教授のおかしな妄想殺人 | 新作映画批評:映画無知

教授のおかしな妄想殺人

教授のおかしな妄想殺人 監督:ウディ・アレン
脚本:ウディ・アレン

邦題について…。確かに、主人公の職業は哲学科“教授”で、悪徳判事を闇に葬る完全犯罪を練る。机上の空論でほくそ笑むならば“妄想殺人”かも知れないが、実際に計画を遂行する。“おかしな”を“愉快な”と解釈すると、おバカな妄想癖コメディの印象を受けるが、ブラックユーモアというよりは、わりとシリアスなドラマ。敢えて言うなら、シリアスが分厚い高級ステーキだとすれば、本作は、同じ牛肉を使って作った食べ易いハンバーガー。しかも、定番ドストエフスキー『罪と罰』味。“おかしな”を“変な”と解釈すると、如何にも“おかしな”人々は登場する。主人公の教授が変人扱いされるが、彼に惹かれる女子大生も人妻教授も、充分に身勝手な“妄想”に囚われている。どこにでもいるような人物が、ウディ・アレンの[人間図鑑]で描かれる。他人事ではない。そんなこんなで、邦題を添削すると…教授とおかしな妄想と殺人。でも、語呂が悪いので却下(苦笑)

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