『愛夢の場合』④ 第二章 晋と愛の物語 | From me

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韓ドラ(ラブコメ)好き

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 愛は監督や先生ともメールを始めたらしく、僕が返信しなくても毎日それを報告してきた


 それを見るのも何故か苛立ちそんな事で苛立っている自分にも苛立っていた



 (社長から連絡来ないけど忙しいのかな?病気とかじゃなかったらいいけど…一人暮らしだと言ってたし…)


 「もしもし社長?どうしたの?忙しいの?それとも身体の具合でも悪いの?社長のお説教聞かないと何か調子狂っちゃって…」


 「どうせ説教としか思ってないんだろ?」


 「……なんか変ね…失恋でもした?あっそっか…失恋したんだ」


 「………」


 「大丈夫よ。社長はもてるからすぐいい人が現れるわよ。ファイト!失恋くらいで落ち込むなんて社長らしくないわよ」


 「らしくない…か…」


 「そうよ、らしくない。きっと社長のことを良く解かってくれて幸せにしてくれる人が現れるから…元気出して!」


 「そうだよな…きっと違うよな…?」


 「ん…?」



 「ふぅ……ところで…愛は好きな人とかいないのか?」


 「好きな人はいっぱいいるわよ」


 「そういう好きな人じゃなくて…」


 「あぁ…恋人って事?そんな人がいたら社長に電話なんかしてないわ。そんな人がいたら今頃は、愛するその人の、う・で・の・な・か・」


 ケラケラと笑い

 「じゃぁ元気出してねー」

 と切ってしまった


 何故か肩の力が抜けていくように感じた


 失恋して落ち込んでいると思われているのも嫌なので、今までのようにメールや電話をするようになったが内容は日に日に変わっていったと思う




 「映画もだいぶ進んでいるみたいだし、週末スタジオに陣中見舞いに行きませんか?」

 と Y さんから誘われ

 ミーハーの私は

 「行く、行く」

 と一緒に出かけて行った



 初めての撮影現場…

 俳優さんや女優さん

 忙しく働くスタッフの人達


 何もかもが珍しく、監督の横でキョロキョロしていたけれど時間が経つにつれだんだんと意識が薄れていった


 初めてのスタジオ見学で、遠足前の子供のように興奮し夕べ眠れなかった私は、監督の膝に倒れ込むように眠ってしまったらしい
 


 「愛!」


 聞き慣れた声で目が覚めた


 「すみません!本当にごめんなさい」
 平謝りに謝った



 「起こそうとしたんですけど…」


 Yさんも申し訳なさそうに謝ってくれたけど、後で社長に散々怒られたのは言うまでもない


 (ほんと、私ってなんてドジなんだろ?怒られても仕方ないなぁ…変なとこばかり見られるし…でも何で社長がここにいる訳?)



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