俺が子供の頃、父と母の初めてのデートで
戦争映画を見に行った、というのを聞いたことがある。
いかにも父親らしいチョイスだ。
母親はそんな映画には興味もなかったろうし、
さぞかし退屈な時間を過ごしたのだろう。
デートで戦争映画を観るなんて・・・
その時、俺はそんな男にはならないと思っていた。
あれから数十年経って、
妻と一緒にWOWOWで放映されている
アメリカとドイツの
ミリタリードラマを2本見てる。
妻は面白いと思って観ているのか分からないが、
父親と同じ道を辿っているんだな、
絆だな、と改めて実感してしまった。
彼の子供であること、そしてその血を引き継いでいること、
今、それを誇りに思える。
彼は彼なりに努力して、身を粉にして働いてきて
俺たちを育て上げ、本来なら余裕のある老後生活のはずが、
厳しい現実に立ち向かっている。
どうにも出来ないのは分かっているが、
見ていて何とかしてあげたいと思う。
父と母の残り少ない人生を
いつの日かバラ色にしてあげられたら・・・
余計なお世話だと言われると思うが、
もう、子供達に心配される歳になったんだよ。
諦めてね。
そして人生を楽しんでね。