本日の症例は 44歳男性です。
目の下の窪みのせいで、とても疲れた顔に見えてしまう・・・ということで、なんとかしたいと。
注入前のお写真はこちら。確かに・・・、お疲れのように見えます
このシワは、ひとつ前の記事でも述べましたが、Tear trough(ティアートラフ)という溝。そして、Tear troughが瞳の正中線より外側まで延長するとその部分は名前が変わり、Palpebromalar groove(パルペブロメーラーグルーブ)と呼ばれます。・・・1本の溝なのに、ややこしいこっちゃですが、解剖学的に性質が異なるので、違う名前が付いてます。
今回の溝は①+②ですね。
一般的には「眼の下のシワ」とか「クマ」とか一括りに呼ばれておりますが。
比較的くっきりとしたシワ(溝)なので、ヒアルロン酸を眼輪筋下に入れても完全にシワを消すのは難しいですし、かといって浅いところに入れると膨らみすぎたり、チンダル現象で青グマのようになってしまいます。
こういうときは、ヒアルロン酸よりはややお値段高くなりますが、ベビーコラーゲンの出番です。ベビーコラーゲンならば、膨らみすぎたりチンダル現象を起こしたりしません。
・・・ですが、欠点は溶解できないこと。なので、入れすぎてしまうと、吸収されて減ってくるまで我慢していただくしか手立てがないのです。
ゆえに、ベビーコラーゲンの注入は、初回は若干控え目に仕上げます。そして、1か月目に追加注入をして、仕上げてゆくという感じです。
今回も初回なので、80~90%の仕上がりを目標に注入しています。
注入直後なので、赤みと若干の浮腫がありますが、数時間で引いてきます。
ベビーコラーゲンを両側で0.3cc注入しました。
かなり疲れたお顔が元気に見えるようになっているかと。1か月後にタッチアップ予定です。
そして、特記すべきは・・・注入したのは目の下だけなのに、何となく法令線まで浅くなったかのような錯覚を起こしますね。
ひとつのシワがいろんなところにまで影響を及ぼすのです・・・。
①のTear troughだけならまだそうでもないのですが、①+②とシワが延長してくると、急に老けて疲れた印象のお顔に変身してしまいます。
もっとたるみが加わると、フィラー注入だけでは十分な改善が難しくなりますので、「まだ化粧でなんとかなるかな?」ぐらいの段階でお早めに治療を受けられることをおすすめします。
この部位はどうしても細かいデザインが必要になるため、鋭針を使用します。この方はあまり内出血しませんでしたが、どんなに慎重に注入しても、目視では確認できない毛細血管に針先が当たってしまうことがありますので、1~2か所内出血してしまうことが少なくありません。治療には2週間ほどゆとりを見ておいてくださいね。
ベビーコラーゲンは0.5cc 60,000円です。