『初めての恋』⑮ 愛し 別れ そしてめぐり逢った | From me

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韓ドラ(ラブコメ)好き

想像考察、創作恋物語、花に寄せたポエム、猫との生活etc…
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 バスの最後尾に座って、手を振りながら見送ってくれる二人を見ていたら、嬉しいような淋しいような複雑な気持ちになり涙が出そうになった


 「Luiji、ちょっといいか?先生と話していたんだが映画やらないか?」


 「映画?どんな?」


 「ラブストーリー。あの二人を見ていたら創作意欲が沸いてきて…二人がモデルの映画やらない?」


 「駄目だよ。色々あって幸せになったんだからそっとしておいてやって」


 「不思議な二人だと思わない?もちろんモデルだなんて分からない様にするから…その為にはLuijiさんから二人の事を聞かせてもらわなきゃならないけど」


 「僕が知ってるのは…たぶんほんの一部分。二人でいる時の事まではネ」


 兄貴の気持ちは僕にしか解からないし、僕の気持ちも僕にしか演じきれないので僕が二役をやるという事で話が進んでいった



 「じゃぁそういうことで宜しくお願いします」


 「ところでLuijiさん…

 “love dream”って知ってる?」


 「いいえ…それ何ですか?」


 僕はごまかした


<仁希の場合>
 少しまだ辛いような複雑な気持ちだけど、これを二人へのお祝のメッセージにしよう


 心からおめでとうと言えるように…





 療養がてらの旅行も終わり、以前の幸せな日々を過ごしていた


 変なことと言えば

 仁希がしょっちゅう


 「家に寄っていいか?


 と遊びに来ては

 俺達の事をじっと見ていることだろうか?


 人希との食事はダイニングのこともあるが


 “京都の床もどき”

 とテラスの時もあるし


 ゆかた祭りだからと浴衣を着て

 “屋台もどき”

 と驚かされることもあった



 仁希と一緒に帰る時は

 その事を伝えるのだけれど


 「今日は僕が一緒だと言わないで反対に驚かせようよ」


 と言うので


 「今から帰るよ」


 とだけ電話を入れ少しワクワクしながら家に着いた



 チャイムを鳴らしたが応答が無い


 鍵を開けて入った


 真っ暗だ


 (何かあったのか!?)


 急いで電気をつけた



 「おかえりー」


 飛び込んで来たえりかはセクシーなナイトドレス姿だった


 「キャー」という声と

 俺がえりかを隠すのと

 仁希が背を向けるのと

 同時だったような気がする



 えりかさんは急いでバスローブをはおり


 食事を並べながら


 「人希さんが一緒だってどうして言ってくれなかったの?何か疲れてるみたいな声だったから…ほんとにもう…」


 散々怒っていたが


 兄貴はというと…

 ニヤニヤが止まらない



 「えりかさん、僕が支度するから先に着替えてきたら?ここで兄貴が襲うかもしれないから」

 
 冷やかし半分に笑った



<仁希の場合>
 まいっちゃうなぁ
 いい歳してまったく


 ここに来るのはもちろん楽しいからだけど、役作りの為でもあったのに僕の知らない兄貴が次々に出てくる


 もうクランクアップだというのに僕は役作りに失敗しちゃったかなぁ?




 秋風が吹き始めた頃

 仁希が

 「今度の映画が完成したから見に来てくれない?」

 と言ってきた


 場所は、あの海辺のホテルがある街の小さなホールだった


 (何故そんな所で?)


 と思ったが、秋の夕焼けも見たくなって出かけて行った



つづきはこちら



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