ついに自分の会社を創業。でもようやく完成になった記念すべき1号はコスト高で、もはや会社は倒産寸前、一体の製作費用が5億もかかれば当然だった。

 だがしかし僕らの救世主が現れた。アラン・パーソン・プロブマン、このアラブの石油王が年間5体は確実に購入すると言われ、おかげで会社は一気に順調に運営できる様になった。

 我々の作っているものは人間にそっくりのレプリカント。今では当初5億かかった一体当たりの費用も技術の革新によって5000万程度に下げれる様になり、機能は1号に比べると100倍以上良くなった。無論、石油王アランへの価格は今までの半額以下にした。今ではほとんどの社員の車もランボルギーニやアストンマーチンに変わり、皆金持ちになっていた。

 慣れというのは恐ろしいもので、誰かの車が窃盗にあっても、ああまたかというくらいで些細な日常になっていた。

 まったく、湯水の様に金を使える顧客を持つと助かる。僕は社長として着実な経営をするだけなので、社員がどんなに金持ちになろうと気にしなかったが、路頭に迷う事だけはない様に常に気をつけていた。製品には常に革新と斬新なアイデアを取り入れ、アランの友人のアラブの石油王達を新たな顧客として取り入れていった。気がつくとビックリするくらいデカい会社になっていた。