いや、単なる動物の猪や蛇ではなく 同じ猪でも真っ赤な猪で牙が やたら長い猪がいたり、蛇に関しては 大蛇のようであり牙も鋭かった。
兎は んん? 古事記とかにも 登場し 大国主命を助けた あの白兎〜(神様)ではないか!
他にも神話や 遙か昔から活躍してる動物ばかりだった。
「猫さん 我ら動物の神様の代表として あさって1月2日は お釈迦様の 干支発表式に楽しく参加しましょうね。」
お雑煮を食べながら 濃い鼠〜1m以上の大きさの鼠は 猫に言った。
んん? オイラ 干支の猫だったにゃんか?
猫戦士サムはなぜか 干支に描かれた 猫と ほぼ同じルックスであることに夢の中で気づいた。
虎や羊も 人間界の虎や羊を 遥かに凌駕している風格や力〜知恵などを感じ取れた。
それらは 神に選ばれし 「動物総選挙16匹の神獣達」
なので
今 ここにいる 動物総選挙の神獣16のうち
12匹に 絞るとか
奥の方で猿が話してたのが 聞こえてきた。
猿?? あの風貌は 西遊記にも登場してくる孫悟空じゃにゃいのか????
猫戦士サムは なぜか 当時の古代神々が地上に関与していた時代を感じていた。
猿は如意棒を振り回して「お釈迦様に久しぶりに会えるぜ!!! 俺様が動物総選挙では力も知恵も あらゆる面でナンバーワンだぁーーっ!」
と 筋斗雲に乗って 神獣達の前を ぐるぐる落ち着かない様子で回っていた。
鳥いや あれは 明らかに不死鳥フェニックスじゃないのか……
「お猿さん、あなたは 間違いなく動物総選挙16から更に絞られたベスト12に入ると思いますが あなたは力と行動力と牛魔王など倒した実績を 必要以上に 皆に見せびらかしてますね? 驕るもの いずれ滅びるもの 人間の世も同じこと」
フェニックスは その真っ赤な炎を宿した神秘的な身体を キラキラ輝かせながら猿に言った。
「鶏さん 僕も そう思います。」
神獣にしては 迫力がない鼠が そう言った。
「夜の黒色と 藍色が混じり 時々 ラベンダー色にも見える 高い魔力を感じる羊が 鼠の前にやってきた。」
「鼠さん、あなたが動物総選挙16に選ばれたのは奇跡的だそうですよ。 なので 万が一にも干支の動物になることは あり得ないです。 でも 鼠さん
あなたなら また奇跡を起こしそう」
「溺れる者は 藁をも掴む…って言うじゃない?私達のように空も飛べないし 力もないし 魔力も地上の妖怪レベルの鼠殿〜なにかやってくれるんじゃないかな?」
馬?いや 白く輝いているようだ。
翼も生えている
あの姿は まさしくペガサスじゃないか………
動物総選挙 干支に選ばれる動物選出の会は 明後日。
猫戦士サムは 明後日を 待った。
そして その日がやってきた……
鼠に言われた
「干支発表会」に行くため 集合場所の中国の黄河のほとりに ひときわ大きく そびえ立つ桜の木の前に やってきたが 動物の神様達は 誰一人としていない
その時 鼠の神様が 現れた。
「猫さん、引っかかったね。おかげさまで僕が干支に選ばれた。 ほんとなら猫さんが干支に選ばれる予定だったが 出し抜いてやったのさ ざまあみろ!」
猫戦士サムは
非常に怒りに燃えて 干支としての動物にも 騙されたがゆえに選ばれなかった事に激怒した。
それと同時に 違う未来の世界では 魔物に支配されそうな国も守れず足手まといになった 姿が浮かんできて
また 怒りに燃えた。
「おい!猫戦士とやら? さらにパワーアップした 妾を 捕まえてみろ!悔しかったら ここまで おいでーー」
たった1mしか ないし 人間世界の もののけ レベルのはずの鼠の神様なんて 本来なら 敵じゃない。
すぐにでも 捕まえて お仕置きしてやろうと 猫戦士は
鼠を追いかけるが
いとも簡単に 逃げられる。
「バカにゃ?? 鼠の分際で なぜ???」
「お釈迦様に さらに干支に選ばれし12の神獣として
あらゆる潜在能力を引き出してもらえたのさ
今や地上の魔物も倒せない 猫さんとは 違うのさ」
余裕の表情で バカにしたように 猫戦士に近づいては逃げる近づいては逃げるを 繰り返す鼠に
怒りを覚えた。
(こういう時は冷静に にゃるんだ。
そうだ 鼠捕りの原理と行こうか… まだ この時代には鼠捕りなんてなかったから オイラが 奴の臭覚を 狂わし そこを つくニャン!
なんか 悔しさのあまり 新たな技を 閃いたニャン)
猫戦士サムは 身体からチーズの香りを放出させた。
「擬似食テンプテーション」
猫戦士は 即席だが 今閃いた 術にネーミングした。
鼠が 近づいてくる……
じわじわと近づいてくる
「もっと来い もっと近くに ギリギリまで 引き寄せてからのーーーっ」
恐る恐る近づいてくる鼠
猫戦士が猫に見えず
チーズの塊にしか鼠から見たら見えてないようだ。
今だーーっ
猫戦士は クルクル錐揉み飛行しながら
上空に飛び上がり
そこから
鼠に向かって 剣を抜いた姿で 光のような速さで鼠に体当たりして 神獣ベスト12に のし上がった 鼠を 吹き飛ばした。
「いっ痛……ヤバイ 僕の負けだ。 すごいぞ猫さん。
君なら 世界を救える」
「ど どんなもんにゃい」
「君は干支12神獣に僕のせいで 選ばれなかったね?
なので お詫びとして 偉大なる猫さんの 転生姿であるサムのポテンシャルを解放してあげるチュー!」
鼠は 腕からエネルギーのような 温かい風を猫戦士サムに送った。
みるみる力が湧いてくる。
どうなってるんだ??
力が力が 溢れてくる
勝てる 勝てるぞ 魔女に勝てるにゃん!
猫戦士サムの体が己の強さで震えてきた…
その時
猫戦士サムは目を覚ました。
「はっ?ここは? あ…お堂の中か? 夢だけど夢じゃない気がするニャン」
朧気ながら天井を見ると 干支の水墨画が 一瞬光った気がした。
猫戦士サムは 猫の神獣の 転生した姿である事を 今になって気づいた。
そして鼠の神様に使った大技が使えるのではないかと思惑していた。
力が みなぎってきた猫戦士は下山して みんなの所に急いだ。
一方その頃
魔女が 数ヶ月ぶりに姿を見せて
ラパスギア近くの 巨大な昆虫達の島を 破壊していた。
「ぎゃーはっはっは 半年以上姿を見せてないと 妾のこと忘れてしまうものもいるじゃろうてぇ。
忘れた頃に 一気に災害を 仕掛けて 人々の心を より苦しめてやる。
束の間の平和も ここまでじゃなあ。」
オムツ大魔王支配下の 巨大な昆虫の魔物達を まず 見せしめとして 魔女はドラゴンの姿で
大暴れして 島ごと 滅ぼしてしまった。
「遂に この日がやってきたか…」
普通の鳥の数倍はある ガルーダという神秘的な鳥の魔物(仲間として手なづけた)から 昆虫島付近を探索していたラパスギアの行商人からの手紙を受け取り 読んだジェイは 結局はネクロマンサー術で雅を復活させなかった。
やはり また復活劇を試みると自らが悪に支配される後遺症になるのを 拒んだんだろう。
武装して 街の外れの海が見える公園のテラスで 遙か向こうの島で煙が上がっているのを見て
魔女退治に向けて ジェイは気持ちを整えていた。
そこに
カンナと にゃん汰がやってきた。
「ウチも魔女退治に行きたいです。」
にゃん汰は ジェイが公園にいるのを発見するのを見るとに落ち着きもなく 小走りでジェイの方に向かって行き しゃしゃり出た。
物見遊山的なマイペースな感じで にゃん汰の後を 海の波の揺れや海の晴天の中でのキラキラとした輝きをゆっくり感じながら カンナも ジェイの方に歩み寄った。
「私も ついていきます。 まあ 役には立ちませんけどね」
カンナは 俯いた。
「役に 立たんのかいーー」
鋭くツッコミ入れる にゃん汰。
「いや、お前もだろ?」
今度は ジェイが にゃん汰に ツッコミ入れる。
「てへへへ バレちゃったか」
「認めるんかーい」
普段 クールなジェイが なぜか ツッコミを にゃん汰に入れた。
「旅は道連れ世は情けーー なんの役にも 立たないとは 言ってるけど なぜか あなた方を私達のバトルに同行させたい。 ぜひ ご一緒しましょう。」
意外にも 戦力外である カンナと にゃん汰をジェイは
最後の戦いのサポートキャラとして 同行させることを決意した。
「やったー お弁当作っていこーっと!」
にゃん汰は 遠足でも 行くのかというようなノリで答えた。
「………」
思わず絶句する ジェイ
「じゃあ あたしは そのバトル中にテントを張って 寝てます。最近寝不足なんで…」
天然なのか狙ったのか ボソボソと つぶやくカンナにもまた 絶句してるジェイ
ジェイ「あっ………」
美玲も ジェイらの オーラを感じ取り
カンナや にゃん汰もいる 波止場に近づいてきている。
「わーい! 美玲さんも こっちへおいでよーー
みんなで これから 魔女退治ごっこに行くのだー」
相変わらずの 悪ノリで クールに無表情な美玲に向かって
大きく手を振っている にゃん汰。
「あとはサムの来るのを待つのみね」
カンナは ボソッと呟いた。
サムの気配は 感じ取れてないのが
いつの間に?
なんと ジェイらの 目の前に 猫戦士サムが すでに来ていた。
「なっ……」
ジェイも 突然のサムの登場に再び絶句した。
「完全に気のエネルギーを感じなかったわね」
にゃん汰も まじめに 気配さえ消してた猫戦士サムに驚いた。
「皆さん 待たせたニャン! にゃにゃにゃ にゃ」
語尾が意味不明だが 笑顔で 佇む猫戦士サム。
美玲は ようやく ジェイらの元に 遅れて到着したが
猫戦士サムの 大きな変化には脳内コンピューターの計算により すでに わかっているようだった。
「ふっ サム、あなた 成長したわね。」
「さすが美玲!アンドロイドだけのことはあるにゃんね オイラの 進化について 気づいてたんにゃ」
仲間が集結したところで
竜車を 行商人から 借りて 新緑の綺麗な 5月も半ば〜
ラベンダーや ツツジや藤の花の咲く小道を通って
禍々しい気を感じる
遙か かなたに見える 島の方に 足を進める一行であった。
次回…
龍の姿の魔女メルヴィンとの最終戦ー覚醒した猫戦士サムらに勝ち目はあるのか?
ジェイは 亡くなった愛する雅をふっきれたのか?
最後の戦いの火蓋は切って落とされた。