いつか、舞楽の「陵王」を見てみたいとずっと思っている。

 

 

youtubeで舞を見てから、一発でやられてしまった。

俗にいうノックダウンというものなのだろう。

 

人ではない、なにかが舞っているようなこの雰囲気。

緩慢で飄々とした動きなのに、ものすごく雅だ。

まるで重さを感じさせない動きで、時折聞こえてくる踏み込む音で、そうだ、これは人間は舞っているのだったと思い出すほど。

 

そして、舞もさることながら演奏もすごいと思う。

すごい、だなんてなんと陳腐な表現なことかと思うけれど、でも、そうとしか言えないのだ。

リズムとかメロディーの問題ではなくて、音があっての舞であり舞があっての音って感じ。

音は「耳にする」ものとばかり思っていたけれど、そうじゃなかったみたい。

音は「目にする」ものなのだと思った。

 

この雰囲気はなんなのでしょう。音が作り出す空間がともかくすごいのだ。

とっても優雅で厳かなのだけれど、重く、塞がれた空間を作り出してる感じだ。でも、それが嫌とか不快に感じることがないから不思議だ。

この舞台だけの世界が作られてしまっているみたいで、あきらかに違う世界を目にしているように思える。

とっても自己完結した世界。誰かと共有するとかの感じではなくて、私と舞手だけがいる感じだ。

あまりに圧倒されすぎて、ちょっとした眩暈がするくらい。

映像で見ても分かるほどに、強烈な空間だと思う。

圧倒的だ。

 

雅楽とか舞楽は全く知らないけど、陵王は本当におすすめです。

なんと素晴らしいものなのでしょう。

いつか生で見てみたい。この音を目にしたいと切に思っている。

 

最近は仕事にも、生活にも疲れてしまって、正しく倦んでいるって状態だ。

こういう時はどうしようもないと分かっていけれど、どうにかならないものかと考えてしまう。

だからこそ、倦んでいる、って言えるのでしょうけど。

 

写真はパウンドケーキ。

最近買ったオーブンの火力が思ってた以上に強くて、少し焦げてしまった。

パウンドケーキすら焦がしてしまうなんて・・・ 何事もうまくいかないって感じ。

次は気を付けよう。

 

あーあ、この舞の空間に閉じ込められたままだったいいのに。

そうしたら逃げられるのにね。

でも、そうはできないから、私も上手く舞わないといけないんだろうな。

誰よりも上手く舞い続けなくちゃいけないんだろうな。踊るのは苦手なんだけど。