かねてより「ゾンビランド」と共に観たかった「ミックマック」、恵比寿ガーデンシネマで観てきました。

あの「アメリ」の監督による新作コメディは「アメリ」そのまんまのカラー、軽妙な会話とテンポが楽しい。多彩な登場人物自体がいたずらの仕掛けそのもの、大爆笑はないけど始終クスクス笑っていられる映画の楽しさ。作品全体が大きなからくり時計みたいでしたな。

ただ、印象に残るシーンとか台詞があっかと云われると…思い出せないあせる心地よいけど深くない。もう少し生身の気持ちを表現できてたら良かったのに。

映画館出た後、独り言が偽フランス語になっちゃうような映画でムッシュゥ~にひひ

ではでは
いやあ1ヶ月のご無沙汰です。その間、映画全然観れんかった…忙し過ぎ。仕事変えようかな、ってともかく合間を縫って日比谷シネマシャンテで観てきました。

原題はザ・ラストステーション、ロシアの文豪トルストイは家出した旅の途中で亡くなったんだね。正直、かの名作「戦争と平和」も読んでません。なんか重たそうで、喰わず嫌いでした。

地位も名声も盤石な晩年、トルストイは自分を信奉する理想主義者の友人の薦めで、全ての著作権を放棄することを決めます。しかし、当然長年連れ添った妻ソフィアは猛反対、自分と家族の愛への裏切りだとヒステリーと濃密なラブコールで訴えかけます。

まあ、大きな夫婦喧嘩といえばそれまでですが、トルストイの子供を13人も産んだ奥様にしたら当然というか、普通に奥さんの反応でしょうね。
彼女にとってトルストイは世界的文豪ではなく、愛して甘えるたったひとりの夫でしたから。

何度となく衝突と抱擁を繰り返し、遂にトルストイは城のような自宅、事実彼は伯爵でした、から家出します。
しかし、偉大な文豪、民衆に愛されるトルストイですからマスコミも随行して毎日新聞に同行が報道される大名行列みたいになってしまいます。

持病の上に心労が重なり、旅の途中の駅舎の一室で危篤状態の彼の最後の一言は愛する妻の名前だった…。

実はトルストイ夫妻を主人公にしてしまうとあまりに重たいので、彼らの愛と戦いを身を屈めて傍観するしかない若き男性秘書の目線でストーリーは進みます。彼もその間にとっても魅力的な女性と恋に落ち、彼らの恋の成就を並行して描くことで大夫妻喧嘩映画にならないようにもなってます。

勿論これは映画ですから史実通りとは限りませんが、世界三大悪妻のひとりに数えられるソフィアって本当に悪妻だったの?夫婦って何だろうと自分たちも含めて考えてみるきっかけになるかも知れません。

そういえば単館上映もあってか場内はほぼ満席、大勢の熟年夫婦も来てました。

子育てもほぼ終わりつつある、微妙な風の吹き始めたご夫婦にお薦めです。勿論、夫妻50割引でとってもお得ですから。

ではでは
前回の「ゾンビランド」は職場の映画好き女子にデートで行けと強くプッシュしといたんだけど、行ってくれたかな。もちろん誰もが「えーっ、ゾンビやだぁ~あせる」と言うところをその気にさせるのは骨でしたが。


さて、「映画篇」は金城一紀作品の新刊文庫。
数多くの名作映画が狂言回しとなってオムニバス映画のような作品ですが、最後の一篇で全ストーリーが交錯して仕上がる展開はお見事。
ワシには今年の暫定第一位ですなぁチョキ

作中には何人もの映画好きが登場しますが、みな作者の分身なんでしょうね。その時映画を観る理由なんて掃いて捨てる程ありますが、感動や後悔の記憶は確実に自分の胸に刻まれていきます。
金城さんて本当に映画が好きなんでしょうね。
映画を観る人達にもその時その時のドラマがあると自ら知っている、だから彼はこの本を書いたのかも知れません。

一冊に治められたどのストーリーも秀逸ですが、ワシ的には第一篇と最終篇が特に好きです。
きっとまた読み返すからブックオフ行きはないでしょう。

手元にあるだけで愛しい、そんな一冊です。

ではでは