責任の重さに吐き気がする。理不尽なこともある。そのたび頭下げて謝って笑えば満足ですか。

 情けない時もある。泣いてしまって、そんな自分が許せなくて、トイレで泣いて、それで記事を書いて帰る。

 こんな私を責めて満足ですか。ちゃちな満足感に浸っている年上の同期。上から目線で説教垂れて、だれがそんなことしてくれって言ったよ。私が一番、私ができてないことは分かってるんだよ。もうやめて。

 ほら、ほらほら、あの先輩が来たら、今まで私を凄い勢いで責めてたくせに、なぐさめて上から教えてあげる口調にチェンジ。あなたは私がなんにも分かってないだろうと思ってるだろうけど、私はちゃんと見てるよ。あなたが、私に対する態度を先輩へのアピールに使ってること。人目のあるとことないとこの私への接し方、露骨だもんね。

 でも、悪いのは私に見えてる。ぜんぜんできないのは私。悪いのも私。だめなのが私。くやしいよ。なんでなの?私から見たら、だって、全部、みんなやっちゃいそうなことに見えるんだもん。でも、私だけなんでかやってしまう。そういう患者さんに当たってるんじゃないか。だって、私だけ日勤多いもん。

 なんて言い訳をする人間が一番成長しない。分かってる。でも、今までずっとそう言って自分を責めてきたんだもん。ちょっとくらいいいでしょ?なんで私だけ?どうして?何が足りない?勉強する時間なんてないよ。帰ったら寝るだけで精一杯。休日にはやってるけど、平日にはできない。しんどい。寝なかったらミスするし。寝てもミスするけど。


 ああ、明日も勤務がある。朝は死にたい、死にたいと言い、夜は死ね、死ねと呟く。毎日呪いをかけながら生きてる。私。あいつだけは死ね。


 私はこれまでそれなりの学校に通って、それなりの育ちをしてきた。それなりですらキープするのはそこそこ大変だったけど。それで、それなりの努力をしてここにいる。私はそこまでプライドが高いほうじゃないと思うけど、腹が立ってしょうがない。なけなしのプライドが叫ぶ。


「「中学も碌に出てない人間に、しかも、今年から正看護師になった人に、いっぱしに先輩風吹かされたくない!!!!!」」


 働いたことが、働いたことが、って、准看護師でしょ。

 同期でしょ。

 中学ですら耐える努力をしなかったんでしょ。

 耐えてないでしょ、言うほど。彼女が言うほど。

 なのに私のこと、努力知らずみたいに言わないでよ。

 あなたがドロップアウトした中学を私は耐えてきたし、それなりの学校に入って勉強もしてきたんだよ。

 幸せそうに見えたって、水面下でたくさんしんどい思いもしてる。


 私に説教するなら、高校出て、少なくとも正看としてある程度働いとけ。


 性格悪っ。でも我慢の限界だからここで吐き出させて。


 卑しい。育ちがいやしいってこういうことなんだ。姑息。すべてが。蹴落とすことが前提なの。


 はあー……。お育ちの良いわたくしにはわかりませんわ!!ほほほほほ!!下の者の考えることなどわからなくてよ!!!

 お黙り!!

 もう、気分はお蝶夫人かマリーアントワネットで。もう、思いっきり上から見下ろしてやるか。


「まあ!卑しいこと!」

「まあ!誰にでも媚びて、まるで威厳というものがありませんわね!」

「お黙り!うるさい口だこと」

「わたくし、あなたのような方初めてですのよ。どうしてここにいらっしゃるのずうずうしい事!」

「まあ、あなたに合うドレスはみんなハムを縛るヒモみたいに見えるのね!ダイエットなさったら?」


 いじわるお嬢様をいつも心の中に、プライスレス。