私は人に自分の言いたいことを伝えるのが苦手です。

友達との会話でも聞き役に周りがちな私。

突然「え?それってどういう話?」とか聞かれると、当然のように混乱します。

「えーと、だからさ、あの、トトロっていう森に住んでる守り神的なものがさ、姉妹の前に現れてね。猫バス呼んだりとか、木をいきなり生やしたりとかさ、姉妹をめちゃくちゃ楽しませてくれて最終的には母親のお見舞いにも連れてってくれる話」

「……感動って言ってたけど、それのどこが感動なの?」

「だからぁ、見なきゃ分かんねーよ!見ろ!」


いろいろはしょり過ぎって言われますが、だって無理です。

宮崎監督が総製作費何億もかけて、スタッフ動員して、何年もかけて、約3時間にも及ぶ時間で展開していく物語を、言葉で説明しろって、無理だよ。

ジブリなめんなって話。

むしろ言葉で説明しようとする猛者に私は声を大にして言いたい!


お前の話でトトロが分かるかって!

話せるのは導入だけです。

それで興味持ってくれなかったらもう相手にトトロは一生分からないよ。


そういう態度が出ているのか、「え、トトロってどんな?」って聞いたときに、ながながとあらすじからなにから話し始める人が苦手です。

そういう人、話し上手になれる可能性を秘めているんだろうけど。

「あのね、まず、さつきとめいっていう二人の姉妹が、お父さんと一緒に田舎町に越してくるのね。それで、お母さんは入院していて……おい話聞いてる?」

「え?!あ、聞いてるよ!!うんうん、なるほど」


だってその場で思いついた言葉じゃ、どんなに長く話されてもトトロ分かんないもん。絶対。



そんな、あんまり話たがらない私。

こんなふてぶてしい態度が祟ってか、指導者さんや先生に『報告』するのが苦手でした。

伝えたいことは漠然と頭にあるのに、話しているうちに訳がわからなくなって、最終的に着地点不明。

私「……なので、異常なしです!」

指導者「ちょちょちょっと、異常なしってなんで分かるのよ」


くっ……無理矢理着地しようとしたせいで逆に傷を広げた……。


ということもざらではありませんでした。


そんな私にいいもの見つけた。


SBARっていうコミュニケーションの方法が、今アメリカで考案されて日本でも取り入れられ始めているようです。


SBARとは、Situation、Background、Assessment、Recommendationの頭文字を取ったものらしい。

これはもともと患者さんに異変が起きた時に看護師が医師にその状況を伝えるためのものらしいんですが、報告にも使えないものかと考えてみました。

……が、なんだか難しい感じ。

『報告』って、異常を伝えるものじゃなくて、今日何をやったか、指導者に何をお願いしたいか言う、『申し送り』みたいなものだからなぁ。


でも、異常を報告する時にはとても役立ちそうなので、簡単に書いておきます。


①状況。今何が起こっているのかを、先にズバッと伝える。そしてその根拠を伝える。


②背景。状況に関連すること以外のデータ、様子。


③アセスメント。私から見てどうしてこれが起こったのだと思うか。分かりません、も有り。


④提案。こうしてもらえないか、ということを柔らかく提案。


そんな感じらしいです。

緊急時に使えそうなコミュニケーションツールですので、詳しく知りたい方は是非いろいろと調べてみてください。


それにしても、何かいい『報告』の方法はないでしょうか……。

国試が終わったら探したいものです。