上の姪の話です。

 

おととし、18才の時にお父さんが亡くなってしまって、

制服を式服として使ってはいけない高校だったので、いそいで私が喪服を買いに行った。

知っている限り東京中の店をまわって、一番可愛いキレイに感じた喪服を買った。

最愛のお父さんのお葬式だもん。一番似合って、キレイで、かわいくて、素敵な姿でお父さんに会ってほしかった。

 

でも、アクセサリーまでは用意しなかった。

 

20才になったら、Q太郎が振り袖を買ってあげると決めていたので、

私は、なんとなく、パールのネックレスとピアスをプレゼントしたいな、と思っていた。

値段は知らなかったし。

いずれお父さんの三回忌があるし。もう大人だから、式服を着る機会があるかもしれないし。

 

そうこうしているうちに、1年ちょっと経ち、もうすぐ姪の20才の誕生日。

今日、デパートに値段の下調べに行った。

・・・・むむむっ。想像していた以上に高い。

 

思っていた予算では、思っていた感じのものは買えそうにない。

でも、多分、お父さんの三回忌で初めてつけることになるパールのネックレスとピアスなので、妥協はしたくない。

わたしが一番似合うと感じた真珠を付けてほしい。

 

・・・・って思ったら、自分の不甲斐なさに涙が出てきてしまった。

 

私自身のパールのネックレスとピアスは人工真珠だ。就職したとき、両親が買ってくれた。

それが嫌だと思ったこともないし、人より輝きが悪いと思ったこともないし、人より濁っていると思ったこともない。

 

でも、姪には、ホンモノを付けて欲しいと思う気持ちが、両親に対して申し訳ないというか。

それなのに、気に入ったものは高すぎて買えない悲しさというか。

そんなにがんばって買って、使うのがお父さんの三回忌って悲しすぎる。嫌だ。

 

こんな状況が嫌で、耐えられなかった。

何もかもが嫌になって、家に帰って大泣きした。