アメリカ合衆国につぎ、世界第2位に位置する経済大国、日本であるが、外交において日本はどのような役割を担っているのか、またその外交における問題を考察する。
今回の大使講座において感じたのは、やはり現役駐日大使だけあって、直接的に日本外交を非難する場面はほとんどみられなかった点である。

しかし、各大使の話し方、ありきたりのほめ言葉で日本外交を評価するコメントは、現在の日本外交に対し、なんらかの不満を感じ取ることができる。

最初のゲストスピーカーである駐日アメリカ大使、ハワード・ベーカーはこう述べていた。
「日本は今も世界第二位の経済大国である。大国には責任が伴うが、日本は将来どうしたいのか、はっきりしていないように感じられる。何がベストであるのか、(アメリカを始めとする他国の意見に従うのではなく)日本自身が考えることが大切である。」

今の日本外交が持つ重要な問題は、この言葉に端的に表れているといえる。つまり、よくマスコミ・メディアでいわれるように、日本外交はアメリカ外交のいいなりであり、主権国家としての威厳がない、ということである。

ベーカー大使が、本音で上記のような発言をしたのか、判断はつかないが、少なくとも日本外交としては、この発言を真摯に受け止め、主権国家として、そして世界第2位の経済大国として他の国、とりわけアメリカ合衆国に牛耳られることのない外交姿勢を模索していく必要がある。
この日本外交の姿勢は、対北朝鮮問題に対しても顕著に見て取ることができる。1998年の日本に向けたミサイル(テポドン)発射事件。朝鮮の金正日総書記の長男、金正男氏と見られる人物が日本に不正入国しようとし身柄を拘束されたが、そのまま身元の確認のされないまま北京へ国外退去処分となった事件。長年問題とされており、北朝鮮側が拉致を認めたにもかかわらず、拉致被害者の家族の帰国が実現していない、現在の外交問題の最大懸案である拉致問題。このほか、核保有疑惑問題などさまざまな問題をかかえている一方、日本は何の条件もつけずに(つけてはいるがほとんど強制力を持たない)人道支援と称し、コメの無償支援を行ってきた。人道支援として送られている物資がきちんと民衆にいきわたらずに、北朝鮮の外貨稼ぎに使われている点、また、人道支援と政治的問題は全く別次元だと仮に譲歩したとしても、日本が北朝鮮に対し、強硬な態度を示すことができないのは、日本の外交が長年抱え続けている問題である。

このような腰砕けの「何をしたいのかわからない」日本外交は、日本の国益を著しくおとしめている。まさにベーカー駐日大使のおっしゃっていたように、「日本は将来どうしたいのか、はっきりしていないように思われる」点である。

日本は地域柄、そして歴史的に見て自己主張の弱い国民である。このような国民性は文化的に考えれば、日本の奥ゆかしさを導き出し、日本文化の美しさを象徴するのかもしれない。しかし、こと外交に関しては、お互いの国益のぶつかり合いの場であり、自己主張せずに譲歩すれば、それだけ国益が損なわれる。外交に関して奥ゆかしさはいらないのである。言うべきことはきちんと言い、それがどう考えても向こう側に非があるにもかかわらず、応じてもらえない場合は、断固とした態度を示すべきである。「そうですか。わかりました」と、向こう側の言いなりになる現在の一連の日本外交の姿勢は、最重要問題である。

ここで言っておきたいが、私は自国の国益のみを最優先に考え、あらゆる外交上の問題に対し強硬姿勢で臨むべきだと、言っているわけではない。他国との関係を尊重しあい、適切な外交関係を保つよう努力し続けることは言うまでもないことである。しかし、それはお互いが尊重し合っていることが前提であり、自国の国益が著しく侵されている状況で、そんなことを言っていてはいけないのである。一貫性を持った外交政策をとり、強硬に出るべきところは出るべきである。これこそ、今の日本外交の抱える問題を解決するためにまずしなければならない手段であると考える。

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