経済同友会や日本商工会議所と並び、いわゆる経済三団体と言われる社団法人の日本経済団体連合会に於いて、現在の会長職を務めているのはキャノンの御手洗会長である
今の深刻化が急速に進んでいる雇用情勢の悪化に対して、企業の経営者を束ねる立場に在る日経連会長と経団連の幹部連中は最も有効な手段を選択して実行・着手が出来ていると言えるであろうか
その答えは誰の目にも明らかなように「NO」だと言わざるを得ない
解雇や契約の打ち切りが最善な策だとする考えは甚だしい取り違えだ
国の財政も経済も、支えているのは我々一般の大衆である国民である
その一般市民たる民衆から収入を奪い取れば果たして如何なる事態が引き起こされるか
需要が無くなり、消費が為されなくなる
すると供給側は一体どうなるか
益々の生産縮小に追い込まれて行く
それも自らが作り出した原因によってだ
何と愚かしい行為であろうか
だからこそ、何とかして雇用は確保しなければならない絶対最低限の必須条件になるのだ
この100年に1度とも言われる経済不況は視点を変えて見れば、よい方向に転換し得るだけのチャンスとも捉えられる
ただ単に現状を凌いで乗り越えるだけで終われば何の意味も無い
これを機に見直しや改善をはかってこそ、今後の様々な危機や過ち等を可能な限り回避して行く為の教訓と出来る筈だ
市場の不確実性と回復作用を説明するに際し、超自然的な存在が及ぼす力に回答を求めたアダム・スミスは「神の見えざる手」と表現した解釈を主張していた
もし仮に市場を支配・制御する影響力を持った神が本当に存在しているのならば、今の経済不況は過酷な労働に従事して無理を重ねて来た働き過ぎの労働者たちに対する、束の間の休息を取らせる為に下した配剤であると考えられまいか
更にマクロの次元では地球環境の問題や企業組織の在り方、またミクロの次元では共働きを避けられない家庭環境から生じる、子育てを通じての触れ合いや家族内での教育などが疎かになって来ている深刻な現状を真剣に見つめ直し、抜本的な改革に取り組むことを示唆した思し召しと考えるのは極論であろうか
もしもこの考え方に則るならば、経営者は労働者の雇用を確保する義務が有ることになる
今一度よく考え直して貰いたいと強く願うばかりである
イギリス法律学校を前身とする世間に名の知られた我等の大学を卒業した大先輩の御手洗会長には、是非ともこの苦境を見事な舵取りで乗りきって頂きたい