彩色テラコッタ工房・FIGULUS -2ページ目

PIACERE! 初めまして!テラコッタの世界へようこそ

BUONGIORNO A TUTTI !!

初めまして!

テラコッタ・アーティストのフランチェスコ、通称フランコです。

南イタリアのカラブリア州、ラメツィア・テルメという町に住んでいます。

今日から少しずつ、日本の皆さんに私の情熱の結晶であるテラコッタ作品と、

その背景などについてご紹介していきたいと思っています。

どうぞよろしくお願いしますね!



さて。

テラコッタとかカラブリアとか、ラメツィア・テルメとか・・・

馴染みのないカタカナだなと思う方も多いかもしれません。

少しずつ、ということで、まずはテラコッタの説明から始めましょうか。


現在、テラコッタといえば、

少し赤みがかった土色の、素焼きの鉢を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

ものすごく大きな五右衛門風呂のような植木鉢に、オリーブの木が植えてあったりとか?

東京でも随分見かけるらしいですね。

(私、まだ来日したことがないので・・・噂で聞くだけですが)



テラコッタ。正確にはイタリア語で「テッラコッタ」と発音します。綴りはTERRACOTTA

テッラterraは「土」、コッタcottaは「焼いた」「加熱して料理した」などの意味があります。

そう。

要するにテラコッタは「焼いた土」、焼き物のことですが、その範囲は極めて広いのです。

イタリアで言えば、古くは先史時代である新石器時代から古代ギリシャ・ローマ文明

そして中世ルネッサンス時代へと少しずつ形を変えながら人間の文明とともに常に存続してきた、

生活とは切っても切れないものだったのです。


身近な土(粘土)をこねて、形を整え乾燥させ、そして火にかける。

シンプルな壺や器、レンガ、宗教的な意味を持つ人形など、

古くから生活用品・建築材料・儀式にとマルチに活躍した素焼きがテラコッタなのですね。

言ってみれば、縄文時代の土器や埴輪もテラコッタ、ということになるでしょう。


古代ギリシャ・ローマ時代には、さらに形が洗練された壺や食器などが登場しました。

素焼き表面の質感も、よりなめらかになってきます。

たとえば、赤っぽい土色の素地の一部に赤と黒の顔料を塗り、

そこにギリシャ神話の登場人物や動物の姿が繊細なタッチで刻まれた壺などは、

日本の皆さんもきっと世界史の教科書などで見たことがあるのでは?


ギリシャ時代、イタリアにはエトルリア人と呼ばれた中部イタリア起源の民族が、

これまたテラコッタで美しい像や個人を模した人物像をあしらったお墓、建物装飾などを製作しています。

彼らは古代ギリシャ人など文明国の人々との地中海交易を通じ、

独自の器用さで素晴らしい美意識を発揮しました。

ギリシャ風の壺なども、実はエトルリア人の作品のほうが優れていたりします。

現存するものだけで判断するわけにはいかないのですけれどね。

ミロのビーナスに対抗できるような、テラコッタ製の実に美しいアポロン像なども、

ローマの博物館で今も見ることができますよ。


このように、素焼きの上にちょっとした彩色を施したり巧妙な成形をしたり、

時代が下ってルネッサンス時代(15世紀以降)には、

フィレンツェを中心とした地域で「古典復興」つまりルネッサンス運動が起こり、

古代ギリシャ・ローマの素材のひとつであるテラコッタが再び見直されることになります。

ドナテッロやデッラ・ロッビア一族などの手により、さまざまな美しい塑像作品が生まれました。

テラコッタは芸術作品として、イタリア文化のもうひとつの重要な役目を担ったのです。

大理石彫刻とは風合いが異なり、どことなく素朴な雰囲気が漂うテラコッタは、

素焼きそのままの姿も、また釉薬をかけてつやつやした作品も、

中世の暗黒時代を経て「人間らしさ」を取り戻した

ルネッサンス時代の一面を象徴する隠れた素材であった、ともいえるかもしれません。


長くなってしまいましたね。

では、フィグルスのテラコッタとは、どんな位置づけなのか?

今までの話では、南イタリアなんて一言も出てきてないので皆さん疑問に思われたかもしれません。

ええ~とりあえず・・・私の作品の一部をお見せしましょう:

彩色テラコッタ工房・FIGULUS

これだけじゃわかりにくい?

すみませんが追々ご紹介していきますので、あしからず・・・


ちなみに、これは壺の一部です。

ということはつまり?


そう、カラブリア州といえば、実は古代ギリシャの影響が色濃い地域なんです。

ではカラブリア州はどこかというと、

長靴型のイタリア半島の中で一番南、

つまりブーツのつま先部分がそうなのです。

シチリア島をまるでサッカーボールに見立てて蹴っているような部分ですね。

(さすがはイタリア!?)


地中海に面し、海上交通に便利なカラブリア州は、古代ギリシャ「マグナ・グラエキア(大ギリシャ)」にとって
非常に重要な地域だったんです。

ギリシャ植民都市も多くつくられ、人や物の行き来が活発で、

今でもイタリア屈指の遺跡や重要な文化遺産が保存されています。

ヨーロッパの起源ともいえる歴史が宿るこの土地で、私は育ったのです。


今回は細かい説明をはぶきますが、

私は実は、20世紀後半に入って忘れ去られてしまった歴史を復活させたくて

テラコッタ工房をオープンしたのでした。

それというのも、戦後復興したイタリアでは、1960年代から

大量生産技術が徐々に台頭し、

私の故郷でも、

それまで特産品だったテラコッタ製の食器や生活用品をつくる工房が

次々とプラスチック製品に押され、

ついには完全に消滅してしまったからなのです。


手作りのものにしか味わえない満足感というものがあります。

この土地に息づく歴史と文化に敬意を表しながらも、

フランチェスコ・セッラトーレという一人の人間だけが到達できた

独自の技術で生まれた、新しい解釈のテラコッタとの出会いによって、

皆さんの生活にささやかな幸せをもたらすお手伝いができれば、

こんなに嬉しいことはありません。



初回ということで、長くなってしまいました!

これから少しずつ、カラブリアの紹介なども交えながら

ブログを続けていきますので、

日本の皆さん、長い目で応援してくださいね!

CIAO E A PRESTO !!


FRANCESCO SERRATORE