連日気持ち良く下げますね。世間では何が起きているのかわからないという声が多いですが、私の記事をずっと読んでいるみなさんは起こるべくして起きたことがようやく始まっているだけだと判っているでしょう。
今まで溜まっていたものが剥落しただけなので、別に騒ぐ事はないのです。
2月限を作るタイミングが難しかったのでロットが少なかったですが、値幅がこれだけ出ているので小額でも十二分に儲かったと思います。
昨日までが悲劇の第二章だとしたら、16000円到達はこれは悲劇の第三章です。しかし、今年の「リスクオフ物語」は超大作でして、全部で12章はありそうです。。。
なので、まだまだ下げます。
しかし、本日はタイトルでにおわせたように、今晩16000円を割っているときに165プットを持っている方は全部利益確定した方が良いでしょう。
本日は一時300円高まで買う阿呆が居ましたが、その反動で大幅安になってしまいました。
『日本株続落、原油や海外景気懸念強く全業種下げる-午後崩れ安値引け 』
21 日の東京株式相場は続落。下げ止まらない原油市況の行方や海外景気・株式市場の先行き不安が根強く、銀行やその他金融など金融株、不動産や食料 品、電気・ガス、陸運株など内需セクター中心に東証1部33業種は全て安い。株価の割安さを見直す格好で午前は反発して終えていたが、午後に入ると先物主 導で崩れ、主要株価指数はこの日の安値引け。
TOPIXの終値は前日比37.48ポイント(2.8%)安の1301.49、日経平均株価は 398円93銭(2.4%)安の1万6017円26銭。両指 数とも連日の昨年来安値更新で、およそ1年3カ月ぶりの低水準。心理的節目の1300ポイント、1万6000円割れ寸前だった。
富国生命保険の 山田一郎株式部長は、「プレーヤーが変わっているようだ。個人が日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信を売っているほか、銀行が かなりETFを切らざるを得ず、国内のフローが大きい」との見方を示した。資金の流れが変化している背景には米国の利上げ局面入りがあり、「立て続けに年 4回行うと米連邦準備制度理事会(FRB)の主要メンバーが発言していることは、マーケットとの食い違いがある」と言う。
前日に日経平均で 600円超急落した反動から、きょうの日本株は小高く始まり、徐々に上昇基調を強めた後は午後早々に一時318円高の1万6734円まで 反発した。テクニカル指標からみた売られ過ぎ感、日経平均の予想PERは13.7倍と昨年9月末以来の低水準にあり、見直し買いが増加。また、米紙ウォー ルストリート・ジャーナル(WSJ)は、安倍首相の側近が世界的な市場混乱がアベノミクスの支障となる恐れがあり、日本銀行は来週の決定会合で追加緩和す べきとの見方を示した報道。政策発動への期待感も一部で高まりつつある。
昨日も一昨日もそうですが、これだけ不透明なのに積極的に買う奴って何を考えているのでしょうかね?
(CME)
特に本日は昨晩の米国株も下げたし、原油も下げたので、寄りから積極的に買う理由なんて何一つないと思うのですが。
値ごろ感ですか?
値ごろ感って何ですか?外部環境が変わりバリュエーションの基準すら変わっているのに、単純に同じ日経平均を見て高い安いと判断しているだけではないですか?
企業収益が堅調というのがウリだったのに、こんな報道も出ていますし、インバウンドも減速感が出てきているし、加えて足元の円高は今期の上場企業の予算レートである118円以上の円高です。
『電子部品受注額 伸び急減速 10~12月、中国向け変調 』
今 のままでは来期は減益です。実際減益なのではなく、今年4月から5月に発表される来期業績見通しが減益で出てくる可能性が高いという事です。前にも何度か 書きましたが、企業の次期計画策定は2月下旬から3月上旬の外部環境をベースに作られますので、ここから1カ月でよほど株価が上がり景況感が回復しないと 強気の計画なんて出せないでしょう。
それにしても、本日のコメンテーターも嘘ついてますね。プレーヤーが変わって昨日から国内勢が売り始めたのは事実ですが、レバレッジ投信は本日も買っています。
(先物手口)
本日の国内勢の売りは機関投資家でしょう。本日はTOPIXの下げが極端で、ほぼ全銘柄が売られていたので、国民の大切な年金資産を19000円以上でバカスカ日本株に投資した信託銀行さんが恐怖に駆られ売り始めたのだと思います。
(マーケット)
しかし、その信託銀行は先週までは日本株最大の買い手だったので救いようがありません。
巷 では年金で21兆円損したという噂が出ていますが、そんなにはロス出ていないです。しかし、昨年9月末が8兆円だったので、その後高値で3兆円程度日本株 にシフトしたことを考えると、おそらく直近では15兆円程度のロスにはなっています。。。個人投資家を上回る素人ぶりに怒りがわいています。
信託銀行は16000円を下回ると、野村のレバレッジ投信と先を競うように売って来るので、この2者が日本株を更に暴落される戦犯になります。
これをもって外資に蹂躙された日本株なんていうのは止めてほしいです。欲にかられたバカな日本人が被害者面して喚いているだけです。
本日結局下げたのは上海総合がへたったからでしょう。
(上海日経)
上海株が上がると先回りして買ったもののへたったので、不安になって投げたのでしょうか。
中 国株が短期的にどうなるかなんてだれも読めませんが、中国が本当はどうなのかは容易に想像付きますので、おそらく酷いだろうという事実に着目したポジショ ンを取るよりほかに方策はないのです。アヤが続いていればともかく、明確に壊れてしまった以上、当局が何かをしてくれるというアヤを楽しみに待つのはあま りにも危険です。
(上海5日)
上海株は結局じりじり下がっているので、今週は「上海暴落シナリオ」になってしまっています。なので、16000円まで来ているので、週末の私の相場見通し通りの展開なのです。
リスクオン 16500~18300円(17500円) 1割以下 → 1割
通常のリスクオフ 15800~17700円(16600円)5割 → 3割
上海株暴落or地政学的リスク勃発時 14500~17500円(16000円)4割以上→5割
ね?適当に数字入れているわけではないのですよ。
尤も、今晩~明日15000円台に入ると、今週にしてはちょっと下げ過ぎになります。
しかし、これだけ下げても野村の先物投げが出ていないことに驚いています。
私は野村の投げが本格化してから下げが急加速すると書いてきました。どのくらい崩れるかは外部環境に左右されるので今までは書いていませんでしたが、今の出来高と中国株や米国株の状況を考えると、野村の先物を全部投げるまでに2000円以上は下げそうです。
とすると今来月に14000円?
ちょっと下げるのが早すぎるんですよね。
何度も書いているように、新興国中危機は顕在化していないし中国株は下げているものの、パニックになっていません。
なのに16000円まで来ていることにかなり不安を覚えます。
売買代金も先物出来高もセリングクライマックスには程遠いのです。
(売買代金)
(先物出来高)
なので、先週の記事で「今来週がセリングクライマックスか」と書きましたが、来週から再来週になりそうです。
こうなると、完全に2年前の再現相場になってしまいますね。当時も1月下旬から2月第1週がセリングクライマックスでしたので。
では、そこまではガンガンに弱気で良いではないかと思うかもしれませんが、今晩は注意してください。
それはECB会合があるからです。
「週末の相場見通しで、E氏は今回のECBは何も出ないだろうと書いたではないか」と思うかもしれません。確かにそうです。しかし、相場見通しは流動的なのです。見通しをころころ変えるのでいい加減だなんて思わないでくださいよ。
下げのピッチがあまりにも早ければ、何もしないと思っていた当局が何かする可能性が高まる以上、流動的な見通しにせざるを得ないのです。
ECBは原油を注視しています。その原油がズドンと下げて30ドルをあっという間に割ってしまっています。
(原油2種)
とすると、ドラギECB総裁のリップサービスが再度炸裂する可能性も高いわけです。
ドラギECB総裁以外の反対が多い以上、追加緩和を決定することはないでしょう。しかし、昨年10月の会合で「12月の会合に何かしちゃうよ。あらゆる手段を検討するからね」という程度は出来るでしょう。
ドラギECB総裁は、リスクオンの笛を吹くかもしれないのです。
ドラギECB総裁は口が軽すぎるのが難ですが、FOMCの理事や地区連銀総裁たちと同様に、インフレ動向や株のことを真剣に考えている真の中央銀行バンカーです。市場を驚かして良い気になるだけが楽しみの黒田とは違うのです。
な ので、今晩の会合後の会見でドラギECB総裁が何か追加緩和的な発言をする可能性がかなり高まっています。正確には、報道やコンセンサスでは高まっていま せん。しかし、私の経験上、これだけ資本市場が下げるとECBやFRBなら何かハト派的メッセージを出す確率が一気に上がるという意味です。
ということなので、165プットをおもちの場合は、16000円以下で一旦利益確定してください。
かくいう私も、今この記事を書きながら先週ちょっと作った165プットは15960円で全部利益確定しました。
一方、ピンポンダッシュが趣味の黒田君は来週の日銀政策決定会合で何かするかというと微妙です。普通の中央銀行トップなら何かしないといけないと思う水準ですし、月間の下がり方もリーマンショック級なので危機意識を持つはずです。
しかし、今マーケットで追加緩和期待が出ているのも事実です。
『焦点:「黒田バズーカ」は三度効くか、ドル115円なら思惑台 頭』
先月の日銀政策決定会合での行動を批判した記事でも書いたように、過去の緩和もどきは市場での追加緩和期待値が低いときにしかやっていません。日経平均が危機的とか割高とか関係ないのです。
市場が驚くかどうかで決定しているフシがあるのです。
結 果、19500円という割高な水準で意味のないことをしてしまったので、駒を使い果たしてしまったのです。もし先月何もせず、17000円割れになって 「昨今の急激な株価下落と急激な円高はインフレ目標の達成を困難にする可能性が高いので注視している。日銀はあらゆる手段を持っているし、あらゆる手段で 行き過ぎの株価と円高を阻止する用意がある」と発言していたら、追加緩和が怖くてうかつに売り浴びせられないでしょう。しかし、黒田はあんなに高いときに 持ち駒を見せてしまったので、マーケットから舐められてしまったのです。
今回追加緩和もどきをしたら、私は少し彼を見直して、彼に「氏」を付けて呼ぶことにします。
しかし、それで流れは変わりません。ECBと日銀政策決定会合があっても、よほどの量でない限りは、今年は悲劇の12章まで行くと思います。
よほどというのは、市場が期待する国債購入を現行ペースの3割増以上です。
5割増しになったら明確に流れは変わりますが、日独の国債市場の流動性が枯渇してしまっているので3割増しも困難です。
なので現実的には困難でしょう。するとマイナス金利幅を拡大させるとか付利撤廃などの小手先でしか対応できません。
小手先ということはベースラインを変えることができないということなので、それはアヤです。
なので、日銀政策決定会合やECBで中5半端な緩和策や、アナウンスだけあって期待値が過剰に醸成される場合は、絶好のショート仕込場になります。
それにしても、本来リスクオフを演じるはずの主役がまだ出てきていないのに下げのペースがあまりにも早すぎます。
年 末年始に、FOMCメンバーが「株が調整しても利上げをする」と発言したときの根拠は、1割程度下げるというニュアンスです(そのように発言している記事 があったけど、今見つかりませんでした)。なので、新興国危機も中国パニックもないのにピークから2割も下げた今の水準は中央銀行トップにとって衝撃的だ と思います。
なので、私が中央銀行トップだったら、出来る限り今回の会合で緩和策を出そうとするでしょうし、ECBとFOMCメンバーならそう考えているはずです。
相場見通しは上げ下げのスピードが速過ぎる場合も臨機応変に変えないといけません。
なので、ビジョンはどんどん変わってしまうのです。そこのところご理解の上、今晩のECBの前に16000円以下で多少の利益確定をした方が良いと思います。
(終わり)
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このブログは、デイリーの相場見通し記事を一定期間経過後に(発行日と同じ日付で)アップしたものです。
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