ジョセフ・キャンベル(ジョーゼフ・キャンベル)が伝えた、神話が構成する物語の母型...



あなたはジョセフ・キャンベルという人物を知っているでしょうか?


多分、

シナリオライター

商品プロモーション関係者

映画関係者

作家

コピーライター


などなど、


物語を表現することが求められる人なら一度は聞いた事があるだろう人物です。

それだけ偉大な事を発見し人々に伝えた人です。




ヒット映画を語り尽くせっ!!-ジョセフキャンベル

  Joseph Campbell
  1904年~1987年


主な著書:

『千の顔をもつ英雄』

『神話の力』

『神の仮面』上下
『神話イメージ』


キャンベルは、神話学者・宗教比較学者でありながら、同時にハリウッドに多大な影響をもたらしていく...




え?神話学者とハリウッドがどうして繋がるの!?



僕がキャンベルのことを初めて知った時そう思いました。


そもそも、神話と映画で接点がない。宗教比較とエンターテイメントなんて天と地ほど分野が違う。


にもかかわらず、キャンベルの説く話は必ずと言っていいほど、シナリオライター養成学校では

教育課程に盛り込まれています。



それは一体なぜか?


それは彼の一言に全てが含まれています。



全てのヒーロー物語の母型は神話に網羅されている



人の心を打つ映画やドラマ、人の気持ちを動かすストーリーには共通する要素があるとキャンベルは言っています。それを彼は、神話の中に見つけたと...


いやーすごい。

それが本当なら深く深く勉強したいと思います。



僕がコピーライターをやっている職業柄

人の心を動かすという事がどれほど力を持つことなのか?肌身に染みて分かっているつもりです。



人の心を捉えれるかどうかは、会社でいうなら倒産するか繁栄するか程、決定的に違うのだから...

(ましてコピーライターなんてね・・・)



キャンベルの神話学を聞いた、ジョージ ルーカスは映画スターウォーズでその法則を再現し、

大ヒットを飛ばしました。


そしてキャンベルも後にインタビューでこう答えています。

「スターウォーズは神話の法則を完璧に体現している。」と...



ジョセフ・キャンベルは、
研究を重ねていくうちに、神話にはひとつの流れがある事に気付きました。


その流れを

「英雄の旅(ヒーローズ・ジャーニー)」といいます。



ヒーローズジャーニーとは...


1.Calling(天命)
2.Commitment(旅の始まり)
3.Threshold(境界線)
4.Guardians(メンター)
5.Demon(悪魔)
6.Transformation(変容)
7.Complete the task(課題完了)
8.Return home(故郷へ帰る)



という流れのことです。



以前、カリオストロの城について記事を書いたので、せっかくなので

カリオストロの城での主人公ルパンとヒーローズジャーニーがどう結びついているのかを考えて見たいと思います。



1.Calling

ルパンがゴート札に気付いた瞬間→なぜ今、出回ったのか?解明する気が沸いてきた


2.Commitment

気絶した花嫁との接触→ルパンがある事に気付いた。花嫁を救うという目的へのシフト


3.Thershold

お城への侵入→花嫁救出作戦、地下に落とされる


4.Guardians

仲間の援護→銭型、不二子etc...


5.Demon

悪者との決戦→時計台での格闘


6.Transformation

7.Complete the task

8.Return home

クラリスに対する気持ちの葛藤・旅立ち



こんなふうにみていくと物語の書き方をどうするかはさておき、

物語を構成する部分においては、やはり法則があります。


きっかけ(出会い)があり→旅立ち(首を突っ込み)→障壁(悪魔)と戦い→帰郷する


こんな感じのね。




人の心をつかむストーリーには共通する流れがある。





この言葉はまんざら嘘でもないようです。


心を打つストーリー、代々伝えられるストーリー

それは同じ骨格を共有するものだった!





信じられますか?




歴史やキャラクターや出来事が変わっているだけで、

ストーリーの骨格自体は同じ事が多々あるとは...


今までまったく別の映画だと思っていたものが、

物語の構成だけ見れば全く同じということが少なくないということが...





僕はこんな事を思う事があります。




物語を人に伝える道筋がハッキリと分かったら

人の心を動かす物語をしっかり自分で組み立てれるようになったら

コピーであれ、プロモーションであれ、小説であれ、爆発的ヒットは間違いないだろうな。と...



しかし、現実を見れば

そのスキルを身に付けるのはそんなに甘くはないと感じます。


甘くないから、

皆がみんな面白いストーリー、心に残るストーリーをなかなか書けないでいるんだと思います。

もちろん僕を含めて。





でも、しかし




そこに一筋の光明を生み出してくれた人、そのうちの一人は紛れもなくキャンベルでしょう。

だから彼は信頼され、みんなに記事を書かれる存在なんだと思います。



僕は最初

「これだけ有名な人なら、どうせビジネス臭い人間なんだろうな」と思っていました。



しかし、生前キャンベルが対談していたビデオ(吹き替えNHK作成)をみてみると、

ビジネスとは全く無関係と思えるくらいの誠実な人柄を感じました。

彼は意外な表現を使って深い哲学を語っていました。

思慮深さがひしひしと伝わってきました。



僕みたく、物語で人に訴えかけていきたい人間は、まだまだ学ぶことが多そうです。




「人の心を動かす」

本当に奥の深いテーマだと思います。