
「疾風 Basement Fight」
「疾風 HAYATE Basement Fight」
製作:2003年
●裏社会のフィクサー・菅田俊は、ファイター同士を殺し合わせる闇試合の開催を目論み、多数の格闘家たちを拉致。恋人を菅田に誘拐された松田悟志、松田の友人で借金まみれの吉岡毅志、そして謎の女・大谷允保の3人が集められた。
ここに師匠を菅田の配下によって殺された空手家・松田賢二を加え、脱出不可能なデスマッチが幕を開ける。リーマン風の卑劣漢・高東楓が、賢二の仇敵・新井雄一郎が、大谷のライバル・清水あすかが、功夫使いの佐渡正城が次々と立ちはだかった。
松田たちは賢二を失いながらも、一連の戦いになんとか勝利する。だが、最後に待ち構えていた最強の刺客・山口祥行はとても手強く、3人は徐々に追い詰められていく。果たして、最後に生き残るのはどちらなのだろうか!?
本作は李小龍(ブルース・リー)へのオマージュに溢れた快作『烈風 ACTION!?』の姉妹編で、内容の8割が格闘シーンというアクション押しの作品となっています。
出演者の多くが『烈風』から引き続き登板しており、こちらでもハードな肉弾戦がこれでもか!と展開。新たに加入したダブル松田や大谷の動きも悪くなく、それぞれに見せ場となるファイトが用意されていました。
その一方で、ストーリーは凡庸だった『烈風』よりもグレードダウンしていて、正直言って壊滅的です(爆)。ツッコミどころは恐ろしいほど多く、釈然としない描写・説明不足の展開が嵐のように吹き荒れています。
どうして賢二の師匠はデスマッチに参加したのか? 菅田を見た吉岡が口走った意味深な台詞は何を示しているのか? 脱出不可能の空間なのにあっさり逃げ出せそうなのは何故? 回想シーンが前半に集中しすぎでは? …等々、挙げるとキリがありません。
個人的には、主役3人と遅れて合流した賢二がすぐに仇敵と遭遇し、一番早く脱落してしまう展開はどうかと思ってしまいました。いくらなんでも死ぬのが早過ぎるし、こういう因縁の相手との対決もクライマックスに持って来るべきなのでは…?
とはいえ、先述したように格闘シーンの出来は本当に上質であり、圧巻のファイトが堪能できます。序盤は回想シーンで停滞しまくるストーリーにイライラさせられますが、吉岡VS筋肉トリオの辺りから一気に加速し始めるのです。
そこからは松田VS武術指導兼任の佐渡、ウェポンバトルを交えた大谷VS清水など、多種多様なバトルが続発! 中でも吉岡の動作は相変わらず俊敏で、ラストバトルでは相手の膝に足を掛け、胸→顔へと連続蹴りを放つという妙技を見せてくれました。
そのラストバトルにおいて、3人を迎え撃つのが元JACの山口祥行です。彼は任侠系の『喧嘩組』シリーズ、時代劇の『新・影の軍団』、そして『新・年少バトルロワイヤル』などで猛威を振るい、その高い技量を披露しています。
本作では3人の攻撃にビクともせず、ノッシノッシと歩み寄る姿はまさにセガールの如し(…って流石にそれは言い過ぎか・笑)。結末はやや腰砕けですが、ラスボスに相応しい堂々たる強さを見せつけていました。
ソリッドシチュエーションとマーシャルアーツの融合という、『キル・オール!』を先取りしたかのような本作。格闘アクションは文句なしの出来なだけに、つくづくストーリー面の弱さが惜しまれます。
さて、KSS作品をめぐる旅も後半戦に突入。次回は日本有数のアクション監督となった某氏による、記念すべき最初の監督作に迫ります!

「闇の天使 DREAM ANGEL」
製作:2001年
●日中合同による石油プロジェクトが進む中、その計画に携わっていた中国人の女が殺された。犯人の衆議院議員・岡崎二郎は、秘書の西守正樹(『どチンピラ』!)や石油会社の副社長と共謀し、事件の隠ぺいを画策する。
この事態を重く見た両国政府は、事態の収拾を“闇の天使”に依頼。国家間の関係悪化を避けるべく、当事者たちを秘密裏に葬り去る事となった。
スタント女優の秋本つばさ、キャンギャルの青木理央、そしてカウンセラーのマリアンは、さっそく仕置きに向けて動き出していく。だが、一方で殺害された女の姉・翠玲が現れ、たった1人で仇討ちを強行しようとしていた。
マリアンたちは副社長を自殺に見せかけて始末し、続いて自宅の屋敷に閉じこもった岡崎たちに狙いを定める。ところが、ここに翠玲が介入したことで事態は一変。彼女と合流した“闇の天使”たちは、最後の戦いに挑むが…!?
さて本作は、大ヒットを記録した『チャーリーズ・エンジェル』の要素を取り入れた作品で、そこにR指定相当の濡れ場を惜しげも無く挿入。さらには必殺仕事人チックなテイストまで加えた、実に欲張りな一品です。
ただし『チャーリーズ~』らしいポイントは、黒を基調とした衣装(終盤にしか着用しない)とタイトル、顔の見えないボスが指令を出すという3点のみ。ちなみに本作のボスは安岡力也が演じていたりします(笑
ストーリーは仕事人シリーズにありそうな勧善懲悪モノで、どことなく同じタイプの『必殺!バトルロード』を彷彿とさせますが、残念ながらそこまでボルテージの高い作品ではありません。
まず気になるのが、低予算が見え見えの作りです。冒頭で映る上海の街並みがどう見ても横浜だったり、岡崎がクラブを持って出かけた先が打ちっぱなし練習場だったり(ゴルフ場じゃないのかよ!)と、そこかしこでショボさが垣間見えていました。
問題なのは、そんな状況でスケールの大きな話を展開しようとしている点でしょう。登場人物に英語を喋らせ、ワールドワイドな雰囲気を作り出そうとしていますが、そのせいで逆に無理をしている感が強調されてしまっているのです。
物語についてもルーティンな展開から抜け出せておらず、その内容も非常にスカスカ。例えば、中盤で暗殺の手筈を記した紙を紛失するくだりがあるのですが、これが敵の手に渡ってピンチに陥る…なんて展開に発展せず、何事もなく話が進行していきます。
もっと話を膨らませたり、伏線にする事が出来た部分もあるのに、それを上手く生かせていないのが本作の難点と言えます。ただ、秋本つばさのド派手な立ち回りは見栄えが良く、彼女のアクションこそが本作最大の見どころかもしれません。
秋本は『必殺!バトルロード』でカポエラ使いを演じており、今回も伸びやかな足技をビシバシと披露。序盤の撮影現場における豪快な殺陣、終盤のザコを相手にした乱戦は実に迫力がありました。
しかし、中盤のマリアンVS翠玲ではカメラワークのせいで本人が演じているのか解り辛く、終盤の“闇の天使”VS西守の総力戦もスッキリしない結末を迎えています。ホントに秋本のアクションだけは良いんだけどなぁ…。
そんなわけで評価に困る本作ですが、次回はそんなモヤモヤを吹き飛ばす快作が登場します。あの李小龍にオマージュを捧げた傑作の姉妹編であり、延々とハードなアクションが炸裂する作品の名とは――詳細は次回にて!

「Bird's Eye バーズ・アイ」
製作:2003年
▼2000年代初頭の日本映画界では、劇場用アニメやジャパニーズ・ホラーの名作が相次いで作られ、暗い世相を吹き飛ばすような活気に溢れていました。
しかし、何故かアクション映画だけは勢いに欠けており、甄子丹(ドニー・イェン)を武術指導に招いた『修羅雪姫』、底抜け格闘ムービーの『マッスルヒート』などが公開されても、全国規模の大ヒットにまで至らない状況が続きます。
とはいえ、邦画アクションの火を絶やすまいと奮闘した人々の手によって、同ジャンルはなんとか生き続けました。時には小規模な劇場公開作品として、時には低予算のVシネマとして、手を変え品を変えて作られ続けたのです。
東映ビデオは『修羅のみち』系列で格闘任侠路線を極め、ミュージアムは真樹日佐夫の漫画作品を続々と実写化。そして『ミナミの帝王』『静かなるドン』シリーズを手掛けたKSS(KSS FILMS)も、多種多様な作品を携えて参戦します。
…というわけで、今回の特集は野心的な作品をいくつもリリースし、邦画アクションが下火になっても戦い続けたKSSの作品群に注目してみる事にしましょう。
KSSは90年代の始めにVシネ業界へ参入し、同時にオリジナルアニメやアダルト作品を量産。上記のタイトル以外にも『喧嘩の花道』シリーズ、倉田保昭が主演した『となりの凡人組』三部作など、多くのアクションを製作しました。
時代が変わっても多種多様なスタイルは変わらず、この『Bird's Eye』では当時イケメンヒーローとしてブレイクしていた涼平(その男ゾルダ!)をいち早く起用し、軽快なアクション活劇に仕上げています。
■俳優の涼平とスタントマンの川口力哉(当時の芸名はRIKIYA)は、高校時代からの親友同士。今日もアクションドラマの撮影で軽口を叩きあい、後輩でマネージャーのつぐみから駄目出しを喰らっていた。
ところが、本番中に女子高生の木村茜が現れて撮影はストップ。どうやら何か訳ありらしく、松重豊が率いる謎の一団に追われていた。成り行きから彼女を助けることになった3人は、次々と襲いかかる一団と戦いを繰り広げていく。
やがて松重の狙いが、木村の父・諏訪太朗の開発したゲーム機(一部のパーツが兵器に転用可能という設定。恐らく当時話題だったプレステ2騒動を反映したものと思われる)にあり、ゲームのプロテクト解除には木村が必要だった事が判明する。
既に諏訪は捕らわれており、ついにはつぐみと木村も敵の手に落ちてしまう。川口はあえて涼平を突き離し、自分だけで敵陣に乗り込むものの、多勢に無勢で追い詰められていった。
もはやこれまでかと思われたその時、颯爽と現れたのは後を追ってきた涼平だった。松重が暴走する中、ここに一大決戦の幕が上がる!
▲本作は後に『相棒』シリーズに参加する近藤一彦の初監督作…とのことですが、最初の一発目から“相棒”を扱った作品を撮っている点については、なかなか興味深いものがありました。
ただ、セリフ回しや演出はさすがに時代を感じさせるし、娘に危害が及ぶのが丸解りなプロテクトを掛けた諏訪の行動、もたついてしまう終盤の展開など、疑問を感じる箇所も存在します。
ですが、ストーリーは典型的ながらテンポよく進み、最後まで雰囲気は軽快なまま(明確な死者も1人だけ)。そして香港帰りの実力派・下村勇二が指導したアクションは変化に富んでいて、思った以上の迫力に満ちていました。
最初の涼平によるアクションは画面が暗く、吹き替えがバレバレなワイヤーワークで「ダメかなぁ…」と思わせますが、これは川口がスタントをやっている事を明示した演出。その後の立ち回りでは、しっかり腰を据えた肉弾戦が繰り広げられています。
基本的に戦うのは川口、涼平はそれほど強くないという設定になっており、一部のシーンを除けばファイトスタイルの差別化も上々。ラストバトルでは甄子丹のマッハカンフーがチラっと再現されるなど、ボリュームに関しては悪くありません。
注目すべきは敵の一団で、3人の幹部を清水あすか・府川唯未・島津健太郎という凄いメンバーが演じているのです。清水は鳳龍院心拳を代表する本物の宗師(!)、府川は元女子プロレスラーで、島津も『抜け忍』などで大悪役を演じました。
そんな面々が相手ですから、主役の2人もボロボロになりながら必死に応戦! 事実上のラスボスとして君臨する清水の暴れっぷりには、一種の清々しさすら感じます(笑
よくよく見れば低予算の作品ですが、見た目以上の面白味はあったと言えるでしょう。さて次回は、一転してセクシーな大人のアクション作品が登場。卑劣な男どもを倒すべく、あの女ドラゴンが現れます!

Kickboxer from Hell/Zodiac America 3: Kickboxer from Hell
製作:1990年(1992年説あり)
●数々のニコイチ映画を作り、世界中の映画ファンを絶望に陥れてきたフィルマークとIFD Films & Artsですが、その栄光にも終わりの時が近付いていました。
まずビデオバブルの勢いが衰え始め、ニンジャ映画も時代遅れの産物に。香港では政府によるレーティングが導入され、グレーゾーンどころか完全に真っ黒なニコイチ映画が(海外向けとはいえ)作りづらい状況となります。
また、同社の看板監督・何誌強(ゴッドフリー・ホー)が離脱を表明し、ノーマルな動作片や女性アクションに活路を求めるなど、ニコイチ映画を取り巻く環境は刻々と変わっていきました。
この状況には、流石のフィルマークも二の足を踏むようになるのですが、IFDは懲りずにニコイチ映画の製作を強行。90年代になってもニンジャ映画を作り続け、新たにキックボクサー映画を推しはじめます。
80年代後半に颯爽と現れたジャン=クロード・ヴァン・ダムは、自慢の蹴りと開脚でアクション映画ファンの話題をかっさらい、1989年の『キックボクサー』で格闘スターとしての地位を確固たる物にしました。
彼やフォロワーの活躍により、90年代はマーシャルアーツ映画が最盛期を迎えますが、これにIFDは出稼ぎ外人俳優を引き連れて参入。いつもの調子で突っ走ろうとするも、既にニコイチ映画というジャンル自体が限界に達していたのです。
本作の主演は、動作片によく出ていたマーク・ホートンが担当。内容はキックボクサーにホラー要素をプラスした異色作ですが、どちらかといえば元作品がホラー映画だったから自然とそうなった珍品…と言うべきでしょうか(苦笑
物語は例によって例の如く、キックボクサーのマークが邪悪な教団と戦う新撮カットと、ある人妻(演者は後述)の周囲で起こる怪奇現象を描いた元作品パートが同時進行していきます。
元作品は新婚間もない夫婦が怨霊に祟られるサスペンス・ホラーだったらしく、驚いたことに人妻を苗可秀(ノラ・ミャオ)、夫を高強が演じているのです。
どうやら元となったのは『靈魔』という映画で、新撮カットでは教団が怨霊を操っている設定に改変されていました。ちなみにこちらは1976年の作品で、まだ南洋邪術片が流行る前ということもあり、グロい描写はほとんど見られません。
おかげで全く怖くないのですが、新撮カットはやはりデタラメだらけ。主人公のマークからして、キックボクサーなのにトレーニングで中国武術の形を見せ、トレーナーの兄は空手着に袖を通しています。
敵の教団もとことんショボく、教徒は麻袋に穴を空けて落書きしたコスチュームを着用し、ボスの教祖はデーモン閣下のバッタもん(よく見るとメイクがめっちゃ適当)という始末です(爆
劇中では臆面もなくエクソシスト風のテーマが流され、ロウソクを壊しただけでデーモン閣下が死ぬラストに至るまで、とかくクレイジーな描写が目に付きました。
ただしキックボクサー映画を騙っているだけあって、これまで取り上げてきた作品と比べても格闘シーンの出来は随一。マーク自身が動ける俳優である点も大きく、それなりに格好のついた戦いが拝めます。
元作品にも2人の霊能者VS高強というサプライズがあり、終盤ではマークと組織の用心棒による一騎打ち(ここはスピード感がなくてイマイチ)もあるなど、アクション的な見せ場は意外と充実していました。
この他、露出度の高い姿を見せる苗可秀のアダルトな魅力など、見所になりそうなポイントも少なくない本作。しかし70年代の作品を弄ったものがウケるはずもなく、ニコイチ系キックボクサー映画は製作側にとって最後の花火となったのです。
すべてのブームが去り、残されたフィルマークとIFDはニコイチ映画から手を引く事になります。時代はより先鋭化した作品を求め、無茶な映画産業が付け入る隙は無くなっていました。
90年代の香港は黒社会系の映画会社が続々と台頭。粗悪な作品で手っ取り早く儲けることさえ難しくなり、それでも会社自体は存在していましたが、1996年のビル火災によって多大なダメージを受けます。
この一件でフィルマークの[登β]格恩(トーマス・タン)が死亡し、生き残ったIFDの黎幸麟(ジョセフ・ライ)も業界から脚を洗う…かと思いきや、同僚だった黎慶麟(ジョージ・ライ)と手を組み、今も映画界に留まっているそうです。
かくして世界からニコイチ映画は消滅し、時代の徒花として好事家が語るだけの存在となりました。しかし、あの異常なジャンルで一時代を築いた彼らの事なので、「ひょっとすると」という不安は未だに残っています。
そう、完全に恐怖が去った訳ではありません。彼らが映画を作り続ける限り、そして映画というビジネスが世界にある限り、新たな“怪進撃”の余地は残されているのかもしれないのです……(特集、終わり)

「地獄のバトルボーダー/戦場に舞い降りた残虐軍団」
原題:Hitman the Cobra
製作:1986年(87年説あり)
●様々なタイプのアクション映画に目を付け、安上がりな方法で小銭を稼いできたIFD Films & artsとフィルマーク。彼らはニンジャ映画を主な稼ぎ口としており、それ以外のジャンルも万遍なく摘み食いしていました。
その足跡は今まで紹介してきた通りですが、出来ればもっと早く・安く作りたいというのが本音だったはず。そこで次に目を付けたのは、銃と衣装さえあればそれっぽい代物が作れるコマンド・アクションだったのです。
ベトナム戦争の影響もあり、80年代は数多くの戦争映画が製作されました。東南アジアでは数えきれないほどのB級コマンド映画が量産され、中には『イースタン・コンドル』のような傑作も存在します。
しかし、IFDやフィルマークはニンジャ映画に執着し、コマンド・アクションは片手間にしか撮っていません。安いにこした事は無いはずなのに、どうして彼らはコマンド映画の開拓に本腰を入れなかったのでしょうか?
このへんの事情は不明ですが、ニンジャ映画に比べて競合相手が多かったから敢えて避けた、或いは下手に主力のジャンルを増やすと手間暇が掛かると判断したのかもしれません(ちなみに本作の製作は黎幸麟(ジョセフ・ライ)率いるIFD)。
…まぁ、どちらにしても「とりあえず流行ものだから撮っとけ」という方針で製作されたのは間違いないでしょうね(爆
本作は、第二次大戦下のフィリピンで日本軍と戦う抵抗勢力サイド(元作品)と、マイク・アボット率いる部隊とやりあうリチャード・ハリソンの物語(新撮シーン)が同時に進行します。
いちおうリチャードは抵抗勢力と通じていて、マイクの弟が日本軍に情報を流していたという設定が語られますが、両者の繋がりはそれくらい。元作品の主人公とリチャードは顔を合わせることすらありません。
また、どうも元作品は戦中~戦後の混乱期を描いた作品のようで、いつの間にか敵が日本軍から悪辣な権力者へと変わっていきます。
恐らく元作品には終戦の様子なども描写されていたのでしょうが、本作は適当にカットしまくっているためストーリーは滅茶苦茶。知らないキャラクターが突然仲間になってたり、誰と戦っているのかさえ解らなくなってしまうのです(苦笑
新撮シーンについても、リチャードを始めとしたキャスト陣は明らかにやる気が無く、緊張感のカケラも無い銃撃戦がひたすら展開されていました。
なお、アクション面はどちらのパートも大したことはなく、元作品の方は群衆シーンや派手な爆破しか見所がありません(ひょっとすると本国では大作扱いだったのかも)。
一方、新撮パートは香港の裏山でひたすら銃撃戦ごっこをしているだけで、ニンジャ映画のような格闘戦は当然ナシ。もっとも印象に残った場面といえば、上から撮ったカットでリチャードの頭頂部がとても薄かったことぐらいでしょうか(笑
さて、そんなこんなで80年代は矢のごとく過ぎ去り、ニンジャもコマンドも時代の徒花として散っていきました。しかし、それでもフィルマークとIFDはニコイチ映画の量産を諦めず、更なるジャンルの物色に乗り出します。
果たして、香港映画の裏街道を走り抜けた男たちが最後に見た物とは…? 次回、地獄のようだったこの特集もいよいよクライマックスです。