みなさまこんばんは
前回記事の続きです(前回記事はこちら)
今日は頬の理想の形とされるOgee curve(オージーカーブ)について書きますね。
Ogeeとは、S字形のように反転曲線をもつ繰形のことで、美容の世界では、Ogee curve(オージーカーブ)は頬の美しいなだらかなS字カーブのことを言います。
こういう美しいS字カーブ(K川K子さんw)
「美しい顔の条件」として必ず出てくるOgee curve(オージーカーブ)。
美容クリニックのHPなどを見てみても、
「美しいOgee curve(オージーカーブ)を作りましょう」・・・みたいな売り文句が多い(笑)。
でも、本当にOgee curve(オージーカーブ)は美しい顔の絶対条件なんでしょうか?
私の答えは「Yes-No」(オフコースかいっ)
確かに
美しい女性の頬にはOgee curve(オージーカーブ)が認められることが多いです。
でも、年齢とともにこのOgee curve(オージーカーブ)を作ることは、だんだん難しくなってきます。
これは、有名なメンデルソン先生の論文の図ですが
頬の部分というのは、骨→深部脂肪(SOOF)→眼輪筋→皮膚という構造になっています。
年齢とともに、ベースの骨の部分は骨吸収によって凹んできます。脂肪も少し委縮します。(SOOFの委縮は少ないとされていますが、個人差があり、結構委縮する人もいますね)
眼輪筋の上に薄い浅層脂肪があって、その上が皮膚なんですが、皮膚は年齢とともに伸びて表面積が拡大します。
骨が凹み、脂肪が減り、皮膚が伸びるので、当然、Ogee curve(オージーカーブ)は崩れます・・・・。
崩れたOgee curve(オージーカーブ)を元の形に(丸く)近づけようとすれば、骨の凹んだ分、脂肪の減った分、そして皮膚の伸びてしまった分だけフィラーを入れないといけなくなってきます
頬を可愛く丸く保ちたい・・・・と、どんどんどんどん・・・注入していくと
・・・・ハイ
こんなお顔になってしまいます。
確かに頬は丸くて可愛い???!
でも明らかにバランス悪いっしょ、てなお顔に。
ある程度の年齢になったら、Ogee curve(オージーカーブ)は美しい顔の条件から外れると言ってしまってよいと私は思います。
今回の注入モデル様も、ビフォーアフターで大変若々しくなられたと思いますが、Ogee curve(オージーカーブ)だけを見てみると、
決して理想とされるS字のOgee curve(オージーカーブ)にはなっていません。逆にそこまで膨らませると、全体のバランスが崩れて先ほどの腹話術人形みたいになってしまいますし、頬骨靱帯という非常に強固な支持靱帯の長さにも限界がありますので、量を入れすぎると靱帯の上下だけが膨らんで、靱帯のところ(←ゴルゴライン)が余計に凹んでしまうという悲劇に見舞われます
そもそも、若い人でもOgee curve(オージーカーブ)がきれ~に出ている人って、限られた(
美しい?)人だけなんですよね・・・。
例えば、聖子ちゃんで見てみましょう。
デビューシングル『裸足の季節』のジャケット
・・・全然、理想のOgee curve(オージーカーブ)じゃない・・・。
でも可愛いですね。
・・・しばらくこんな感じでしたが、
ある時期からOgee curve(オージーカーブ)が美しく変わり始めましたね。(メンテナンスを開始された時期からかな
?!)
聖子ちゃんの場合は、全体としてよいバランスが保たれていてとても美しいですが、一般人が57歳でここまで若さを保つのは至難の業でしょう~。(ついでに言うと、ほうれい線は意外と残していますね。これはとても大事なことで、ここでほうれい線を埋めすぎちゃう(浅くし過ぎる)と、不自然になってしまい自然な美しさが損なわれてしまうんですよ・・・
)
長くなってしまったので、まとめます!
美しい顔の絶対条件とされるOgee curve(オージーカーブ)は、必ずしも美しい顔の絶対条件ではない。
特に年齢が進むほど、Ogee curve(オージーカーブ)に囚われるのはやめた方がよい。
全然注入の説明に辿り着けなかったですが、今日はここまで~。