高校を卒業した次の年の夏に長野に行った



一人で住み込みで白樺湖ファミリーランドホテルの遊園地で働いてた



4ヶ月の契約で



長野は遠い

滅多にそんな遠いとこに行くことはない

だから


そんな遠くに行ったついでに最終日の帰りに母親に会いに行く事にした



静岡だから東京まで行く途中でくいっと曲がればすぐ静岡


もちろん特急で行った

晴れの日に近くで見る富士山はなかなか良かったのは覚えてる



沼津駅に着き時間が早いからちょっと駅前を散策


ゲームショップに行ったりして時間を潰し駅前ロータリーからタクシー捕まえて乗った




住所の読み方がはっきりしないからどう言えばいいのか


とりあえず適当に読む


すると



「ああこの住所ありますよ」



でも番地を見せられても詳しくはわからないらしく無線でどこらへんなのか聞いてた



近くに着いてウロウロ捜す



でもタクシー運転手も解らないみたいで迷ってる



おれは目の前に止められるといくらなんでもまずいから


「どこかちょっと離れた所に止めてください」って言った


そしたらその運転手何かを察したのか


「もしかしてワケアリですか?」


とか聞いてきた


タクシー運転手っていうのはいろんな人それぞれの修羅場の前とか事件の前とか のドラマの始まりを見てきてるんだな~って思った


「そうなんです…」


と一言答える




とりあえず止めてもらいタクシーを降りる




それからまず最初にすること


家探しじゃない






公衆電話を探す



すぐ近くに発見



電話帳を開きその日泊まる宿を探す


沼津駅前のビジネスホテル




電話をし予約をする



それから家を探し歩いた



かなり近くなのはわかってる


標札を探す



わからない



ちょっと気になる変わった家もあったけど近辺を歩きとりあえず適当に家を決め てインターホンを押す



オヤジが出て来た



「〇〇〇さんの家を探してるんですが…」

「あの家ですよ」

「わかりましたありがとうございました」


あの家ってさっきから通り過ぎてる家じゃん

ちょっと気になってた家



何で気になったかと言うとそれがまたびっくりするくらいボロボロの平屋で…

綺麗な一軒家の並びの中にぽつんとその家があるから余計に目立つ

小さい庭には馬鹿でかいほんとびっくりするくらいの大型犬がいた

あまりのデカさに引いた

近くにいても吠えはしない

何犬だったんだろう










その家の玄関前に立つとガラス戸が少し開いてた


ちょっと覗いたら誰かいる


ガラス戸をこんこん叩き





すいませ~んと扉を開けたそこにいた人は…