暗いことは 明るくならず、
明るいことは 暗くなる

蒸す季節の 遅い朝
気分の悪い目覚め
重すぎる薬剤は軽くしようも ない

じわじわと
意思と関係なく支配されてゆく
抗う自我と
委ねる妥協が
交錯し
また 一番安心する儀式を選ぶ

暗い部屋で眠れない、と
ライトだらけにした部屋から逃げて
闇のクロゼットに丸くなる
体は痛くなるけれど
思いがけない熟睡を得る

意識が置いていかれる
わたしは埋もれたまま
擬似的に明るくなろうとも
暗い所へ住みたいと、粘る
矛盾
誤差
不一致

蒸す季節の 遅い朝
渇望する朝の薬
そのためだけに這って起き上がる

昨晩書きなぐった詩篇を
机で見つけた
茫然と眺め

意味のわらからないまま
捨て置くのも気持ち悪いので
記して
闇の巣へ戻ろうか



『ふと思へば』

我に問ふ 田園たるや
いかばかりにか美しきかな
風に水 町に木々
ただ漠然と 思ふもの

さて空にあるは自由なり
いかような時もそれはあり
ないと言へば 無いものにして
あると言へば恒久にありて
それであるから田園と言ふ

ああ どこに ああ どこに


2016.6.15 廈淡