海外でビジネスをするということは、日本での実績も知名度もない状況からのスタートを意味する。当然、顧客もいないし、多くの場合はスタッフも現地採用の未経験者。こういう状況でも営業が成立するには、どうしても他社、他人からの紹介が不可欠である。顧客を紹介してくれる方々(当社の場合は、金融機関や会計事務所、人材紹介会社、コンサル会社、不動産仲介会社が多い)、優秀なスタッフを紹介してくれる方々、知識人や情報源を教えてくれる方々。こういう協力者からの支援なくして、海外での事業が成立することは難しい。シンガポールに限らず、私が経験した全ての国で、こういう協力者の存在で、私達の事業は成り立っていることを先ずは明記したい。そして、この協力者の方々へ、私も常日頃から便益をお返しすることを意識している。お客様や視察に来られた企業に、会社設立のお手伝いを依頼されれば、当然、私達に協力して頂いている会計事務所を優先的に紹介する。(当然、サービス品質が担保され、価格が適当であることは言うまでもないが)人材募集の相談があれば、協力者の中から人材紹介会社を案内する。その他の相談ごとについても、基本は受けた恩は、きっちりと形として、そしてなるべく間をおかずに返すようにしている。(※金融機関や公的機関のように、どうしても性質上、 便益を返しにくい組織もあるが。)私が言いたいのは、自分が生き残ることだけを考えて、自己主張だけを続け、協力者への感謝や恩返しをしないで、海外で事業を継続するのは、非常に難しいということ。多かれ少なかれ、海外事業は誰かに教えてもらい、誰かに紹介してもらい、そしてようやくヨチヨチ歩きで事業が継続でき、そして外部環境の変化などの運と日々の営業努力で成長していく。日本では紹介や情報提供は当たり前かも知れない。私も日本では無償で情報をもらっていたし、自分も無償で人を紹介していた。但し、海外では少ない情報リソースの中で、情報や人脈は非常に価値を生み出す。その価値を提供すること自体が有償であるべきではあるが、それ以上に紹介を受けた側が、その紹介に対する責任を全うし、そして自分の利益になったのであれば、それをしっかりと報告して、次のターンでは自分が返す心構えがないといけない。私は決して人格者ぶるつもりはない。でも、海外で自分の経験上、お世話になっている方々への気持ちだけは忘れないでいたいと思う。ボールを投げてもらったら、必ずボールを投げ返す。海外事業なんて、キャッチボールみたいなものだ。とにかく、ビジネスセンスやバイタリティも重要だが、こういう人間性も重要だなって、最近つくづく思う。
アジアで働き、アジアで起業するという話。
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