# 技術職

 

目の前のことも及第点までできないのに、次教えて、教えてと新しいことばっかり求めていいのかわからない。

どういうスタンスが必要なのだろう。

自分に向けられることって、「まずは目の前のこと100点取れよ」なのか「新しいこと覚えようとしない、積極性がないな」なのか。

 

今のことの次には「たぶんやりたくない(たぶんやれない)」となんとなく感じていることが待っている。進まないようにしているのかもしれない。

兄のような存在の美容師さんは技術職の先輩ともいえるが彼はこんなことを言っていたな。

「やりたくないことも、本当にやりたいことのためにはいずれ必ず通ることになる。どこかで必要になる。」

逃げていてもいずれ壁となって進路に現れるのだろう。

逃げるでもなく、なし崩し的にも続けるということは、嫌なこともいずれやる時が来るってことだ。やりたくないことを結局やらざるを得なくなるってわけだ。


 

さっさと目の前のことで100点とることだけ考えればいいのか。

テーマは「なに」で、宿題というか練習課題は、できないのであれば問題は、100点とはどんな状態なのか。

 

ただ。音楽や料理、スピーチ、仕事、発表などすべて、全般に言えるのが、

人様に自分の手仕事を披露するということが、どうしてもそこに至るまで磨き上げることができない、ということだ。(できた試しがない)

きっと、不器用という域は超えていて、体と脳のリンクがうまくいっていないんだと思う。

体のコントロールがすごく下手で、脳で考えたことを(口や手を含め)体で動かして表現することが難しい。先天的に。

 

それをなんとなく悟っていて、今から技術職を、というのはちょっとまだ勇気が出てこない。

自分が手仕事を、という想像がまだできなくて、そんなゴールは描けなくて、描きたくなくて、次に進むことができない。

 


そして、できないことと向き合う日々。毎日、これができない、怒られる、できない自分に恥じる、嫌になる、自分の手仕事を見て、情けなくなる。

技術職は、自分の恥と向き合う覚悟が要るのだ。

 


 

 

# 情報、不確実な想像、勇気

 

美容師兄さんは、

相手の想像を超える最高のサービスで、感動をして頂くために、その人の状態や身につけたアクセサリーやファッション、会話の内容、要望、情報をなんとか集めて、

「この人はこういう気持ちでこうしたいのかな」、という不確実な想像をたて、それを信じて動いている。信じるしかない。

と言っていた。

 

人へのサービスや心遣いというのは、相手の情報集めと、不確実な想像と、それをやる勇気で成り立っているのだ。

飲食業や接客業、いや身近にいうなら、目の前の相手も含めて、

感動するサービスを提供したり、相手が喜ぶことをしたいと思うのなら。

 

もしかしたら、最初はずれていることも多いのかもしれない。でも、その積み重ねが精度となっていく。

 

担当の美容師の兄さん、お店の仲居さん、みんなそれを実行した上でサービスを提供している、プロフェッショナルなのだ。

みんな勇敢なのだ。

 

 


# 察して
 

あ、不確実な想像をもとにサービスをって言っておきながら、

「察して」文化って無理なんだよね。

メンヘラになりたくない、と思った時に「わかってよ!」「察してよ!」という気持ちを自分の中で否定するようになってしまった。

人に期待することをやめたからだ。

そうして「訴えたいことがあるなら」自分から「察してよ」を発さない、周囲の「察してよ」は無視をして相手が主張をしてくるまで待つ、というスタンスになってしまった。

外で咳払いなどをして相手を動かそうとしてくる奴はその最たる例で、喉をかっきってぶっころしてやろうかというぐらい嫌いだ。


要は、アクションを強要される「察して」が嫌になってしまった。強要したくない反動だ。

 

だから「察して」ということ自体に自分が反応することができなくなってしまった。気遣いできた方だったのに、気遣いしない・できない奴になってしまった。自分の想像で動くのではなく、GOが出るまで、確実な情報を出されるまで、待つ姿勢になった。


勝手に察して勝手に行動する。相手のことを私が決めるなんておこがましい、という気持ちも働く。察して不確実な情報で行動する勇気はない。

 

でも、それでも気遣いできる人って、傍目から見てすごくかっこいいんだよ。

何もしなければ相手に何も届けられないので、勇気は出すべきだと思う。

こうしよう。相手から他人に何かさせようという「察して」が見られたら無視して、自分から進んで勝手に察してなんかしてあげたいという察するは積極的にやろう。

 

 

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日々のこういう気持ちから気づいたことは、

きっと飲食店やサービス業は向いていない。人間に向いてない。

 

技術を磨くなんて到底できないし、察しても今のところ難しい。全部勇気がない。前に進む勇気、察して不確実な情報で行動する勇気。

多分飲食店は確実に向いてないと思う。かといって向いていることが何かわからない。なんだったら自分の能力が役に立って、必要とされるのかわからない。うんち。