産地直送 MAX丸見え特捜部ログ ぶっちゃけまっくす! -1302ページ目

「まじめなおはなし~役割と身幅(1」

模型誌の記事などで繰り返し話した事で、既に飽きのきた話題でもあるが、
figmaという企画の発端は「プラレス3四郎」に始まっている。
これはfigmaの第一弾としてプラ3が選ばれたわけでは無く、
あくまでもfigmaというフォーマットがプラ3からの派生なのであり、
最初はただのプラ3立体化企画に過ぎなかった。
少なくとも、浅井の認識ではそうだ。
「素体」と呼ばれているボディも、プラ3をシリーズ化するのであれば、
近いプロポーションのプラレスラーを作り分ける為に、
複製しておいた方が良かろうという認識で準備したものに過ぎず、
言わば途中原型とでも言うべきものだ。
プラ3は、プロトfigmaとでも言うべきものであって、
シリーズ企画としてfigmaという企画が見えてきたのは、
柔王丸や桜姫の原型が佳境を迎えた、今年の上旬である。

シリーズ企画として始まったわけでは無いfigmaだが、
その基礎となる関節の存在は、プラ3の時点から存在していた。
形状再現に特化したPVC製の本体を、安定性を求めた汎用関節で繋ぐ。
包み隠さず言えば、この考え方は海洋堂のリボルテックを意識している。
(※これは浅井から提示したもので、MAXファクトリーが、
意識的にリボルテックの向こうを張ったという意味では無い。)
現状、PVCの再現性を用いつつ、安定した可動を求めるのであれば、
この方法論は最も安全なのでは無いかと思う。
駆動部の雄雌を他素材で組む事は、
可動する製品を作る上では常識的に行われる手法ではあるが、
それを昔懐かしのジョイントモデルばりに汎用化させる事で、
問題の発生源を可動部に集中させ、製品全体の安定性を図る……。
PVC生産を中心とした現在のフィギュア製造ラインの上で、
昨今のフィギュアとしてのクオリティやイメージを保ちつつ、
トイ的な可動の安定性をも求めるのであれば、
この懐かしくすらある方法論はベストに近い選択肢であり、
その運用法の正しさに、発表された当時の浅井は震撼していた。
新機構よりも何よりも、重要なのは運用法だ。
どんなアイデアやギミックも、製品に反映されないのでは意味は無い。
当時も今も、製品が安定しない事に頭を抱えていた自分としては、
この方法に辿り着けなかった自分に苛立ちを感じていた。
また、仮に辿り着いていたにしても、
複数の製品に流用する事で初めてペイできるこの運用方法は
メーカー単位で動かねば実現が難しく、フリーの傭兵的立場である浅井では、
自由に運用する事はできまいと、諦めに近い感情もあったのである。
(ちなみに、「関節」では無く、「素体」の単位で取り組んでいたのがコナミのMMSであり、
こちらはトイの要素を重視した方法として正しいと思っている)

ここまで書くと、
「故に浅井はMAXファクトリーというフィギュアメーカーと組む事を考えたのだ」
という物語に繋がりそうだが、実際はそうでもない。
当初、プラ3にしか参加するつもりの無かった浅井が、
そのプラ3で同様の運用方法を提示したのは、
「僕は出来ないですけど、貴方達はできるでしょう、つかやれよ人数いるんだからよ」
という若干の捨て鉢さや投げやりさを含んだ、いわば「託し」であり、
プラレス3四郎(原作版)というネタを振ってくれた事に対しての、
置き土産のようなつもりだったのだ。
後々、ここまでガッツリ関わるようになるなんて、思ってもみなかった。

この話、長いので適当なネタを挟みつつ続く。


>気合を入れ過ぎると息切れ必至なのは、MAX渡辺ブログで痛いほど経験している僕としては

サイト更新もままならなくなっている僕ですよ。
みんなごめん、ほんとにごめん。


浅井真紀