薄明の世界 第十一話 | 連載小説 ~物語で愛を描こう~

薄明の世界 第十一話

 おい、待てよ!


 一体、何だってんだ!


 やっぱりてめぇらは用済みの人間を消すような輩だったって訳か?


 冗談じゃねぇ、殺されてたまるか。


 こちとらようやく、宗弦って坊主の所在を突き止めたんだぜ? それだってえらい苦労してんだ。


 てめぇらがどんな手を使って宗弦って坊主を見つけたか知らねぇが、こっちは命削ってやったんだよ。


 それぐらいの努力を認めたっていいじゃねえか。


 くそっ! 聞く耳持たねえってことか。


 どこまでも逃げてやる。


 綾だと?


 そんな女、知るわけねえだろ。


 ったく、俺がてめえらに何をしたって言いやがるんだ。


 おいおいおいおい、冗談じゃねえってんだ。腰のもので俺を斬りつけようって魂胆かい。


 おい、やめろ。やめろー!!


 ぐああああっ! ぐっ……ちきしょうちきしょうちきしょう。


 ちきしょう!!


 覚えてやがれ!


 絶対に、その顔は忘れねぇぞ。


 悪霊だろうが、僧だろうが、大名だろうが皆殺しにしてやる。


 俺が死んだら呪ってやる!!


 こちとら、もう失うものは何もねえんでい。てめえらの大事なもの一つずつ奪っていってやる。


 覚えておくといいや。


 この、石田の佐吉様を敵に回すと、どれだけ痛い目に遭うかとことんその身体に叩き込んで見せらぁな。


 お殿様――おおっと、秀重さまに言っときな。


 あんたが飼いならした男は、あんたがそれこそ大事にしているもん全てを奪いに行くってな!


 俺の腕を斬りおとした代償はでけぇぞ……殺してやる、殺してやる、殺してやる。


 てめえら全部、ぶっ壊す。


 綾の所在を教えろだと? 

 

 だから、綾なんてぇ女は知らねえって言ってんだろうが! 


 これが濡れ衣なら、こちとら覚悟はできてるんでい。


 命張った男の生き様、とくと見やがれ!