、CRB指数はここまで連続で下げ続けないでしょう。なので、電力統計同様操作され始めた感じがします。

しかし、統計的にはポジティブなのは事実なのに、本日の中国株は反応していないのです。好材料にも反応しないで小規模の売りでじりじり下げているというのが非常に気味悪い。

ということなので、アヤがいつまで続くか判りませんが、アヤのあとにやってくるリスクオフマーケットはかなりえぐいものになると思います。

そして、本日ここまで買った連中が誰かを見ると、アヤ消失のときは景気良くぶん投げてきそうです。
(先物手口)
ft113.png

野村が9000枚も買ってますよ。

結 果、MUMSの裁定買いが再度入っています(裁定買いを入れると、先物は売りで出る。MUMSは裁定の有力業者)。本日はかなり裁定買いが入り、先週出た 解消売りの半分程度が再度積み上げられたと見ています。なので、マーケットを暴落させる加速装置の準備はまた出来たのです。

一方のショート筋はほとんどショートカバーをしていません。今回のリバウンドの長さはそれほど長くないでしょうから、ショート筋も耐えられるでしょう。となると、アヤ消失時は壮大な売り仕掛けが見れるかもしれません。

ということを考えて、かなり下のプットまで作りに行きました。

明日、17700円以上になったら、2月限プットは少し入れても良いでしょう。

先物は18000円以上まで何もしないほうが良いですよ。野村はレバレッジETF打ち止め時は9万枚以上のロングがあったので、あと1万枚以上バカ買いできますから、18000円まで買い上がってもおかしくありません。

しかし、明日17700円以下になるようでしたら、あくまでも中国次第ですが、無理して2月限を作らなくても良いと思います。

中 国が2900ptも切るようなら、低めのところでも155プットくらいなら作っても良いでしょうが、このところボラティリティが大きいので、本日これだけ 上げてもプットがあまり下がりませんでした。なんらかの材料で1週間も18000円近辺のマーケットになった場合、ボラティリティ低下だけでオプションの バリューが大きく棄損してしまうので、できれば17700円以上からプット作りは始めたいものです。

原油は戻しているし為替も落ち着いて いるし元ドルも落ち着いているので、今晩の米国株も上がる可能性の方が高いと思いますが、もし今晩の米国株が中国株安を気にして下げるようでしたら、先週 のように「次回利上げの時期は後ろ倒しになっているのに、中国が怖いので下げ続けるマーケット」に再度なる可能性があります。

米国株が中国を恐れて下げた場合は、明日の中国マーケットの最初1時間を見て2900ポイントを切るようなら低めでもショートポジションを作り始めると良いと思います。

相場見通しの難しいところは、年の最初からガンガン下げると後半下げ難いのです。どういうことかというと、中央銀行が緩和サイドに政策を変えてしまうからです。

なので、以前書いたことがあるように、「2回ほど利上げがあってから、新興国危機や中国危機が起きて下げるマーケットのほうがマグニチュードが出やすい」と思います。

なぜかというと、2回やってしまうと、「市場参加者は、定規で引いたかのように次の利上げを予測し始める」からです。

今は、FOMCの今年末の見通しを信じていないばかりか、4回やるって言っているのに次回利上げですら勝手に後連れさせています。なので、まだ甘えているのです。

しかし、2回くらい利上げしてしまうと、躾られるので黙って言う事を聞くようになります。つまり、このペースで利上げをすると年末は何%になるなとマーケットがきちんと予測をし始めるのです。

こうなったときに危機が来ると、FOMCミーティングまではどこまでも下げ続けます。

なので、売り方の理想はFOMCがない7月FOMC後~9月FOMCまでの間に危機が起きる事です。

去年の8月相場もそうでしたし、リーマンショックも9月でしたよね。

8月から9月に下げ易いのは、歴史的にそうなのではなく、リーマンショック後にマネーを4倍ばらまいたせいで中央銀行の影響がかつてないほど高まっている中で、引き締めをしようとし始めているからです。

なので、今年下げで儲けるには、本当はそれまではあまり下げない方が良いのです。

FOMCメンバーは、ちょっとくらい株が下がっても利上げに影響しないと言っているので、あと1割程度の下げでしたら、3月か4月に利上げをするでしょう。

そ の後ちょっと調整して、6月か7月のFOMCでもう1度利上げをすると、「やばい、FOMCは本気で今年末のFFレートを1.5%にしようとしている。も うダメだ・・・」とあきらめ、そこに危機が来ると、「マネー逆流の上に、危機まで来た。誰も助けてくれない」と恐怖に駆られてしまうのです。

その場合、12000円~14000円くらいまで行くと思います。

しかし、今書いてきたように、流動的なのです。なので、こまめに利益確定をしてください。

マーケットが下げることを注視しているのはみなさんだけではありません。中央銀行も必死に観ています。

楽 観に傾いているときは今のように必死に火消しをしますが、悲観に傾きだしたら「株をなんとかしてあげようという発言が続出する」でしょう。なので、黒田以 外の中央銀行は、株価の変動を抑える要因になっているので、引き締めに明確な方向感が出てマーケットが織り込むまで上も下も過度に貪欲になるのは危険で す。

ということなので、今週は楽観火消しの発言が多かったのですが、おとといロックハート総裁が3月までにデータがそろわないかもと発言 したことで過度に楽観になっています。こういうときは、売り始める方が良くて、過度に悲観になったときは、要人が安心させる発言をする前に利益確定をする のが良いのです。

明日も上げてくれることを祈りましょう。

(終わり)


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リアルタイムでの、より詳細な見通しのシナリオや具体的な投資戦略は、(http://financialconsulting.blog.fc2.com/)のブログまで。


テーマ:
こんにちは。元ヘッジファンドマネージャーの「相場師E氏」です。

めちゃくちゃ下げましたが、これだけ下げる材料が全くありませんでした。明らかにやり過ぎなので、反動としてアヤが大きめになるかもしれません。

尤も、セリングクライマックスでもないので基調は下ですし、これから恐怖の下げ相場の裏付けになる悪材料がそろってきます。
なので、弱気なのには変わりがないのですが、昨日の相場見通しで書いたように、今週は悪材料が十分にそろっていないので、19200円程度というのは今週の下限近いです。

と いうことで、私は全ての先物とインザマネーになったプットを19250円前後で利益確定しました。引け後19100円台まで入ったので、ちょっと早かった かもしれないですが、こういう無茶な下げをすると反動が1週間くらい続くかもしれないので、そうしたら今週のSQまでに稼げるときがなくなる可能性も高 かったからです。

一体、今日は何に恐れたのでしょう?
日本株が初の開幕6日続落、円高や原油安、中国警戒-東証全業種安い

12 日の東京株式相場はTOPIXが6日続落し、年始からの連続安記録としては過去最長となった。為替の円高進行や12年ぶり安値となった海外原油 価格の下落、中国経済・市場動向に対する警戒感が強く、鉱業や石油、非鉄金属など資源関連株、電機など輸出関連株、銀行や証券など金融株中心に東証1部 33業種は全て安い。
TOPIXの終値は前週末比45.37ポイント(3.1%)安の1401.95、日経平均株価は479円(2.7%)安の 1万7218円96銭。東京証券 取引所によると、TOPIXの年始6日続落は1969年の指数算出開始以降で初めて。前身の指数時代を含む49年の東証再開以降でも初のケースとなった。
りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネジャーは、「中国の景気がこの半年間に良くならず、当局は小手先の対応でマーケットを混乱させてい ることが投 資家に見えてしまっている」と指摘。きょうの下げも、新たな危機感が高まっての売りという感じはしないが、「新年を迎えてことし1年をみたときに昨年ほど 市場の先行きが楽観できないと感じた投資家は、株のポジションをグローバルに落とし、キャッシュや債券に退避しておこうという心理が働きやすい」と言う。
11日の為替市場では中国の市場混乱が世界的に影響を及ぼし、南アフリカ・ランドやブラジル・レアルなどの資源輸出国通貨の下げが拡大。南アラ ンドはドル に対し過去最低を付けた半面、円は買われ、ドル・円相場は一時1ドル=116円70銭と昨年8月以来のドル安・円高に振れた。きょうはおおむね117円台 で推移。

概況記事で出ているキーワードは、中国、為替、原油安です。

このうち中国株は、本日はフラットです。
(上海5日)
1上海5日112

もしかしたら、昨日日本株が休みの時に上海総合が5%以上下がったのを覚えていて、それが嫌だったので反映させたのかもしれませんが、ちょっと行き過ぎです。たとえば、こう考えてください。
原油安が続いていますが、日本が休みのときに原油が急反落したけど、日本株が開いているときに反発していたら、原油安を嫌気して下げますか?株は方向性を見に行くので、昨日下げたことより、今ちゃんと戻していることを好感します。

それに、本日は上海総合が動いていないときに下げの方向性が出ていました。
(上海と日本株)
2上海日経112

また、元ドルは昨晩再び介入をしているので、本日は先週より落ち着いた水準です。
(元ドルチャート)
3USD CNY 112

なので、中国懸念というのはちょっと違います。

お次の為替ですが、本日の取引時間中はフラットです。
(ドル円)
4為替112

昨日の朝に南アランド急落で円が116円台に入ったのを嫌気しているのかもしれませんが、これも中国株と同様に「過ぎたことより方向性を見に行く」ことを考えると、通常は円高の一服を好感してもおかしくないところです。

そもそも昨晩のNY市場で円安になったのは、米国株のところで後述するような発言があったためで、それもあって米国株もフラットでした。

お次の原油安は、確かに昨晩は急落しましたが、それで米国株はあまり反応しませんでしたし、日本時間中はむしろ反発しています。
(原油)
5原油112

では、なぜ原油安だったにも関わらず、米国株は下げなかったかというと、それはハト派に近い中立派ロックハート総裁の発言を好感してのものです。
(米国株日中)
6米国株日中112

原油安を嫌気して一時かなり下げたのですが、引け前にロックハート総裁が以下の発言をしたことで戻したのです。
今月か3月の利上げ、データ不十分な可能性=米アトランタ連銀総裁 7:51am JST』

米アトランタ地区連銀のロックハート総裁は、今月下旬か3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを決定するには、インフレ指標が十分そろわない可能性があるとの考えを示した。
総裁は当地での講演後、「3月半ばの会合までに、インフレトレンドやインフレ動向についてどれだけ知ることができるだろうか。データは一部入手できるだろうが、多くはない」と記者団に述べた。
インフレ率が連邦準備理事会(FRB)が目標とする2%に近づいていることを示す「確かな証拠」を探すと語った。
米金利先物市場では現在、昨年12月に続く2回目の利上げ時期について3月か4月かで見方が分かれている。
ロックハート総裁は、中国の景気減速や原油安の継続といった国際的な問題が、米経済を見通す上で主要なリスクとなっていると指摘。
国内については、力強い内需が今年の米国内総生産(GDP)の伸びを後押しし、米経済を完全雇用と最終的にはインフレ率上昇に導くとの「やや楽観的な」見方を維持していると述べた。

昨日の相場見通し記事で書いたように、昨年9月の利上げは8月に起きた世界的なリスクオフの影響を見極めるために延期されました。昨晩のロックハート総裁の発言もそれを想起させる内容と思われ好感したのですが、半年もずらすような言い方はしていません。別の

記事では、「世界的な株安は米経済に影響を与えない」とも発言していると書かれているので、3月のFOMCではデータがそろわなくても、マーケットの半数が見込んでいる4月にはやりそうな言い方です。しかし、この発言でマーケットは戻し、円も急落したのです。
(ドル円、原油とS&P500)
原油米国株112

そして、本日は原油安も戻しているので、米国株が気にしているポイントはごく短期的にはかなり解消されたことになります。
●中国株 → 落ち着いている
●原油安 → 戻した
●ドル → 利上げ時期後退
●マネー逆流 → 利上げ時期後退

もちろん、ロックハート総裁は今年投票権がありませんから、今年投票権のあるタカ派が発言すればこの発言の影響力は消えてしまうでしょうし、中国株が落ち着いているのも抜本的な解決ではなく、単に小休止しただけです。

本当の悲劇はこれからやってくるのですが、昨日も書いたように、そもそも今週は悲劇を感じる材料が少ないのです。

にも関わらず、本日の日本株が下げたのは、ホラー映画にありがちなストーリーで言うと、「怪物や霊に襲われて死ぬのではなく、恐怖に駆られた仲間同士の自滅で死ぬ」というしょうもないパターンです。

勝手に恐怖に駆られて投げてしまったのです。

そんな馬鹿な行動をするのはもちろん彼らです。
(マーケット)
マーケット112

年末や先週あんな買い方をしていたので、3連休にいろんな報道を見て心配になったのでしょう。全くアホすぎます。

尤も、野村の先物買いはまだ続いているし、売買代金もセリングクライマックス的な増え方になっていません。
(先物手口)
ft112.png

(売買代金)
売買代金112

8月の上海株暴落のときはびびったでしょ?12月18日の黒田のインチキ緩和のときもびっくりしたでしょ?ギリシャデフォルトのときもびっくりしたでしょ?

これらと同程度の出来高にならない限りはセリングクライマックスとは呼べませんので、まだ下げ余地はあります。

そして、先物手口を見ると判るように、野村の投げが始まっていません。

彼らは年末の19000円超から6万枚程度持っているのです。既に10%やられていますが、レバレッジETFだったらその2倍のやられの筈なので、そろそろロスカットの投げが出てくる頃です。

なので、材料がこれから出てくること、野村の投げがこれから始まる事、売買代金が急増していないことを考えると、まだまだ下げ相場は続きます。

しかし、本日は敵が姿を現していないのに、恐怖に駆られた仲間が銃を撃ちまくって仲間が死んでしまったような状況なので、これは反動が出やすいです。

ということなので、明日明後日はもしかしたら「下げたと思ったら今度はここまで買いあがるか?バカじゃなかろうか?」と思うようなことをしでかすかもしれません。

ベー スラインは比較的しっかりしていますが、売買する連中がどこまで無茶な事をするか、当局がどういう手を打ってくるか、それをどう解約するかが流動的なの で、マーケットは常にアヤが発生します。そして、アヤとベースラインの発生順序は、当然のように変わるので、どんな相場のプロでも、この点に関しては臨機 応変に考えています。

つまり、値段がいくらになったからどうこうとか、今週どうこうすると日柄を決めるのではなく、アヤが先に来たのだったら、今週は利益確定の方針を変えて売り乗せをするという具合に臨機応変に変える必要があるのです。

その意味で、本日の19200円台19100円台は絶好の利益確定タイミングで、それは昨日の記事で書いたように、「利が乗っているものは全部利益確定」すべき水準なのです。

本日こんなことをやってしまったので、もしかしたら、1月限の170プット、165プットは利益確定する前に死んでしまう可能性が高まってきましたが仕方ないです。

今は、バカな買い方によってアヤができるだけ壮大になって、2月限のプットを今週中に比較的安く作ることを祈りましょう。

もちろん、これは中国が落ち着いている前提なのは言うまでもありません。明日日本株が反発しようと思っても、中国株が再度大幅下落して2900ptになったら、また方針は変わります。

そのときは、170プットを利益確定して、もしかしたら2月限の180コールをちょっと買い推奨するかもしれません。。。

ベースラインをしっかりと見据えてアヤとベースラインの順番と投資行動は臨機応変に考えましょう。

(終わり)


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このブログは、デイリーの相場見通し記事を一定期間経過後に(発行日と同じ日付で)アップしたものです。

リアルタイムでの、より詳細な見通しのシナリオや具体的な投資戦略は、(http://financialconsulting.blog.fc2.com/)のブログまで。


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こんにちは。元ヘッジファンドマネージャーの「相場師E氏」です。

昨年12月16日のFOMCでリーマンショック後初となる米国の利上げが決定されたというのに、年末まで能天気なマーケットが続いていましたが、その反動は年明けいきなりやってきました。日本株に限らず、世界の株式市場は年明け第1週としては歴史的な下げになったのです。
(米国株の年明け第1週の騰落率)
1週下落率19

年末の休場中に何か悪材料が出たわけではありません。単に、年末までの市場でリスクを適正に織り込んでいなかった反動が一気に出ただけです。

米国の利上げに伴って世界中にばら蒔かれていたドルが米国に還流することと日欧の緩和が当面ないために、マネーはゼロサムどころかマイナスサムの世界になるので、今後さらに魅力度の劣る弱いアセットやハイリスクで限界的なアセットからの資金流出が加速するでしょう。

こうなるとマネーが相対的に集まっている先進国株式市場ですら、センチメント悪化や利益確定の動きでリスクオフ的な動きになるのは昨年8月の相場を見れば明らかです。

結局、日本株は年末無理をした反動で、先週は大幅安になりましたが、依然として個人投資家の突っ込み買いが続いているので、NISA初年度で大量の個人投資家資金が出てから新興国危機で大やけどさせられた2年前の相場にかなり似てきています。

当時も、米国の量的緩和縮小が開始された「グローバルのマネーがタイトになる局面」で、新興国のような弱い地域や資産が危機になったので、今と環境が驚くほど似ています。

単に米国の利上げを織り込むだけでしたら、先週末の終値は現時点ではやや売られ過ぎと思われますが、中国株が本格的に崩壊を始めた可能性が高いことを考えると、新興国危機や中国危機も同時に起きる可能性が出てきました。

この場合、日本株の下値はまだ先になります。

今週は新興国関連のデータがまだ出ないと思われるので、本来は比較的落ち着く週になりそうですが、年末年始に無理して買った筋の投げが本格化していないため、投げが始まると更に値幅が出て下げるので注意が必要です。

<今週の注目材料>
今週はあまり重要な発表はありませんが、敢えて言うと中国貿易統計が注目されます。

1/13水 中国貿易統計
1/15金 米小売売上高

統計操作をしない限り12月の輸出入も落ち込みが続くでしょう。その場合、経済懸念でこのところ売りが加速している中国株は更に下値を切り下げると思われ、中国懸念で世界の株式も反応するので注意が必要です。

<マネーの方向性>
リーマンショック対応から始まったFRBの量的緩和が2014年10月のFOMCで終了し、2015年12月16日にはリーマンショック初となる米国の利上げが決定されました。
2014年10月の量的緩和終了で他に供給する基軸通貨マネーが無いとマネー逆流になり過剰流動性相場は完全終了するところでしたが、間一髪のタイミングの昨年10末に日銀が追加緩和をしたことで、先進国に関してはリスクオフには歯止めが掛かりました。
その後、原油安やギリシャ政情不安が出てきたところでタイミング良く2015年3月から欧州ECBによる量的緩和も始まり、昨年10月理事会後の定例会見で今年12月には更なる緩和があるとECBがアナウンスし、先月理事会で予定通りに追加緩和を決定しています。

何もなければリスクオフになるところを、日欧の中央銀行が必死にマネー供給してリスクオンマーケットを維持しているというのが現状なのです。

しかし、12月中旬の日銀政策決定会合での追加緩和もどきで、日米欧の当面の金融政策は出尽くしました。日欧の追加緩和は出尽くし、米国は今後粛々と利上げをしていくのみなので、日米欧中央銀行の金融姿勢は先々週を境にして完全に引き締めサイドに転じたといえます。

―FRB―
初 回利上げが決まったので、FRB 政策の今後のポイントは利上げ回数と利上げ幅、そして債券回収時期です。本格的なマネー逆流はFRBの保有債券売却(市中からドル札を吸い上げる)で B/Sを削減し始める2017年以降ですが、利上げをするだけで対外ドル資産が米国に還流するので、米国以外の地域でのドルの過剰流動性は減少します。

リーマンショック以降長く続いた緩和政策を大きなショックなく引き締め転じるために、FRBは文言を少しずつ変更し慎重に利上げに向けた地ならしを進めてきました。

ステップ1(~2014年11月) 「相当な期間ゼロ金利を維持」
ステップ2 (2014年12月~)「相当な期間」と「辛抱強くなれる」の併用
ステップ3 (2015年1月~) 「辛抱強くなれる」
ステップ4 (2014年3月) 「辛抱強くなれる」を削除
ステップ5 利上げが適切かどうかについて毎回議論 → 2015年5月から
ステップ6 2015年12月16日のFOMCで利上げ決定 → 

12 月FOMCで決定された初回利上げ幅は25bpsと想定通りでした。今後重要になるのは、利上げペースと利上げ幅と来年末時点での金利水準で、それがマー ケットの期待値とどれだけ乖離しているかが重要になります。FRBは3ヶ月に一度FOMCメンバーの金利見通し(ドットチャート)を公表するのですが、 マーケットは当事者の見通しを全く気にしないで暴走するためです。過去数年は、楽観的なマーケット参加者の見通しが正しかったですが、今回は年内利上げを 見込むFOMCメンバーに対し、マーケットはかなり直前まで来年3月以降の利上げを織り込んでいたために混乱が生じました。

今回のFOMCで公表されたドットチャートを前回9月と比較すると、来年末のFFレートの平均値は変わっていませんが、分布が平均値近辺に収斂しました。
(ドットチャート)
6ドットチャート13

1%以下の極端に経済に悲観的な見方が減った反面、2%以上というタカ派的な見方も消えたのが今回の特徴です。

この結果、マーケットとの解釈相違は以下のようになります。
●マーケットの期待値はもっとハト派的で依然として乖離が大きい
●今回のメンバーはハト派で、来年からタカ派主導のメンバー構成になる

先週時点で来年末のFF金利先物は80~90bpsと、前週とほとんど変わっていませんので、現行のハト派的なFOMCメンバーの平均値である1.375%を織り込みに行っていません。
(2016年12月限FF金利先物)
7FF12月19

(1からこの数値を引いた値がFFレートなので、99.1は今年末のFFレートを0.9%で見ているということになる)

現 行のハト派メンバーの平均値である1.375%まで織り込むためには、チャートの赤線まで下落する必要がありますが、先週のリスクオフでFOMCの見方よ り更に乖離して0.75%まで低下してしまいました。この意味するところは、「今年は25bpsの利上げが2回のみ」という事です。

恐らく、元が切り下がり中国株が暴落し始めたので、昨年9月のFOMCのように「中国が不透明なので利上げを見送る」という判断を期待しているのでしょう。しかし、先週中国株が連日下がっている最中に出たFOMCメンバーの発言ではそんなことは一言も言っていません。

先週は中国株だけでなく米国の利上げの影響も徐々に出ているようなマーケットでしたが、ことFF金利先物に関しては、利上げペースを非常に楽観的な見方に戻してしまったのです。

以上は現行FOMCメンバーの見方との乖離ですが、何度も書いているように今年からFOMCの投票権を持つメンバー構成はタカ派が主流になるので、その乖離はさらに広がってしまう事になります。
(新旧メンバー)
8新旧メンバー

12月FOMCのドットチャートで1%以下にしたと思われるエバンス総裁が退任してタカ派が入るだけで、ドットチャートの平均は大きく上がる可能性が高いです。

では、メンバーがタカ派主体になるとどの程度影響が出るかについて、本日は考察してみます。

2014年は今年と同じようにタカ派主体でしたが、昨年2015年は一気にハト派が増えました。
(2014年2015年のFOMCメンバーの構成)
9ハトタカ2015

この図の赤が2014年で、青が2015年です。これを見ると、2014年の地区連銀総裁はハト派1名でしたが、2015年は3名になっているのが判るでしょう(青赤ともに太枠がハト派)。つまりハトが純増2名だったのです。

この影響を見るために、2014年メンバーの最後のドットチャートである2014年12月と、新メンバーの最初のドットチャートである2015年3月を比較すると、一気に分布が変わっているのが判ると思います。
(2014年12月ドットチャート)
10dc201412.png

(2015年3月ドットチャート)
11DC20153.png

2014 年メンバーの2016年末(今年末)FFレート見通しはおおむね2%以上でしたが、たった3カ月で1.5%近傍に集中してしまったのが判るでしょう。昨年 1-3期を思い起こすと、ギリシャ問題の初動はありましたが、ECBの量的緩和も始まったので決してリスクオフに傾くようなマーケットではありませんでし た。にも関わらず、ドットチャートがこれだけ変化したのです。

平均値で見ると更に顕著です。

      2014年12月    2015年3月
2015年末:1.125%(1.125)  → 0.625%(0.772)
2016年末:2.500%(2.537) → 1.875%(2.022)

昨年末のFFレートは40bps低下、今年末のFFレート見通しに至っては62bpsも低下してしまっているのです。

これがたった2名ハト派が純増になっただけで起きたドットチャートの変化です。

今年は昨年の裏返しでタカ派が2名純増になるのですから、これと同じ変化が起きても全くおかしくないのです。つまり、今年3月のドットチャートでは、今年末のFFレートは1.5%以上に跳ね上がり、利上げ回数は5回以上という見方になっても全くおかしくないという事です。

こう考えると、今のマーケットの見方が、依然としてかなり楽観的だという事が判るでしょう。先週のマーケットは歴史的な下げになりましたが、米国の利上げを適正に織り込むとこんな程度の下げでは済まないのです。

この楽観的は見方は、次回の利上げ時期にも影響を与えていて、中立派のFOMCメンバーですら「年4回」と言っているので、次回は3月になる公算が高いのに、3月の利上げ見通しが急速に低下してしまいました。

FF金利先物で見ると、なぜ低下したのかが判ります。
(3月限FF金利先物)
12FF3月19

こ れを見ると判るように、3末のFFレート見通しは昨年末では50bps程度の見通しでしたが、先週末では40bps程度まで低下しています。つまり、昨年 末は「3月のFOMCで25bps引き上げて、FFレートは50bpsになる」と見ていたのに、先週末時点では「利上げがあるという見方が減っているの で、40bpsしか見ていない」のです。
仮に中国株が現値程度でのリスクオフでしたら、予定通り3月に利上げになり次回ドットチャートでタカ派的な見方が出てきます し、FOMCが見通しを修正せざるを得ないような場合は、今以上に悲惨なマーケットになっているはずなので、いずれにしても今年3月までは株価は非常に下 がり易いと言えるでしょう。

以上を整理すると、以下のようになります。

         FRB      マーケット
次回利上げ時期  3月    3月→4月以降
来年利上げ回数  4回    3→2回
来年末FFレート  1.3%   0.8~0.9% →0.75%

本来徐々にFOMCメンバーの見方を織り込みに行くはずなのに、更に楽観的な見方でギャップが開いているのが現状です。

これに対し私の利上げ予想は先週と同様です。
次回利上げ時期 3月(8割)、1月(1割→0)、4月(1割)、6月(1割)
来年利上げ回数 5回
来年末FFレート 1.6%

年初からリスクオフ気味なので、今月の利上げ確率がゼロでしょう。その代わり、中国株が最悪のシナリオに向けてスタートし始めているので、最悪時に利上げすることはないために、6月利上げの見方も加えました。

た だ、私の見通しでマーケットを予想すると、過度にリスクオフ的なマーケットになってしまうので、明確にリスクオフ入りしない限りはこの見通しを相場予測に はいれず、基本はFOMCとマーケットとの認識ギャップのみを当面の見通しの前提にします。相場が超悲観に傾いたときは下値の目処として私の見方を使用し ますが、それまでは市場コンセンサスとFRBの認識ギャップのみを見ているほうが正確な判断が可能と考えています。

先週あれだけ中国株が下げても全くぶれないFOMCメンバーの発言が、更に中国株が下げる中で今後どのように変わっていくのかは非常に注目されます。また、新メンバーであるブラード、メスター、ジョージのタカ派総裁がどのような発言をしてくるかも注目となります。
予定通りのタカ派見通しが出てきたら、マーケットの楽観は一気に修正されるでしょう。

―欧州ECB―
12 月上旬のECB理事会での追加緩和は、事前に期待させすぎたのでネガティブサプライズになりました。ECB発のニュースを丹念に拾って客観的に判断してい けば今回の決定内容は予測可能でしたが、マーケットは完全に妄想の暴走をしていましたので、「あらゆる手段を検討する」と期待させたドラギECB総裁が悪 いのです。

ECBの追加緩和後もドラギECB総裁は「ECBの行動に限界はありえない」と更なる追加緩和を示唆するような発言をしましたが、他の理事は量的緩和自体に否定的な意見も出てくるなど、あらゆる手段での追加緩和に対し一枚岩でないのを露呈してしまっています。

結局、ドラギECB総裁以外で積極的な人はほとんど居ないので、今後ドラギECB総裁が更なる追加緩和を示唆する発言をしても、直ぐに追加緩和期待が醸成される可能性は低くなってきました。
ド ラギECB総裁が嘘を付いているのではなく、ドラギECB総裁の願望ほど他の理事は追加緩和に肯定的ではないので、ドラギECB総裁がその気でも早々の追 加緩和は困難とマーケットが気付きだした以上、多少のリップサービスではマーケットは反応しなくなったということです。

従って、ECB発のマネーの方向性は、過去2ヶ月で過剰流動性相場を期待した反動が続くために、楽観的だったコンセンサスがECBの平均意見に収斂する過程での引き締めサイドになるでしょう。

今週は特に発表や要人発言は予定されていませんが、仮になんらかの発言が出たとしても、ドラギECB総裁以外の理事が追加緩和に消極的な意見を出している以上、実際に追加緩和があるまでECB発の追加緩和期待は醸成されにくいでしょう。

―日銀―
散々追加緩和に消極的な発言を繰り返していた黒田氏がまたもや市場を騙まし討ちにしました。

ただ、その内容は過剰流動性相場に繋がる国債購入額の増額ではなく、ETF増額などなので、マーケットを驚かそうとした割にはインパクトの乏しい内容でした。この内容のしょぼさゆえに、今はこれが限界と思われてしまったのは事実です。

これ以上大した内容が出せないと思わせた以上に、何度もマーケットを騙し打ちにしたため、先週の株安局面で何度か黒田氏は追加緩和をにおわせる発言をしましたが、マーケットは完全に無視しました。


肝心なときに誰も信じてくれない中央銀行総裁は適格ではないと、先月の突如の追加緩和を受けての記事で私は批判しましたが、実際マーケットは氏の発言を無視するようになったのです。

昨 年12月の追加緩和サプライズ前は、ずっと物価上昇率に影響を与える今年春の企業のベアを見たいと言っていたので、昨年12月の追加緩和で少なくともGW までの追加緩和はなくなりました。これから3ヶ月は新興国危機が起き易いにも関わらず手持ちのサプライズカードを使い果たしてしまったのです。

従って、今後日銀発のニュースの重要性はかなり低下します。

以上を整理すると、今週は各中央銀行とも重要なニュースはありませんが、米国FOMCの新メンバーのタカ派的な発言が出る場合は、楽観的なマーケットの見方が一気に修正される可能性が高いので要注意です。

<リスクオン/オフ>
2014年10月の米国の量的緩和終了前後から新興国はリスクオフに転じましたが、同時期に発表された日銀マネーと昨年3月に始まったECBの量的緩和に救われ先進国は今まではリスクオンが継続していました。
12月初旬のECBではマーケットが期待した国債買い入れ増額は決定されなかったので、昨年3月以降の日米欧のマネー供給ペースに変化はありません。
しかし、昨年12月16日に決定された米国の利上げで、いよいよ基軸通貨マネーの逆流が本格化します(なお、日銀の追加緩和は日本株ETF買いなので、世界のリスクオフ解決には無関係です)。

先進国のリスクオフ、特に米国株のリスクオンが終わる場合の可能性は上海株安を加えて4つありましたが、ギリシャ問題が片付いたので、地政学的リスク以外でマーケットが気にすべきリスクオフになるトリガーは3つに減っています。

リスクオフになるトリガー
●米の利上げによって過剰流動性相場が本格的に終了すること
●昨年1月のように新興国のリスクオフが深刻化しフラジャイル5など比較的大きな国の危機が勃発する
●中国経済懸念(上海株安/元切り下げ)をきっかけにした世界株安

この3点はいずれも密接に関係しており、特にFOMCで利上げ先送りの理由を海外発の物価下落による影響としたことで、全てが相互的に絡んでいますが、その根源は中国経済に尽きます。

つまり、
●新興国危機は中国経済減速に起因
●米国が9月から利上げを躊躇していたのは、世界的な商品市況安の見極めをしていたためなので結局は中国経済
です。

そのいずれかがおきても、玉突き的に他のリスクが現実化するので、結局は全てが起こる可能性が高いのです。
●新興国危機が起きる事態になると利上げは先送りになるだろうが、中国経済はもっと酷いことになっている
●米国が利上げをすると、新興国危機に拍車がかかり、中国からの資金引き上げも加速し、中国危機に繋がる
●中国経済がクラッシュすると、新興国だけでなく世界的な混乱に繋がる

こうして見ると、元をただすと中国経済要因が独立リスクかつ一番の問題だということになりますが、ここではそれぞれ別個に検討することにします。

まずは米発のマネー逆流懸念、引き締め懸念から来るリスクオフシナリオです。現在、世界のマーケットがリーマンショック以降の高値圏で維持出来ているのは、米国の利上げがない中で日欧の緩和マネーの恩恵があるからに過ぎません。

ジャンク債などのリスク資産は既にリーマンショック来の水準までになっているのに、多少調整したといっても依然として史上最高値圏に米国株が位置しているのは、過剰流動性マネーに支えられているだけです。
(S&P500とハイイールド債)
12SPハイイールド債18

昨年6月以降のマーケットのリスクオンとリスクオフの揺らぎを整理すると以下のようになります。

昨年6月中旬以降の世界のマーケットの調整感
●FRB:利上げ時期前倒し懸念台頭 → もともと9月以降の見方だったが、もしかしたら7月という見方も
●ECB:2016年以降も緩和は続くが、ボラティリティ容認(=債券買い入れピッチが緩む懸念)
●日銀:追加緩和打ち止め観測 → 毎回の会合で木内委員の緩和終了の動議が出される

昨年10月以降のリスクオン
●FRB:利上げは来年3月以降に先送りとマーケットが勝手に判断(10月発表の弱い雇用統計で)
●ECB:12月に追加緩和をする、あらゆる手段を検討しているとドラギECB総裁が発言
●日銀:去年もそうだったので10末の追加緩和があるとマーケットが勝手に判断

きっかけは弱い米国雇用統計を受けて、マーケットコンセンサスの利上げ時期が後連れしたことですが、日米欧の中央銀行の全てがマネーを緩める方向に動くという見方になってしまったために、マーケットは勝手な妄想的なリスクオンになったのです。
ほ ぼ同時期にFOMCのタルーロ理事とブレイナード理事が相次いで年内の利上げに反対する発言をしたこともその理由ですが、他の要人は引き続き年内利上げに 賛成する意見が主流でした。FOMCメンバーで最もハト派の二人がこの時期に発言をしたことで、結果的にマーケットをミスリードさせることになったので す。

10月の楽観相場において、中央銀行と市場との見方の違いは以下のようになっていました。
●FRBは再三、年内利上げと発言 ⇔ マーケットは来年3月以降
●日銀は追加緩和の必要ない→ ⇔ マーケットは10月緩和、そうでなかったら11月緩和
●欧州ECBは追加緩和決定(預金金利引下げの可能性大) ⇔ マーケットは最も効果がある債券購入増額期待

つまり、欧州ではベストシナリオの追加緩和を織り込み、日米は当局が否定しているのに緩和的行動を織り込んでいたことから、12月初旬のECBの追加緩和の内容が市場が期待する債券購入プログラムの増額ではなく預金金利引き下げに留まったのでショックを受けたのです。

10月以降のアヤが数ヶ月に亘り長大になったのは、リーマンショック以降のマネーの大量供給で、いまだかつてないくらいに中央銀行の影響力が大きくなっているのに、中央銀行の情報発信力が応え切れていないのと、市場参加者の咀嚼能力も十分でないためでしょう。

現 時点でも、来年の利上げペースの見方がFOMCより過度に楽観的ですし、来月利下げで見ている投資家も居るくらいなので、利上げが決定されて悪材料出尽く しにはなりません。今後数ヶ月程度時間をかけながら、来年末1.3~1.5%程度のFFレートの世界を織り込んでいくのです。

一方の ECBはドラギECB総裁の発言の信頼性に対する疑問符が付き始めてしまったので、ECB発のマネーは当面は増額無しという見方に落ち着くと思われます。 同様に、日銀は今回も騙まし討ち的なサプライズ緩和をしましたが、内容が意味のないレベルだったので、頑張ってもこの程度しか出せなかったと取られてしま いました。

つまり、日欧中央銀行の追加緩和は当面はお預けですし、株価対策的なリップサービスをしても信じてもらえなくなった可能性が高いのです。

リッ プサービスが通用しない場合、実際にアクションをするしかありませんが、ECBがドラギECB総裁以外の理事がこれ以上の緩和に否定的ですし、日銀は今回 の内容があまりにも出涸らし的なものだったので、追加緩和発表をしても大したものが出てこないと取られる可能性もあります。従って、日米欧中央銀行のマ ネーの方向性は完全に引き締めサイドに転じましたし、リップサービスで修正することも当面は困難になりました。

今の先進国の株価は依然として、昨年10月初旬の弱い雇用統計で米国利上げが今年3月以降にずれ込むという期待感で上がったままですので、中央銀行のアクションに対し過剰に楽観的な見方のままで市場価格が形成されているといっても良いでしょう。

従って、今後日米欧中央銀行の真意にマーケット見通しが近づくだけでも、(マネー引き締めとなる)リスクオフ的な動きになり易いと思われます。

特 に、FOMCの見方とマーケットの見方は著しく乖離が見られるので、今後次回利上げ時期や来年末のFFレート水準に対し、マーケットがきちんと読み込むよ うになれば、それだけでリスクオフに拍車は掛かるでしょう。これは3月と思われる次回利上げまで待つまでもなく、年明け後に投票権を持つFOMC新メン バーの発言などで徐々にマーケットの見方はFOMCの見方に近づいていくと思われますので、米国の利上げをトリガーとした中央銀行発のリスクオフが起きる リスクは徐々に高まっていくでしょう。

次に新興国発のリスクオフシナリオですが、年明けからの中国株安と元切り下げをきっかけに、新興国通貨も一気に売られ始めました。
(トルコリラ)
13TRY-USD19.png

あとは新興国からの資金流出が加速している統計が出ると新興国発の危機は再燃しますが、昨年12月までのデータではまだ加速している感じは受けません。


流出が続いていますが、昨年8月のような大幅な減り方にはなっていません。

これが加速すると外貨準備急減などの危機的兆候が顕著になって来るので、年明けからの元切り下げおよび中国株安が新興国の資金フローに影響を与えるのはもう少し先になる可能性もあります。

しかし、長く続いた資源安の影響で、2年前の新興国通貨危機時より新興国の財政状況は確実に悪化しているので、一旦問題が表面化したら危機は一気に訪れるでしょう。

つまり、新興国危機は直ぐ目の前に迫っていて、年明けから突如始まった中国株安のように、何をきっかけに始まるか判らないけど、始まったら止まらないくらいの状況になっているという事です。

米国の引き締めが新たなステージに入った今は、2年前の新興国通貨危機時に限りなく状況が似てきていますので、今来月は依然として危機がぼっ発し易いと思われます。

最後は中国経済懸念(中国株だけでなく元切り下げリスクも出てきたのでリスクを中国経済全体にします)です。この3ヶ月ほど、景気対策期待や株の買い支えもあって上海総合指数は落ち着いていましたが、年明けから急に壊れ始めました。
(上海総合)
16上海総合指数18

きっかけは元の基準値を切下げ始めたことですが、元の買い介入をしても株安に歯止めがかからなくなってきています。
(元ドル)
17USD CNY111

(上海総合5日)
18上海5日111

先週金曜から元の介入をして下落を食い止めていますが、上海総合指数は本日も大幅に下落して3000pt割れが迫っています。

元が下がれば他の新興国通貨も下がり易くなるので、新興国通貨危機が始まるでしょうし、上海株が下がれば経済実態の悪さが中国の状況を良く理解していない西側先進国にも伝わるので、先進国のセンチメントも悪化します。
そして、いずれでも資源安は加速し、原油安の要因になるので、中国株安と元安をトリガーとした世界的なリスクオフは既に始まった可能性が高いです。

昨年7月~8月の急落は過剰な信用買いが問題でしたが、10月以降の買い支えで信用はかなり整理されたようです。なので、今の売りは投機ではなく国内外のホルダーの投げです。

今 週は輸出統計が発表されます。輸出が悪ければ、元の更なる安値誘導観測が台頭することで、新興国危機が起きやすくなるでしょう。一方、輸出が悪くない場合 は元の安値見通しは一時的に後退するかもしれませんが、元が一定でも株の急落に歯止めがかからない以上、今来週のうちに3000ptはもちろんのこと、 2500ptを切る可能性も出てきています。

2500ptというと大幅安に思えるかもしれませんが、2014年11月はこの程度で、昨年 初も3000pt程度だったのです。2500ptはこの1年程度で買った全ての投資家が含み損になる水準なので、年金などの長期資金も全ての投資主体が売 却を迫られる水準です。なので、これを切ると、売りが更に加速する可能性が高いので、今回の暴落はは完全にバブル崩壊でしょう。

世界第2位のGDP国で、資源の馬鹿食い国家のバブルが崩壊する以上、これからがリーマンショックのような事態になるのです。つまり、資源はこれからまが下がるし、新興国通貨もまが下がるのです。

以上から、今週世界のマーケットがリスクオンかリスクオフになるかのポイントは、日米欧中央銀行の真意とマーケットの期待値とのギャップが解消されることに伴う失望から来るリスクオフへの流れと元安の進行と新興国危機の勃発の全てです。

これだけのリスクトリガーがスタンバイになった以上、中間反騰はあってもリスクオフに拍車がかかると考えています。


―日本株のポジティブ/ネガティブ整理-
グ ローバルのリスクで日本株が影響を受ける場合、米国発のマネー逆流懸念、新興国発のリスクオフが先進国に波及するリスク、地政学的リスクなどがあります。 一方でグローバルリスク以外での日本固有のリスクは、徐々に増えてきました。ずっと強気だった周囲の外人も、昨年6月以降は支持率低下や日銀の緩和終了懸 念を口にし始めました。これは一昨年11月以降で初めてのことです。

現時点で、日本国内外のリスクをまとめると以下のようになります。

1マネー逆流懸念再燃 → 日米欧ともに楽観サイドに振れていたのを修正過程
●FRB 利上げ!
●ECB 追加緩和不発
●日銀追加緩和観測 → サプライズ緩和だが逆効果で出尽くしという心象を与えた

2コモディティ安 → 8月安値を再度更新

3地政学的リスク
中国シャドーバンキング →今は問題なし
米中関係 → かなり注意
中国国内の政情不安
トルコ情勢
フランス同時多発テロ

4新興国危機 → 依然として注意
中国株下落リスク → 突如勃発!
元切り下げ → まだ続く可能性大
新興国デフォルトリスク かなり危険域に

5日本固有のリスク
●追加緩和期待消失
●支持率低下、政権混乱懸念 → 今は落ち着いている
●新3本の矢に対する失望

一方のポジティブ要因は以下のようになっています。

1:追加緩和期待 → 追加緩和したことで完全に消失

2:良好だった企業収益 →下期は下方修正
円高、中国懸念時はネガティブさが加速

3:積極的になりつつある株主還元

4:リップサービス的な対策
補正予算:追加報道無し
軽減税率:決定したがポジティブではない

と見ると判るように、ポジティブは消失したか、ピークアウトしているか、材料出尽くしなのです。株はモメンタムや方向感で動くので、このポジティブ材料の変化は明らかにネガティブです。

このため、需給以外は日本株を巡るポジティブ、ネガティブでは依然としてネガティブのほうが多いし、去年と同程度だが効果は更に不透明な補正予算では追加緩和期待消失のネガティブを相殺することは出来ないと考えています。

以上を踏まえて、今週の相場見通しですが、今週の変数も新興国などのリスク勃発があるかどうかにします。

リスクオン  17500~18600円(18200円)  1割以下
通常のリスクオフ 17100~18200円(17700円)   9割以上 → 5割
上海株暴落or地政学的リスク勃発時 16000~18200円(17000円)0 → 4割以上

今回から、従来は(参考)として記載していただけの上海暴落シナリオを変数に格上げしました。それは先週の記事でも書いたように、上海株の下げ方が尋常じゃない上に、実際上海株で世界のマーケットが一喜一憂していたためです。

一方のリスクオンは先週前半時点ではゼロと考えていましたが、今週は多少は中間反騰程度ならある可能性を見ています。同様に、通常のリスクオフシナリオでも週末は前週比でプラスかフラット程度だろうと見ています。

通常のリスクオフと上海暴落時の違いは以下のように考えてください。
●通常のリスクオフ:3000ポイントで強硬な買い支えが出るので、一旦底打ちを確認できる。もしくは、さすがに下げピッチが速いということで下げ幅が徐々に緩くなる。
●暴落シナリオ:今週末に2500ポイントに行くようなスピードで下げ続ける。当局の対策も効果がなく全く止まる気配がない。

なぜ、リスクオフを2つに分けたのかを次に説明します。

これは昨日の記事や、この記事の冒頭でも書いたように、下げペースが早すぎる為です。

中 央銀行の項目で見たように、マーケットは3月利上げをほとんど予想していませんし、今年末のFFレート見通しも低下しています。本来FOMCメンバーの見 方に収れんしてしかるべきですが、マーケットが下がっているので中央銀行がなんとかしてくれるだろうという楽観がこれだけ強いと、今週に関しては「マネー 逆流リスク低減」を好感した買いが入り易いです。

また、本日のマーケットを見ると判るように、中国株が下がってもドル円が反応しなくなり、欧米市場も反応していません。もちろん、これは一時的で、再度リスクオフに向かうのは不可避ですが、「中国がただ下がっているだけ」では売り飽きる水準になっているのです。

リスクを認識するととことん売る欧米人ですが、先週はとことん売られましたが、当のリスクはまだ顕在化していません。彼らにとって中国株下落だけでは新興国の危機が加速するとかまで連想できないのです。

中国株下落、元安の加速で怖がったのが第一弾の下げとすると、第二弾の下げが出るには、中国株安をトリガーにした新興国危機の顕在化や、原油暴落で30ドル割れといった「彼らが身近な事象へリスクオフが波及する」ことが不可欠になります。

従来新興国の危機のデータは1月3週以降に出てくると見ていましたが、先月までの投信データを見る限り資金流出の加速を確認できません。

このため、今週に関しては中国株安と元安以上の売り材料がないのです。

これが通常のリスクオフの世界観です。

一方、中国株がそうはいっても本日と同じような水準で下げ続けたら、距離的に離れていて中国への理解が薄い西側先進国も再度恐怖に駆られるでしょう。

昨年8月は、3000pt割れで猛烈な買い支えが出たので、今回も3000ptを当局は意識するでしょうし、本日の欧米マーケットおよびドル円が落ち着いているのも、3000ptは割れないと踏んでいるからです。

3000ptを多少割っても直ぐにリスクオフにはならないでしょうが、同じペースで下げ続け昨年8月の安値をあっさりと切ると、マーケットは「リスクオフが新たなステージである第二弾に入った」と認識すると思います。

従って、今がリスクオフなのはほぼ確実ですが、中国株がこのまま暴落を続けない限り、今週はちょっとした中間反騰をし易いのです。

もちろん、その持続性は長くないです。せいぜい1週間から2週間なので完全なアヤです。

ただ、今週はその「アヤ」がテクニカル的にも発生し易いと思われます。

これを受けての今週の戦略は以下のようになります。

●ミニSQ前に下げたときは、利の乗っているモノはほぼ全て利益確定
●マーケットがレンジ上限近辺に来た場合は、2月限プットをすかさず購入、場合によっては3月限先物のショートも
●中国株が昨年8月安値もあっさり抜ける場合は、危機シナリオ確実なので、利益確定ペースを遅らせる

本来、13日発表の中国貿易統計は悪いはずなので、その前でショートを積むということをしたいのですが、中国は統計操作をしてくるので、普通の戦略を取るのは危険です。

そして、それゆえに今週過度に弱気な見通しを取るのが危険なのです。なにしろ、当局が絶対死守と考えている3000pt割れが目前なのです。

常識が通用しない相手が現在の下げのトリガーなので、相手が嫌がるポイント近くでは(売り方にとって)慎重な見方にするのはある意味当然だと思います。

1カ月タームではリスクオフに拍車がかかっていますが、過度に売られた週の翌週はアヤになり易いということは認識してください。

(終わり)


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こんにちは。元ヘッジファンドマネージャーの「相場師E氏」です。

先週 は景気良く下げました。大発会からの5日連続安なんて90年以来の事です。当時は89年の史上最高値に至る過程が狂っていましたが、今回はそこまで過剰な 上げはやっていません。しかし、起きているリスクに反して上げていたという点では、行きすぎていたので、下げるべくしての下げ相場でしょう。

新興国の資金流出データなどが出てくるのは3週目以降と思われるので、上海も当局の買い支えもあるので来週は一旦上げるかなと場中は思っていました。しかし、引け後先物手口を見たり、昨晩の米国株を見ると、来週は中国が落ち着いていてもまだまだ厳しいかなと思っています。

毎週の相場見通しで書いている世界のリスクオフに繋がる3つのリスクのうち、中国が今週最初にやってきて、来週は米国利上げを恐れる週になりそうです。そして、翌週は新興国危機がやってくるので、3つのリスクが3週目には全て揃い踏みします。
そこで下げるか、それともそれまでに下げるので、材料出尽くしで反発するか判りませんが、先月から書いているように「今年1月~2月は下げ易い」と思います。

まずは海外の動向から見ます。米国の雇用統計は非常に強かったです。
米雇用者:12月は29万人増、失業率5%で安定-平均時給横ばい
(非農業部門雇用者数)
1dec jobs19

失 業率は予想通りでしたが、非農業部門雇用者数がコンセンサスを大幅に超過しました。水曜に発表されたADP雇用統計も上ブレだったのでそれなりに好調だと は思っていましたが、せいぜい25万程度かなと考えていました。そうしたら30万近い増え方だったので、これは文句なしのサプライズです。

しかも、前月非農業部門雇用者数も大幅に上方修正されているので、労働環境は過熱に近い状況に入っていると思われます。
(ADPと雇用統計)
2経済指標18

これに対してのマーケットの見方は、「利上げはFOMCが見通しているように4回するかもな」に変わっていくと思います。

米雇用統計:識者はこうみる 12:55am JST』

●経済の底堅さ鮮明、3月利上げ見送りか
<フェデレーテッド・インベスターズの首席株式ストラテジスト、フィル・オーランド氏>
非常に満足している。内訳にも弱さは見当たらない。中国不安にも関わらず、米経済がなお堅調なことは市場にとり強材料だ。
3月の利上げが焦点となるが、米連邦準備理事会(FRB)は、中国を起点とするボラティリティー増大を理由に利上げを見送った昨年9月と同様の判断を下す可能性がある。
今 週発表されたISMサービス指標や自動車販売、新規失業保険申請件数やADP全米雇用報告を含む雇用指標はいずれも好調だった。中国をめぐる懸念で国際金 融市場が動揺する中でも、米経済は比較的底堅さを維持しているとあらためて認識させられる。雇用統計はこれを裏付ける内容だ。
●3月含む年内4度の利上げ後押し
<オッペンハイマーファンズの最高投資責任者(CIO)、クリシュナ・メマニ氏>
米連邦準備理事会(FRB)による3月の利上げを確実に後押しする内容だ。年内4度の利上げを思いとどまらせるものは何もない。
少なくとも雇用面で失速の兆しはない。中国、および世界経済の減速懸念を和らげるが、現実は違う。中国株市場のパフォーマンスが世界経済の動向を反映しているわけではない。中国株のボラティリティーにもかかわらず、世界経済の成長は比較的安定している。
●中国だけ注視すべきでないと再認識
<エドワード・ジョーンズの投資ストラテジスト、ケイト・ワーン氏>
12月分が力強いだけでなく、過去分の上方修正もあり、非常に素晴らしい内容だ。米経済が引き続き堅調を維持していることをあらためて示した。成長見通しを大きく変えるものではないが、最近出ていた景気減速の兆しをめぐる懸念を和らげる。
中国はリスクであり、ボラティリティーを増加させる要因だが、世界には中国だけでなく、それ以外にも目を向けるべきものがあるということを投資家に再認識させるだろう。

3 名のコメンテーターが書いていますが、なぜか少数意見の4月以降の利上げ派が一番最初に出ているので注意してください。この意見は少数派です。その理由 は、文章を読めば分かりますが、彼自身論理的に説明出来ていません。米経済が非常に強いのを認めながら、中国が不透明なので3月利上げはないと言っている からです。

この意見が少数派なのを示すように、先週このような記事が出ています。これが私の周囲の外人連中も含めたマーケットの見方に近いと思います(しかし、依然として4月以降の利上げを見ているのは、頭では早そうだけどまだ信じたくないという気持からでしょう)。
米金融当局:中国混乱の影響、見極めに時間的余裕-昨年夏に比べ

次回利上げの時期を探る米金融当局にとって、中国発の混乱が再び世界中の市場に広がる中でも、昨年8、9両月の場合よりは影響見極めのための時間的な余裕があるといえそうだ。
中 国人民銀行(中央銀行)が昨年8月、人民元の事実上の切り下げに踏み切ったことで世界中に衝撃が波及。翌9月にその当時予想されていた米利上げ開始は結 局、12月にずれ込んだ。その人民銀は7日、人民元中心レートの8月以来の大幅引き下げに動き、株式市場は動揺。同国経済の強さに新たな懐疑的見方が台頭 した。
だが、投資家が次回の米利上げ時期と予想する3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までには2カ月余りあり、米金融当局はその間に中 国発の最新の金融混 乱の影響を分析・評価できる。次のFOMCまでには、市場のボラティリティ(変動性)が低下し、米経済の力強さがアジアを震源とする不確実性に勝るかもし れない。
他方で、中国による人民元中心レート引き下げが同国の成長減速のシグナルの一つと判断されれば、ドル相場が押し上げられて商品相場は 下落し、米国のインフ レ抑制傾向が強まることになりかねない。そうした状況では、FOMC参加者の予想中央値で今年4回と見込まれる利上げを正当化することが難しくなるだろ う。

実際、今日か相場見通しの記事か判りませんが、中国が多少悪くても国内事情で利上げしますよと今週ラッカー総裁が発言しているので、このコメンテーターはfrbウォッチャーだとしたら自分の見通しを正当化するために意図的にその発言を無視したのでしょう。

毎週の相場見通しで書いているよに、現在、マーケット参加者の過半が4月以降の利上げと利上げ回数は2~3回で見通しています。これに対しFOMCメンバーは年4回なので年末時点でさえ乖離があったのですが、今週の相場下落でその見方が更に乖離してしまっています。

しかし、昨晩の雇用統計がかなり強めだったので、FF金利先物による利回り予想がちょっと上がったのです。なので、今回の雇用統計は、3月利上げの見方が引きあがるだけのインパクトがあったと思います。これは来週以降徐々に織り込んでいくでしょう。

なぜなら、昨晩の米国株は下げたとはいえ、まだそれを本格的に織り込んではいないからです。
米国株(8日):3日続落、週間ベースでは2011年以来の大幅安

8日の米国株式相場は続落。取引終盤に売りが強まり、主要株価指数は週間ベースで約4年ぶりの大幅安となった。中国が市場安定化に取り組んだほか、米雇用統計では労働市場の回復が示されたものの、市場に安心感は広がらなかった。
終 盤の下げが目立ったのは銀行株で、JPモルガン・チェースやシティグループが大きく下落。S&P500種株価指数のエネルギー株は1.3%安と、5年ぶ り安値。週間では同株価指数の業種別10指数中、7指数が5.5%以上値下がりした。S&P500種は年明け5日間のパフォーマンスとしては1928年ま でさかのぼれるデータ史上最悪となった。
S&P500種株価指数は前日比1.1%安い1922.03。週間では6%下落。ダウ工業株30種平 均は前日比167.65ドル(1%)下落の 16346.45ドル。週間では1000ドル超値下がりし、過去最悪の滑り出しとなった。ナスダック総合指数は前日比1%値下がりし、2011年以来最長 の7営業日続落。
アドバイザーズ・アセット・マネジメント(ペンシルベニア州コンショホッケン)のファンドマネジャー、ジーン・ペロニ氏は 「けん引役が存在せず、日中を通 して何度か上値をトライしても上昇を維持できなかったため、週末前に不安になった」と指摘。「市場はここのところニュースにかなり敏感に反応してきたた め、様子見姿勢で、この週末にどうなるか見極める動きだ。荒っぽい1週間だった」と述べた。

下げましたが、雇用統計で下げたのではないです。
(米国株)
3米国株19

日中チャートを見ると判るように、実は雇用統計直後は上げているのです。つまり、「雇用統計が強いと次回利上げが早まる可能性が高いからマネー逆流でリスクオフになる」というところまで連想できていません。
では、なぜ下げたかというと、卸売在庫が予想より減少したという「普通のマーケットでは絶対反応しないようなデータ」で反応していますし、引けの下げは不明です。

下げのセクターが(本来利上げを嫌う)金融なので、雇用統計直後は上げたものの、米国債や為替が利上げ早期シナリオに傾いたので、なんだか怖くなって売りに転じたという程度なのです。

しかも、上海のサーキットブレーカー撤廃で上げたマーケットを好感して先物が高い水準でスタートしているので、金曜の米国株は十分に下げ切ったとは言えません。なので、次回利上げ早期前倒しを恐れるマーケットは来週以降になると思います。
(米国株週間)
4米国株週間19

こ れを見ると判るように、今週の米国株は基本は中国で下げていました。そして、米国内要因で下げたのは木曜以降ですが、今も書いたように、雇用統計で利上げ 前倒しになりそうなのに、それを織り込んで下げたとは言えない以上、米国要因での下げは残っています。これが来週以降に出てくると思います。

今 週のセクターパフォーマンスを見ると、ようやくホームビルダー(建設住宅関連)や金融(調達して運用する利ザヤ収入が、調達金利上昇で利ザヤ現象に繋が る。また、サブプライムのようなリスク資産が不良債権化するリスクも高まる)がようやく下げ上位になってきましたが、まだ昨年来では高いパフォーマンスで す。
(セクター)
5セクター19

また、今週最も好パフォーマンスだった高配当セクターである公益(日本の電ガスのような位置づけ)は、利上げが本格化すると思われると値下がり上位にきます。なので、物色を見ても、米国株は全くと言っていいほど利上げを織り込んでいないです。

一方の為替市場は、このところドルが弱含んでいましたが雇用統計を受けて上昇しました。
NY外為(8日):ドル上昇、雇用の伸びが当局の利上げ計画を支持

ということは、強い雇用統計が利上げペースを早くしてくれると為替市場では考えているのです。
(NY為替)
6NY為替19

同様に、FF金利先物も金利上昇したので、米国株以外は、次回利上げ見通しは従来の楽観的な見方から徐々にFOMCの見方に収れんし始めたところです。

12月FOMC後の各アセットの動きを見るとこんな感じになります。
(FOMC後の各アセット)
7FOMC後の各アセット18

株が下がり、債券(利上げの影響を受けにくい長期債)は安全資産需要で堅調、ゴールドが上昇、原油は下がり続けるという状況は、利上げ決定でリスクオフになったという言葉以外で説明することは不可能でしょう。

とすると、株が何度か上げているときは全てアヤになります。アヤはこれからも発生するでしょうが、比較的長い目で見ると、マーケットは利上げを確実に嫌っているということを理解してください。

これがベースラインなのです。先月FOMC以降何も変わっていませんし、昨晩の雇用統計でその基調は更に強まりますので、ベースラインは当分このままです。

お次は日本株ですが、その前に中国を見ておきます。
中国株:反発、政府系資金投入か-サーキットブレーカー停止を好感 (17:33』

8日の中国株式相場は反発。相場の振れ幅は大きかった。導入したばかりのサーキットブレーカー制度を当局が停止し、中国人民銀行(中央銀行)が人民元の中心レートを引き上げたことが好感された。関係者によると、政府系資金が株式市場に投じられた。
上 海総合指数は前日比2%高で終了。一時2.2%下落する場面もあった。人民銀は9営業日ぶりに元の中心レートを元高方向に設定した。事情に詳しい複数の 関係者によれば、中国当局は8日、政府系資金で金融株や代表的指数でのウエートが大きな銘柄を買い入れた。CSI300指数も2%上昇した。
上海兵聖資産管理の李静遠ゼネラルマネジャーは「サーキットブレーカー制度の停止が市場安定化に寄与するだろうが、特に個人投資家の間でパニック的な心理は続く」と指摘。「恐らく『国家チーム』が相場安定を図って大規模な株式購入を継続するだろう」と予想した。

断 言しますが、サーキットブレーカー停止を好感して上げるなんてことはありません。なにしろ、金曜は、中国内のヘッジファンドや運用機関が顧客からの解約請 求で大量の売りを出したからです。一定以上のロスが出ると自動的に解約になる契約のファンドが中国には結構あるようで、これらの売りが金曜出るという恐怖 もあって木曜はたった30分で取引停止になってしまったのです。

なので、買い支えがあったと考えるのが自然です。

実際、今週最大の売りが寄りで出ていますが、見事に吸収しています。
(上海5日)
8上海5日19

木曜は支えきれずに取引停止になりましたが、金曜はそれ以上の売りなのに、マーケットの変動が抑えられているのが判るでしょう。なので、投げ売りに向かう買い玉が大量に用意されたのです。

昨 年6月以降、当局など国策チームは50兆円程度買い支えしたとか噂が出ています(昨年9月時点で買い支えは27兆円だったのでおおむね妥当でしょう)。中 国の国家予算を考えるとクレイジーですが、これで中国の個人投資家の心理が改善されることはないでしょうし、下げ止まったとは言い切れないです。

理由は、元安が止まらないからです。
(元ドルチャート)
9USD CNY19

中国、ようやく人民元の中心レート引き下げ停止-市場の動揺和らぐ

上の記事では、元の中心レート引き下げを停止と書いていますが、実際は上のチャートを見ると判るように、中国株開始時間直後にドカンと介入しています。5日は介入の効果は数時間はありましたが、今回はあっという間に終わり、結局、引け後は安値更新しています。
なので、当局がレートを意図的にどうこうしているのではなく、元を売りたい人が大勢いるので下がる一方というのが実態です。まるで、当局の意図で元安に誘導しているかのような報道が多いので注意してください。

昨年8月は確かにそうでしたが、今はせっかく介入しても安値更新しているではないですか?

当局が介入した数時間後にレートを引き下げるなんて思えますか?違います。当局の介入が終わると、徐々に切り下がってしまうのです。

こ れは株式の買い支えも同様です。数日は効果があるかもしれませんが、一旦7%安のダブルパンチの恐怖を食らった以上、ホルダーの心理には「早く売らないと また取引停止になるかもしれない」という恐怖が埋め込まれています。なにしろ、中国はルールを直ぐに変えるのです。一貫性のない行動は市場に不信感を生 み、それはパニックの潜在的な要因になるので、中国株が下げ止まったと判断するのは早計です。

もしかしたら来週は落ち着くかもしれないけど、なんかのきっかけにまた下げると見ていた方が妥当です。

こんな感じで不当に操作された買いで落ち着いた中国株に騙されて、日本株は下げたとは言え堅調でした。
日本株5日続落、TOPIXの新年連続安は26年ぶり-内需、資源売 り 』

木曜のCMEは下げていたのに、金曜の日本株は直ぐに上げ始めました。
(CME)
CME19.png

中国株高や元安是正と思うでしょうが違います。
(日経平均と上海総合)
上海4日19

上海株が開く前に上げ始めています。これはドル円も同様で、元のレートが一瞬跳ねる前から円高の流れが変わっています。
(ドル円)
米ドル-円 19

その後の日経平均は上値が重く、結局下げてしまったし、ドル円も雇用統計を受けて再度円高になってしまいました。

とすると、昨日10時前の先物主導でプラス圏まで買った阿呆や円売りをした連中は個人投資家でしょう。

実際、昨日はレバレッジETFと見られる野村の買いが突出しています。
(先物手口)
ft18.png

おそらく、突っ込み買いの好機と思ったのでしょうね。

何を根拠にそう思ったのか知りませんが、これはショートカバーではありません。明らかにロングです。

確 か8月9月でも17500円程度で国内勢が突っ込み買いをしていたので、そのときの感覚が残っているのかもしれません。しかし、個人個人が勝手に決めたタ イミングや値段なんて、リスクファクターは見ていませんよ。FOMCのメンバーや中国当局が日経平均のテクニカルポイントを見て発言していると思います か?自意識過剰にもほどがあると言いたいです。

こういうときは、値ごろ感ではなく、市場と当局の認識ギャップの程度とそれがいつどのようなスピードで是正されるかされないのか、そして、当局の連中の次の行動を読むのが大切なのです。

ということなので、昨日プラス圏まで買いあがった連中は、今朝CMEの清算値が17280円なのを見てびびっているでしょうから、来週は安く始まるでしょう。

もしかしたら、来週も突っ込み買いをするかもしれませんが、そうなったら我々売り方にとってはまたとない好機です。

完全に2年前の再現になるので、がんがん買うと、中旬以降の新興国リスクの勃発時にぶん投げてくるでしょう。

なので、来週は2月限をどのタイミングで作るかがポイントになります。

来週は4営業日しかないのでなかなか難しいですが、理想は火曜は17000円程度まで下げて1月限をほとんど利益確定した後で、水曜と木曜で個人投資家が頑張って18000円台まで持って行ってくれると、2月限のショートを作り易いのですが。。。

素晴らしいアヤを作ってくれることを祈りましょう。日本人としてはどの個人投資家にも頑張ってほしいと言いたいところですが、世界がこれだけクリアなリスクオフになっているのに馬鹿の一つ覚えで突っ込み買いをする阿呆は、それ相応の授業料を払うべきです。

過去8年に亘る過剰流動性相場でリスク感覚がマヒしているようですが、世の中はそんなに甘くないです。今月手痛いやけどを負って慎重になると、米国の利上げが2回以上なされたあとにやってくる真の悲劇のときは儲けられるかもしれませんし。。。

(終わり)




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こんにちは。元ヘッジファンドマネージャーの「相場師E氏」です。

連日の下げで、みなさんはさぞウハウハでしょう。私も去年10~11月の雪辱を果たしておつりが十分くらい勝ったし、正月早々見通し通りになって実に気分が良いです。

さて、昨日一昨日の記事で、下げのペースが早すぎるのでこまめに利益確定して急反発に備えよと書いたのを覚えていると思います。実際、私は昨晩のナイトセッションで記事通りに一部利益確定をし、本日の引け間際に185プットと先物全て利益確定しました。

今180プット、175、170は丸々残しています。

しかし、本日は、このシナリオはちょっと違うかもよという事です。週末の相場見通しで以下のような見通しを立てました。

リスクオン  18800~19300円(19100円)  1割以下
リスクオフ 17800~19000円(18500円)   9割以上

(参考)上海株暴落時(2500ポイント以下)or地政学的リスク勃発時 16000~19000円(17500円)

この「リスクオフ」シナリオにしては下げ幅が大きいので、レンジ下限では利益確定という意味で昨日一昨日記事を書きました。

しかし、本日上海総合でサーキットブレーカーが再び発動され、たった30分の取引しかしないまま終わってしまったを見て、「もしかして、今のマーケットは一番下の(参考)ではないか」と思い始めています。
中国株、開始29分で取引停止-元の中心レート引き下げで混乱深まる
(上海5日)
1上海17

つまり、上海株暴落シナリオです。

こ こでは2500pt以下となっていて、今の水準は下げたと言っても3100ではないかと思うかもしれませんが、この見通し作成時にはサーキットブレーカー はなかったのです。5%で中断、7%で終了なんてふざけたルールを作らなかったら、おそらく2500ポイント以下になっていたと思います。今の中国株はそ のくらい異常な状況です。

ということで、残りのショートはゆっくり利益確定するようにしましょう。

しかし、新規ショート乗せはこの見通しでも厳禁です。

なぜならば、我々売り方の敵である中国共産党が何をしてくるか判らないからです。突如、マーケットを春節明けまでクローズするかもしれませんし、預金金利をゼロにしてしまうかもしれません。あいつらは市場経済のルールを全て無視する存在なので、私も予測不可能です。

何百回も書いているように、ベースラインは中国バブルは完全崩壊して、(本来なら今くらいの時期に)2500pt、そして数年以内には1200ポイントまで上海指数は下がり中国という国は共産党の崩壊に伴い消えると言ってきましたが、これは代わりません。
しかし、1カ月程度では連中は何をしでかすか読めないのです。1カ月なんて誤差の範囲だなんて言わないでください。1カ月もアヤが続くと、日経平均は1500円以上持ちあげられるかもしれませんよ。

ということなので、上のシナリオの確率をそれぞれ以下のようにします。

リスクオン 1割以下 → ゼロ
リスクオフ 9割以上 → 6割
緊急事態シナリオ(参考)0 → 4割

今週の相場を見て、みなさんは私の相場レンジが適当に作られているのではなく、かなり精緻に予測されていると判ってもらえたと思います。(参考)なんて絶対にあり得ないなんて思っていた方も多いでしょうが、いざ起きるとぴったりトレースしているではないですか。
この見通しは、過去似たような事象が起きたときにどの程度のマグニチュードがあったか、今回の違いは何か、需給や突発ファクターの起きる可能性などを検証してた上で作っているのです(これは秘中の秘なので教えられません)。

上海株にサーキットブレーカー加えられたので、明日一日で16000円というのは無理でしょうが、17000円はあり得ます。

何しろ、明日は中国貿易統計が出るのです。ここで、輸出がまた2ケタ落ちていたら、元は更に切り下がるでしょう。
(元年初来)
2USD CNY17

(元ドル8月来)
3USD CNY17

そうなったら、元切り下げで世界の新興国の通貨価値も一緒に下がった昨年8月の世界的なリスクオフの再現になるでしょうから、明日の日経平均は17000円程度まで下がります。

一方、輸入も2ケタの落ち込みになっていたら、CRB指数や資源価格は更に下落します。こうなったら、2年前の新興国通貨危機の再現になるでしょうから、明日の日経平均は原油の大幅下落や新興国通貨の暴落報道を受けて17000円程度まで下がります。

ということなので、どちらにしても明日は17000円程度になり易いです。輸出も輸入も悪かったら、世界中にリスクオフを捲き散らかすのです。

これは毎週の相場見通しのリスクオンオフの項目で書いているように、3つのリスクトリガーとも元をただせば中国経済に起因すると言っている通りの展開になっているのです。

と いうのが自然に予測できる中国の姿ですが、敵は経済指標すら操作するいんちき集団です。相手方のある貿易統計なのでそんなにひどい操作は難しいですが、数 年前香港を相手先にした操作で半年以上輸出を底上げしていた時期がありました(5%ポイント以上ずれていたはず)。しかも、株が強いときにほとぼりが冷め てからしれっと公表して、ばれないように訴求して直してしまったのです。
なので、もしかしたら貿易統計も、発電量のように2ケタ増なんてことにならないとも限りません。

因みに、昨晩出た原油統計は在庫減少していましたが、ガソリン在庫が未曾有の水準に跳ね上がっていたので、米国株も原油も下げてしまいました。
(API統計)
4API17.png

(ガソリン在庫伸び)
ガソリン17

(原油昨晩)
原油1日17

(原油市況足元)
原油RT17

このところ米国株は、中国株と原油を見ているので、今晩は下げると思います。

そして、昨日の記事で書いたように、日本株をバカみたいに買っていた連中も18000円割れたので怖くなって方針転換始めました。
(先物手口)
ft17.png

野村の野郎、今頃になって売り始めてます。これで10月11月のアヤで稼いだ益は全て吹き飛んで倍返しの損を食らったでしょう。しかし、まだ野村は6万枚近くもロングがあります。

先物の出来高があまり増えていないのと、外資のショート筋もまだショートを乗せているので、野村の6万枚を掃くのは大変だと思います。相当、値幅を出すでしょうね。

勿 論、ここでも突っ込み買いをするかもしれませんが、彼らの味方は中国共産党と黒田くらいですから頼りないです。マーケットが怯えきっていないときなら脅し が効きますが、取引30分で停止なんてもはやパニックですよ。もしサーキットブレーカー入れてなければ、2500ポイントは余裕で下回っていたと思いま す。

ただ、冒頭で書いたように、我々ショート筋は1ヶ月もアヤを作られるとたまったものではないので、中国がまた何かしてくるかもというリスクは常に考慮すべきです。

なので、今晩は何もせずに、明日の中国貿易統計前の安いところでちょいカバーするのがベターかと思います。

なお、私の180プットは17300円以下になるまで利益確定しないですし、175プットは17000円以下まで何もしません。


(終わり)


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このブログは、デイリーの相場見通し記事を一定期間経過後に(発行日と同じ日付で)アップしたものです。

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こんにちは。元ヘッジファンドマネージャーの「相場師E氏」です。

昨年末の妙に堅調だったマーケットはいったいなんだったのかという位に気持ち良く下げてくれます。

昨晩の米国株はフラットだったので、本日は日本株独歩の下げでした。昨年からずっと日本株は他の先進国より独歩で下げやすくなると書き続けていた通りに弱くなってきました。

しかし、これは序の口です。

個人が無理にやった反動はこれから出てくるので、しばし下げで楽しめます。

まずは、昨晩の米国株ですが、方向性はありませんでした。
米国株:ほぼ変わらず、中国株反発も原油安や自動車販売の不振が重し

中国株が戻したので安心したけど、買い難いから上がらないと言ったところです。しかし、夜間の先物も含めた24時間の動きを見ると、不安感が高まっているのが見てとれるでしょう。
(米国株24時間)
1米国株24時間16

引 けこそフラットですが、途中のぶれが大きいのです。これは不安が高まっていることの証左なので、指数的に値幅が出て下げる前兆です。必ずしも下げるときの 前兆ではなくて上げる前兆でもあるのですが、今の地合いやリスクトリガーの多さを考えると、上か下かなら下で値幅が出るという意味です。

中国株が当局の買い支えで落ち着いていたことを好感と書いていますが、原油安に歯止めがかかっていないので上げるのは無理です。
(原油)
2原油16

なお、今米国株を買ったり買おうとしている普通の米国人は、中国が本当にやばいなんて知りませんし、中国株は買い支えで持っているだけで、買い支えを止めたらあっという間に数割も下がるだろうなんて知りません。中国株が持ち直した、額面通りに捉えて安心しているのです。

そう考えると、米国株の強さは非常に儚いです。

原油は日本時間になってから更に下落しているので、今晩発表のEIA統計とAPI統計でよほど在庫減少していない限り、今晩の米国株は下げるでしょう。

とまあこんな感じの海外でしたが、昨年12月までの日本株なら上げたかもしれません。なにしろ、最終週のファンダメンタルズ無視っぷりはすさまじかったですから。

ただ、今週に入ってからは、明らかに基調が変わり、日本株は独歩で下げるようになりました。
(CME)
3CME16.png

注目すべきは、昨日も今日もCMEより弱い事です。

というと、日本人が売っていると思うでしょうが、外人が場中に売っているのです。
(先物手口)
4ft16.png

以前も書きましたが、CMEマーケットは取引が少ないので、ヘッジファンドなどは大部分は日本時間で取引します。同様に、ADRをやる機関投資家なんてほとんどおらず、大概は日本時間で現物を売買をします。

なので、今は大口の機関投資家やヘッジファンド、CTAなどがせっせと売っているという事です。主力も弱いもしかしたら、機関投資家も売っている可能性がありますが、基本は外人でしょう。
(外人投資家)
5外人投資家16

(NT倍率)
6nt.png

投資主体別売買動向の外人投資家動向とNT倍率はこのようにリンクしています。NT倍率が上昇するときは、外人投資家の売り越しが止まっていましたし、外人投資家のショートカバーが一服した11月下旬以降は徐々にNT倍率は低下しています。

投資主体別売買動向は12月25日までしか反映されていませんが、年末から年明けにかけて更にNT倍率が急低下しているし、実際同期間で先物手口で猛烈な外人の売りになっているので、おそらく現物も外人は売っていると思います。
毎週の相場見通しで書いているように、連中は突っ込み買いなんてことは絶対にしません。リスクオフになったらどこまでも売り浴びせます。

因みに、昨年8月から9月のリスクオフ時は、外資合計で12万枚以上の先物ショートになりましたが、今は10万枚なのでまだ売り乗せ余力はあります。。。

先物手口を見ると、本日は1万枚も売って、かるショート筋が売り乗せしているのが判るでしょう。一方で、国内勢が必死に買っているのが痛々しい。気の毒というより、空気を読めていないので痛いという意味で痛々しいです。

なんで、これだけ不安材料が出てきたのに買うかねえという感じです。
TOPIXは2カ月半ぶり1500割れ、円高を警戒-輸出や中国関連安い

6 日の東京株式相場は3日続落し、TOPIXは終値ベースで10月20日以来の1500ポイント割れとなった。中国人民銀行による人民元中心レート の引き下げや、北朝鮮の核実験実施で地政学リスクが意識され、投資家心理が冷え込んだ。円高が進み、輸送用機器や機械、電機といった輸出関連が下落。鉄 鋼、海運といった中国関連株も安い。
TOPIXの終値は前日比15.87ポイント(1.1%)安の1488.84、日経平均株価は182円68銭(1%)安の1万8191円32銭。
み ずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は「中国の人民元の安値誘導姿勢が鮮明になった。昨年8月に調整を終えたと言っていたのは、いったい何だったのか。 中国から資金が逃げているのではという懸念と、それほど実体経済は弱っているということが短期的には懸念される」と指摘する。北朝鮮の水爆実験は「なぜこ の時期にかという意外感がある。中東情勢もあり、地政学リスクを意識した中で円は買われやすい状態になる」と言う。

因みに、本日北朝鮮が水爆自慢をしましたが、これはマーケットには反映されていません。

本日の下げは、円が急伸したからです。
(ドル円)
7米ドル-円16

日本株が売られたのは10時過ぎなので、ドル円に反応しての下げということが判ります。

では、円はなぜ急伸したのかは、水爆自慢ではないです。水爆?は10時15分にやられたようですが、報道が入ったのは11時過ぎです。となると、考えられるのは中国しかありません。

中国株はさきほど書いたように、当局の不当な買い支えで上げましたので、残るは元です。
(上海総合)
上海16

(元)
8USD CNY16

昨日介入しましたが、今日あっさりと安値更新しています。

株は介入効果が出ているようですが、元は完全にダメですね。

こうなるとかなりの確率で、かねてから私が指摘している昨年8月の中国元安が新興国安に波及しての、世界的なリスクオフ相場の再来になるでしょう。

とここで、先ほどの北朝鮮ですが、本当にこれは相場に反映しなくて良いのでしょうか?

ドル円も北朝鮮関連でほとんど動いていません。
円全面高、人民元安誘導観測-北朝鮮の水爆実験発表は想定通りとの声

実 は、こういうネタはドスンという感じに反映されるのではなく、センチメントの悪化という形でボディーブローのように効いてきます。たとえば、本来1%上げ るときに、なんとなく買う気が起きないなあということで0.7%しか上げなかったり、グローバルがプチリスクオンになっても、なんか気持ち悪くて株買う気 になれないんだよねということで、日本株だけがディスカウントされたりするようになります。

特に、これは日本人にとって心理的に気持ち悪いニュースなので、日本人投資家のセンチメントを悪化させるきっかけになったと思います。

本日の先物手口を見るとまだ国内勢が大量買いしていますが、今CMEが18000円切っていますよね。これでNYがかなり下げて、CMEが17700円くらいで返ってきたら、明日の日本株はNY以上に下げ、その下げの主体は国内勢になると思います。
突っ込み買いする気が徐々に無くなる、これが北朝鮮効果です。

では、ショートポジションをどうするかですが、18000円以下になった今晩から明日のマーケットで、先物は一旦利益確定した方が良いと思います。

185以上のプットも同様に今晩から明日で全て利益確定してください。

こ れで、昨年10~11月の酷い目にあった相場の倍返しにはなったでしょう。ECBの追加緩和失望で急落したときに十分なショートがなかった方も、昨年末か らの上がり局面では十分ショートを増やせたと思います。今回はアヤに苦しめられることが少なく、あっという間に急落してくれたので、かなり割が良い投資 だったと思います。

ここで貯金をためておくことが、来るべき壮大やアヤのときも頑張ってショートを維持できる体力になるので、欲を張らないようにしてください。

尤も、180、175、170などがない方はちょびっと残すのも良いでしょう。

私は、残っている先物と185プットは、今晩その半分、そして明日の安いところで全てカバーします。

今回は先物はかなり儲けられました。

では、急反発するリスクがあるのかというとありますよ。

何しろ、株が下げると米国の利上げペースが遅くなる可能性が高くなるのですから。

私は基本、今年のマーケットはめちゃくちゃ弱気で、中国崩壊がなくて、米国の利上げが粛々となされるだけで14000円を割れると思っています。それどころか、利上げをあと1回か2回した後に、中国経済や新興国危機が起きようものなら12000円割れもあると思います。

しかし、もし元暴落、中国崩壊、新興国危機が同時にやってきたら、米国は2会合で1回のペースで利上げすると思いますか?

し ないですよ。むしろ、また利下げしてゼロに戻す可能性もありますし、量的緩和終了直前の2年前の10月にブラード総裁が「世界的にリスクオフになっている から、量的緩和終了とか言っている場合じゃないな。もう一度緩和しちゃおうか」と発言して、世界のマーケットがリスクオンに戻ったときのように、再度緩和 をするなんて発言が出てこないとも限りません。

マーケットを注視しているのは投資家だけではないです。

FOMCメンバーもまた注視しています。

そして、普通の中央銀行は、株が下げると「なんとかして株の下げを食い止めよう」として必死にポジティブな発言をするのです。

これが黒田との決定的な違いです。
(先物)
先物16

黒田は、株が安いときでなく、マーケットが期待していないときに驚かすことだけを楽しみにしているので、こんな仕手株のようなヒゲになってしまったのです。風説の流布と同じ位に悪質です。

こんな高いタイミングであんな中途半端なことをした結果、年明け後2回ほど「まだまだ緩和するもんね」と発言していますが、マーケットは完全に無視してしまっています。

さらに思い切った対応する用意、日本経済は正念場=黒田日銀 ...

私 が激怒したのはこうなるためだったのです。ショートを一時的にでも踏み上げられたのは気分が悪いですが、私はあそこで乗せることができたので、この件に関 しては黒田さまさまです。しかし、金融業界関係者として日本人として考えると、あのタイミングであんなことをするのは許しがたかったのです。結果、誰も信 じなくなってしまった。

もし、あのとき何もしていなければ、今日「株価の急激な下落が物価目標に与える影響について注視している。もしさらなる株安でインフレ目標の達成が困難になると考えられる場合は、あらゆる手段を駆使する」と発言していたら、売り仕掛けする気はなくなるでしょう。

これを整理すると、日本に関しては、駒を使ってしまったので、他の先進国よりは独歩で下げやすい。しかし、日銀以外のFOMCとECBは、このペースで株が下がり続けたら何かサプライズになる対策を打つ可能性が高いので貪欲なショートは危険ということです。

実際にアクションを取らなくてもリップサービスをするだけでも株価は反応してしまいます。黒田と違って、イエレンFRB議長もドラギECB総裁も発言に対する信認が高いのですから。

なので、さきほど書いたようにきちんと利益確定してください。

冒頭でまだ悲劇の序章と書いたのは、リスクが十分に顕在化していないからです。

中国も元が下がっているだけで、上海総合はまだ3000ポイント以上ですし、新興国から大量の資金が流出してるという報道も聞こえてきませんし、どこかの新興国の外貨準備が底をつきそうだという噂も聞こえてきません。

なので、今のペースの下げは、やや早すぎるので、これ以上下がったところは基本は利益確定モードに徹するべきです。

前にも書きましたが、新興国の資金フローが見えてくるのは15日以降です。中国に関しては、いつ暴落するかも判りません。

なので、今は過剰に楽観的なセンチメントが悪化し、やや弱気に傾き過ぎているサイドになっているので、ここから更に弱気になるようなポジションは振り子が反対に触れた時に酷い目にあうと思います。

日銀以外の中央銀行はみな何か言わないと大変なことになるかもと思い始めているということを忘れてはいけません。

(終わり)



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