家系ラーメン渾身家〜スープを飲み干したらなにが起こるの? | 全国No. 1短編小説家ー中国地方の観光&グルメレポ

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るるぶとかタウン情報おかやま、winkなどに載ってるスポットばかりアップしてます。メディア記載の場所に実体験したレポかな(笑)


タウン情報取材スタッフである満太郎、食べログに
定期的に食レポをす満太郎。
今日は 美味しい家系ラーメンを求めて
「家系ラーメン(元気)渾身家」に足を止めた。





「いらっしゃいませ〜」


活気のある店員さんの声が元気に響き渡る。


(良い店だ。

なんか 取材に来てるんたけど マジで空腹にしといてよかった〜。)

「とりあえず

家系の黒胡椒入りラーメンを お願いしまーす」


「あいよーー」


「黒胡椒いっちょーーー」

元気いっぱいに店員さんの声が

また響き渡る。

そして5分後


着丼。



「きたきたきた〜。

家系ラーメンの中の家系ラーメンってビジュアルが

良いねぇ。

黒胡椒の ツーンと香るスパイシーな 香りが すでに食べる前から ワシの食欲戦闘力を あげてくれるぜ。

大きな海苔が3枚入って ほうれん草まで入ってる。

ワイルドだけじゃない。

ヘルシーな術も使えるのかー?

よし!

どんだけ強いのか

試してみよう」





「うまい! やばい うまさだ

黒胡椒の香りと 太麺と コッテリだけど 良い塩梅のチャーシューと 濃厚なスープが ワシの美食満足数値を一気に格上げさせてくれるぞーーー


渾身家の 渾身の一撃を もろに くらってるワシ〜


やばい


止まらない  


スープまで 飲める


うめぇ

うめぇ




うめぇ

スープまで



よし! スープまで飲んだどぉーーー





満太郎は とりあえず 手を挙げた。

すると

イケメンにーちゃんが

早足で満太郎の前にやってきた。


「おめでとうございます。

スープまで完飲されましたね」


「おうよーー

軽いもんだぜ。

ところで スープ飲み干したら

なにがあるの?」


「飲み干したら ご褒美に

僕の渾身のショートコントを お見せすることになってます。」


「おぉ いいねぇ

にーちゃん のショートコントみたい

みたい ショートコントやっちゃって」


「はっ かしこまりました。

それでは いきます。

ショートコント

かくれんぼ


 


「もーーひーーーかん」



もおーーいーーかい

のノリで イケメンにーちゃんが バンダナを

いきなり

取った。





「はーーげだよーーー」


まーだだよーー のノリでバンダナを取ったにーちゃんは ハゲ頭を披露したようだ。



「ブラボーーー」

満太郎は 実はハゲ頭という おにーさんスタッフの漢気に 思わず拍手した。


「なんか 楽しくなってきたぞ。

やばい。

また なんか見せてくれそうなので

もー 一杯 違うラーメンをオーダーします


「辛肉ラーメンお願いします」


10分後……


「うげっ!

ぐるじぃ

でも食べたぞ」


満太郎は 再びスープ飲み干したので 手を挙げた。


すると

奥の厨房から

拍手👏👏👏👏

拍手👏👏👏👏


「えっ?拍手だけですか?

苦しみながら食ったのに」


思わず 大きな声で 驚いた満太郎。


「はい。 今回は

これだけです。

また 次に期待してください。」



2回目にスープを飲み干したら

拍手だけ……???


なんか 納得いかない満太郎は

一週間後に

また 渾身家に訪問した。


「すべるギャグは まだ よかったとして

2回目の あの拍手だけって

なんか 悔しかったなぁ。

よし!

今宵も スープ飲み干したらなにが起こるのか

チャレンジしてやる!」



そして その日も満太郎は

スープまで飲み干した。





「おめでとうございます」と メガネのおじさんスタッフが言った。よろしければ私を指名してください。

「さすがです」

よろしければオレを指名してちょんまげ とパリピなスタッフが言った。

「完食ありがとうございます」

よかったら 私を指名してくださいね と若い女性スタッフが 言った。



「指名? 

スープ飲み干したら誰かを指名するシステム?

ヘェ〜

じゃあ その女性スタッフさん

ワシのところに来てーー」

と満太郎は

若い子を指名したようだ。








今度は 可愛らしい女性スタッフが

なにやら 渾身のギャグを

満太郎に披露するようだ。


「さすがです 

私を 当てるなんて

嬉しいなぁ

わーーい

当たった

当たった

嬉しいな

嬉しいな

あたった


あたったー

あたたたた


あたたたたたた






21世紀生まれのはずの 女の子スタッフが

まさかの昭和の漫画のキャラの モーションを

ぶっ込んできた。


「ブラボーーー! ブラボーーー!

面白すぎるわー」


「もう一杯 食いたくなった。

今度は 野菜ラーメンを頼みます」


すると 若い女の子の店員さんが 不思議そうな顔で

満太郎に言った。

 「あの〜

当店のシステムでは 4回目の スープ飲み干したら企画は スペシャルと なっております。

 スペシャル??

どんなスペシャルなんでしょうね?

できたら

次回 お楽しみくださいませ〜」


「はぁ??次回お楽しみくださいませ〜

やなこった。

今日 野菜ラーメンをまた完食して手をあげてやる

待ってろよ。

次回より

今 楽しみたいんだよワシは!!」


女性スタッフの意味深な発言を無視して

けっこう苦しみながら 野菜ラーメンも完食した

満太郎。






そして 再び

その日

2杯目の野菜ラーメンも完食し 手を挙げた満太郎。


「おめでとうございます。

それでは

約束のスペシャルを

4回目恒例のスペシャルを

あなたに

お届けします。」


「おぉーーこれは期待!

なにが起こるのかな?」と満太郎は目を輝かして店員さんに言った。


「スペシャルについては

秘密です。

少々お待ちください。」



5分後



満太郎は

スペシャルクーポン(ラーメン3回分半額とか、ラーメン無料券とか トッピング3回分ほど無料とかのやつ)でも

来るのかな〜とか

一人

ワクワクしながら妄想していた。


だが

しかし




やってきたのは……



期待を裏切る


悪夢が待っていた






「スペシャルとは 千円するという 自家製チキンカツ&自家製煮卵&ぎっしりチャーシューラーメンを提供することでしたーー」


笑顔で店員さんは

すでに満腹のはずの満太郎に

えぐい量の スペシャル?ラーメンを運んできた。



「えっ……えっ???

マジっすか?


ワシ  本日

普通のラーメンと 野菜ラーメンと

2杯も食べたんだよ。

これ

罰ゲームなの?」


 「だから

次回に四回目のスペシャルを使うときは お楽しみください〜って 言ったじゃないですか〜」

そう言いながら

カウンターの 注意書きを 指さした店員さん。


「た、し、か、にーー」


卓上の豆板醤とか ニンニクとか 置いてある場所に確かに張り紙が貼ってあるではないか



☆4回目の完食を達成した人には スペシャルなラーメンをご用意します。

しかし スペシャルを食べられる方は また日を改めてお楽しみすることを 奨励します☆



注意書きに気づかなかった自分に腹が立ったが


漢気を見せたいと思い

必死で

出された

スペシャルラーメンを食べる満太郎。




「うぉおおおおお」

気合い入れて食べ進めたが

ちょっと食べただけで

もどしそうになる満太郎。


(いかん……

肉の部分が やたら 鋭いナイフのごとく ワシの身体にささってきた。

あえて 水で流し込んたが けっこうやばかった。

しかし

もう これは完食できそうにないぞ。


どうしたもんだ

よし!

店員さんに聞いてみよう)


本当はめちゃ苦しいけど

あえて笑顔で 店員さんを呼び出して

早口で 喋り出した満太郎。


「スペシャルラーメンをもし ワシが食べきれなかったら どうなるの?」


(いかん

もう 喋るのも ぐるじぃ)



「スペシャルラーメンは お客様に提供するのに千円かかります。

したがって

残せば千円払ってもらうことになります。

完食したら0円になります。」



「やっぱり〜

そ、そですよね

わかりました


頑張って食べます。」



満太郎は 超スローなペースになりまくり

泣きそうになりながら


なんとか 無理して

スペシャルラーメンを完食しようと試みた。



脳内は

ロッキー3のBGMが流れていた。


また

後半は パイレーツオブカリビアンのBGMも

流れていた。


なんとか脳内BGMを再生させ


食べることから

意識を遠ざけて


完食を目指した満太郎



結果は








「す、すいません……

もう

無理です。」



満太郎は 千円札を テーブルに 置いて

口に手を当てて店を出て行った。




しかし

このレポが 後にバズって

満太郎は


その後 「食べログ満太郎」という あだ名で

地元では 有名人に なったそうな(給料もめちゃ上がったらしい)


めでたし   めでたし