【岡崎真の目】羽生、失敗した後も丁寧な演技 五輪連覇へ“本気”感じる
フィギュアスケート オータム・クラシック ( 2017年9月23日 カナダ・モントリオール )
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「SEIMEI」の曲に乗って滑る羽生結弦 Photo By スポニチ |
ジャンプの失敗が目立ち、フリー5位で結果的にはフェルナンデスに逆転を許した羽生だが、演技全体を通して見ると印象は悪くなかった。何より感心したのは、ジャンプで失敗した後も気持ちを制御して、プログラム全体を丁寧に演じきったところだ。
例えば、静かな曲調で動きを激しくしづらいためレベルは3にとどまったステップ。一つ一つを丁寧に行って、GOE(出来栄え評価)による加点を引き出している。ミスが重なると抑えられがちな5項目の演技点で9点前後を得たことも審判に丁寧さが伝わった証拠の一つではないだろうか。
改めて確認しておきたいのは、ジャンプはあくまでプログラムの要素の一つにすぎないということだ。これまでの羽生はノーミスの演技の中でもジャンプに焦点が集中し過ぎ、ジャンプ以外の部分に「余白」を感じさせることもしばしばあった。だが、前日のSPも含め、今季は明らかに違う。本気で五輪連覇を狙っていることを感じさせてくれるし、このままの方向性でジャンプの精度が高まれば「凄いことになる」という予感がしている。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ
羽生結弦、まさかの「つまずき」を海外はどう見たのか 「次の舞台」に注目も
フィギュアスケートの男子シングル羽生結弦(ANA)は今季初戦となったオータムクラシック(カナダ・モントリオール)で2位だった。ショートプログラム(SP)で自身が持つ世界歴代最高得点を更新しながら、フリーはミスが続いてハビエル・フェルナンデス(スペイン)に逆転優勝を許した。
羽生はSPで自身が持つ世界歴代最高得点を更新する112.72点をマーク。右膝の違和感がありながら、完璧な演技を披露した。しかし、フリーは一転、ジャンプにミスが相次ぎ、155.52点と得点を伸ばせず。フリー自己ベストに67点及ばないスコアで、合計268.24点で優勝を逃す形となった。
まさかの失速を海外メディアはどう見たのか。
米テレビ局「NBCスポーツ」電子版は「ユヅル・ハニュウがつまずき、ハビエル・フェルナンデスが開幕戦優勝を手中に収める」と見出しを打ち、要因について分析している。
「ハニュウはこれまでも似たような体験をしている」と記し、2015年、16年の世界選手権もSP首位に立ちながら、フリーでフェルナンデスに逆転負けを喫し、2位に終わったことを紹介。その上で、羽生自身はシーズンを通してみると、スロースターターであることを伝えている。
「日本のメガスターは過去の数シーズンにわたり、秋の大会で脆さを露呈することで知られている」
羽生は直近2年、オータムクラシックこそ連覇していたが、グランプリ(GP)シリーズ初戦は5年連続2位。14年のソチ五輪、今年の世界選手権のように、圧倒的な強さを発揮するシーズン後半とは対照的だが、収穫と課題を得ながら、きっちりと状態を上げていることが王者の強さでもある。
まして、記事も「ただし、今回、彼は膝の負傷を持ってモントリオールにやってきた」と擁護した通り、万全の状態ではなかった。にもかかわらず、SPで衝撃的な世界新を樹立するなどして発揮した底力は驚きだろう。
「ハニュウの次の舞台は4週間後に迫るロステレコム杯だ。そこで彼は18歳のアメリカ王者、ネイサン・チェンと相まみえることになるだろう」
記事は羽生の次戦、GPシリーズ初戦のロシア杯に注目した。シーズンは始まったばかり。まずは膝の状態を万全に戻し、本来の王者の姿へ。輝く時間は十分に残されている。
ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer
今季もジェットコースターな
結弦くんかな。
しっかりついて行きますよ~。
膝、身体のケアをして、しっかり
休んで次に臨んで。
ピークは来年2月だものね。(*^^*)
(画像、記事文は感謝しつついお借りしました。)