物語を書くならば
ハッピーエンドが素敵

もしもわたしが、物語を書くならば
悲劇で終わる涙の絶望が快感

もう、やめてと、
読み手が胸を痛めるくらいの
悲しみと絶望、そして希望のない結末
涙のあとに、
己の不運が滑稽に見えるほどの、試練

もしもわたしが、物語を書くならば
ハッピーエンドが素敵
ありふれた物語、
いつの時代も愛される夢物語

救われるのは
どちらだろうか?

悲劇と比べて、現状の平和と安堵
愛と信頼と比べて、現状の孤独と不安

もたらすものは、正反対

もしもわたしが、
物語を書くならば

期待の絶頂から
思いもよらず叩き落とされるヒロイン
救われない、報われない、現実

この世は地獄
夢物語は永遠に夢物語
だから美しい

もしもわたしが
物語を書くならば
絶望の残るハッピーエンド
いちばんリアリで
いちばん共感を
得るだろう

もうみんな、
飽きている

欺瞞と嘘と見せかけの解決
常套句の言い訳と遺憾
茶番劇に
隠蔽に欺き
責任をとらない首長
妬み復讐、媚び
争い、敗北

だから
等身大の物語

もしもわたしが物語を書くならば
ハッピーエンドという

悲劇
理不尽

なんという快感



あがき あらがいたし、現状
なんとか、しなくては

あせり とりあえずと、咄嗟
なんとか、しなくては

かえりたい
もどりたい

むりと あきらめていても
むりと 識っていても

なんとか
しなくては

むりと あきらめていても
もどりたい、かえりたい、と
SOS

 できっこない

 そうさ、思い出は、
 上書きしちゃ駄目なんだぜ

 憧れも懐かしさも
 いまのままでいい

ふ、と
落ちた。
腑に、落ちた

ああ
きみは、なにゆえか、
いつも正しい

まえをみて
いまを知り
うしろもみている

あらがいたし、この胸の混沌
ふ、と
すがすがしいまでに潔く
昇華したれば
ありがたきかな、きみ

いまのままでいい
いまのままでいい


いかなるときでも
境地はカオス

とどまるだけで、空は、みえた
いつかの空と同じ空

あたたかい
たしかなもの、ひとつ

いまのままでいい

そう

いまのままで、いい



さあ、この箱は開けたものか
開かずがものか

古いもの
新しくして仕舞われたものなれば
箱の中 古くなる由も無し
鮮明な記憶、新鮮な空間

古いもの
箱の姿だけ

ああ むかし、この箱に押し込んだ
悲しみか、希望か
心からあふれた、たくさんの何か
ひとつだけかもしれないし、
無数の夢のようなものかもしれない

忘れた
忘れてはいない
忘れた と くり返す


忘れた、古いもの

ふいに

訪れた箱の前で
すくむ

さて、箱は古い
時が止まったようでいて、古いもの

箱は古い

止まっていたのはわたしで
もしか、ここは箱の中

箱の外は
きっと闇

もしか、ここは箱の外

箱の中は
きっと輝いている

古いもの
いつまでも新しい、古いもの


いとおしい
古いもの

さて、この箱は、
開けたものか

古いもの
新しくて、古いもの

両の手で もてあます
古いもの

箱の中の 古いもの

両の手にいつまでも


+JUST FLYing+第三の鳩+ ver.Ameba
http://s.ameblo.jp/finalbird