働き始めて思ったこと。
それは、看護なんて患者さんの病室に行かないとはじまらない、ってこと。
この間、実習生が来ていたんだけど、ぜんぜん患者さんの病室に行ってなかったのね。
まあ、実習2日目だし、そんなもんなのかな、と思ってたんだけど、
報告の時に、
「○○さんの状態を考えて、必要ないと判断したので、午後のバイタルは計ってません。それより、今、看護問題について悩んでいるので聞いてもらっても良いですか?」
貴様、バイタルも計らず何してる、と思った。
看護問題看護問題ってなあ、そんなに分析やらおべんきょーが好きなら帰って記録と向き合ってろ!!と叫びかけた。
私は口べただからあんまり患者さんと話したりできなかったりする。
でもさ、だからこそ、バイタルはちゃんと計るようにしてる。
看護師がきて、バイタルを計ってくれるっていうのは、なんか患者さんにとって安心できることみたいな気がするから。
患者さんの気持ち的なことに介入しようと思ってもさ、いきなり看護師が来て「ちょっと話させてくれ」って言われたら、何事かと思うけど、バイタルのついでなら、患者さんはよく話してくれる。
し、私が逆の立場でも、入院中バイタルを計ってくれる、看護師さんが自分の体を気にかけてくれてる、って実感できるのはすごい安心すると思うんだよね。
バイタルも計らず、「はいかわりないですねー」って言われたら、凄い不信感に襲われる。
だから私は、なにはなくともバイタルを計って、ちゃんと数値を伝えて、以前からの情報を収集していたら「あれはお変わりないですか」「頭痛は最近、少しはよくなってますか」と話しかけて、『あなたの病状、知ってますよ』アピールをするよう心がけてる。
私は風邪くらいしか引いたことないんだけど、それでも、しんどい時に、熱を計ってくれるのは凄く安心できるし、「頭が痛いのはどうですか?吐き気は少しは良くなりましたか?まだひどいですか?」って聞いてくれたら、すごい嬉しいし安心する。
ああ、自分がこんなにしんどいことをこの人はちゃんと知ってて、考えてくれてるんだなと思う。病室にしょっちゅう来なくてもね。
愛の反対は無関心とはマザーテレサか誰かの言葉だったと思うけど、気にかけてもらってるっていうのは本当にうれしいもんなんだよ。私はね。
だからまあ、私は私がしてもらって嬉しいことをしようという、まあ自己満足的考えではあるけれども、それをこの1年で心がけてる。
看護って気にかけることかなと思う。気にかけてるのを伝えていくこと。
急変とか重症とかが少ない病棟だから、こんなひまがないとできないことを言ってるのかもしれないけどさ。
重症患者さんについたとき、ほんと、10~30分毎にバイタル計っててさww
そしたら、ご家族の人にすごく感謝されて、「本当に手厚い看護をありがとう」
と、言われたのが、すごく忘れられない。
そのあたりから、バイタルって大事だな、気にかけるって大事だな、って思った。
「頭が痛い」って言って、バイタルを計ってもらえたら、私だったらとても安心する。
私の頭が痛いのを真剣に考えてくれてるんだって実感するから。
だからこそ、そのバイタルを切り捨てて、しかも病室にも行かず、カンファレンスルームで先生と看護問題について議論して、机上の空論もいいところだと。
あなたは○○ちゃんとちゃんと話したの?と。
実習二日目。
まだまだ情報収集の時期でしょ?
その時期に、話もしないでバイタルも計らないでなにしてる。
しかも相手は子ども。いくらでも、病室に遊びに行って大歓迎してくれる子ども。
なんて、私が学生時代に会ってたら確実に『この看護師うぜえ』と思ってたことを思ってました。
当時は、「そんなに病室に行ってもさー、じゃまになるだけじゃん。患者さんもひとりになりたいさー学生と話したりするよりもー」と思ってた。
だらだら病室にいる必要は今もないと思ってるけど、でも、
気にかけてる、ってことを伝えるのは、すごく大事。
伝え方もいろいろあるし、それは研究中だけど。
とかそういうことが渦巻いて、最終的には
「事件はカンファレンスルームで起きてるんじゃない!!病室で起きてるんだ!!!」
と某刑事ばりにレインボーブリッジから無線で叫びかけたけれども、ぐっと我慢して
「バイタルくらいは……計ってね……」
とやさしく言いました。
2年目看護師です。
そんな私は今日も、先輩方から、
「NNさんこの看護問題ちがくね?」
と言われます。
まあ単に看護問題云々私嫌いなんだよ。ね。