好きにならずにいられない | 新作映画批評:映画無知

好きにならずにいられない

好きにならずにいられない 監督:ダーグル・カウリ
脚本:ダーグル・カウリ

43歳、独身、空港の荷物係、薄毛、巨漢、戦場ジオラマが趣味、ヘビメタが好き、母親と同居、人付き合いが苦手、童貞…そんな男・フーシが主人公のアイスランドを舞台にした物語。“モテない醜男がひょんな出会いから恋をして、自分の殻を打ち破り、リア充に至るまでのサクセスストーリーを描いたラブコメディ!”ならば、ハリウッドでも日本でも見られる、ありがちパターンだが、北欧映画である本作は、そうは問屋が卸さない(苦笑) 職場で孤立している彼は若者からいじめられるし、近所の子供と仲良くすると警察沙汰になるし、厳しい現実がしっかりと描かれる。恋の相手はココロに闇を抱えていて…単純なラブコメ調には展開しない。周囲から変人扱いされる自分を受け入れ、文句のひとつも言わず、傷ついた人のために行動するフーシ。な、泣ける。悲しいけど温かい、嬉しいけど切ない。ビター&スイートでツンデレな大人ドラマ。好きにならずにいられない。

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