ここしばらく、ミステリーとか新刊コミックとか結構読んでました。
「君に届け」「ちはやふる」「聖☆おにいさん」「無限の住人」「バガボンド」楽しみにしてた作品が一気に。ということはまたしばらくブランク覚悟ですが。
ブランクといえば1月に復活した「ハンター×ハンター」がまた休載となりましたね。6ヶ月連載は大方のファンの予想を裏切る頑張りでした、また待ってますよ冨樫さん。しかし、ネテロ会長も自爆死してゴンの能力も暴走を始めました。どこか作品に死の匂いが濃くなってきたと感じるのはワシだけでしょうか。

で、死を悲劇だけにまとめなかった「永遠の0」です。文庫にしては分厚くて通勤にはツラいなと暫く躊躇してましたが、買って良かった。
解説に児玉清さんが書いた通りです。グングン引き込まれて気付いたら泣いている、電車の中で無かったらワシも号泣してたでしょうね。
涙が止まらなくて読むのを止めた時もあります。
戦争の悲劇と言えばそれまでですが、戦死したひとりひとりの兵士とその家族にあまりに切ない想いがあったのだと、最後に心に残るのは人は人を愛するという当たり前のようで抱き締めたくなるようなことでした。


児玉さんが言うように本作のもう一人の主人公はタイトルにある0、即ち零戦、第二次大戦で日本が誇った戦闘機です。ワシがまだ幼稚園に上がる前くらいに子供の頃、零戦復活なる催しに父に手を引かれて本物を観に行き、子供心になんて美しい緑の飛行機なんだろうと思った記憶があります。今その機体は米国のスミソニアン博物館に展示されているそうな。

戦闘機が愛を語る器となるなんて奇妙な話ですが、それをこみ上げる想いで読者に読ませる作者の技量はさすが「探偵ナイトスクープ」の放送作家でならせた腕前ですね。心を届けることに長けてます。


戦争を知ってる世代、知らない世代も読んで欲しい力作です。児玉さんと同じこと言ってます。

ではでは
上映中の映画には、まだ観てない方の為にもなるべく具体的なことは書かないようにしてきましたが、本作については少しだけお許しを。

主人公と少女2人の悲劇のオリジナルはともに父親による家庭内暴力、それも底なしに救いがないほどに。
子供時代に虐待を受けた人間は将来自分の家族に虐待を行う傾向が高いと言われますが、主人公の暴力はそれに近い。
暴力を心底憎むが故に暴力に心が囚われてしまう、不可解なようで人間の心の在りようの複雑さでしょうか。

一方少女は暴力と決別しようと歯を食いしばって生きている。その様があまりに健気です。
その姿に触れた主人公もついにに暴力の螺旋から決別しようとするのですが、その刹那、2人それぞれの悲劇がクロスして新たな悲劇を産んでしまうなんて。こんないたたまれない映画は久しぶりです。

フライヤーに載ってたどこかの映画評の通り、漢江での2人のシーンは泣けます。泣けるけど他のどんなラブシーンより美しいかも知れません。


是非観て欲しい。
それだけです。

ではでは
成海璃子ちゃんがこんな映画があるんだ、凄いって言ってた「息もできない」を六本木シネマートで観ました。
シネマートってミニシアターのコンプレって感じ。今は韓流フェスティバル中でおばさま方も多かったが、さすがにこの映画は違った。

暴力に明け暮れる主人公と暴力に傷つきながらも必死に生きる少女の物語、だけど決してラブストーリーじゃない。暴力で破壊された、家族という小世界をもう一度築き直そうと、2人のまさに息もできないほどの思いがスクリーンにほとばしってました。

暴力シーンの緊張感と恐る恐る心を通わせようとする2人の場面のぬくもりが交互に繰り返され、次第に観ているワシらも温かいエンディングを期待してしまうんだけど、やっぱりそうはいかなかったね。さすが世界中で賞貰いまくりです。


バイオレントな主人公を演じた男優は韓国では既に名優、本作の監督、脚本、演出殆ど全てを独りでやり遂げ、おまけにこれが初めてって凄過ぎる。
制作費を捻出するために自宅まで売却したってフライヤーには書いてあったぞ。
正真正銘の映画バカですな。


2週続けて韓国映画にガツンとやられました。
逆襲の邦画は、とりあえず「告白」でしょうか。
明日また観たいと心底思う一本です。

ではでは