『初めての恋』⑫ 愛し 別れ そしてめぐり逢った | From me

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韓ドラ(ラブコメ)好き

想像考察、創作恋物語、花に寄せたポエム、猫との生活etc…
雑貨屋さんのようなブログです。
来てくださって、読んでくださってありがとうございます。

 病室のドアが開いた


 「えりかさん…今までどこに?」


 彼女も苦しんでいたのだろう…やつれてしまっていた


 ベッドのそばに座らせると


 兄貴の手を握り


 「どうしてこんな事に…ごめんなさい…お願いだから起きて」


 泣きながら何度も何度も繰り返した



 「仁希…来てくれてたのか…忙しいのに毎日すまない…えりかの夢を見ていたよ…“起きて”って泣いてるんだ…おかしいだろ?」 


 「兄貴夢じゃないさ…ほら」
 

 「えりか…?」


 「何やってるのよ…こんなになって…馬鹿なんだから…ごめんなさい…本当にごめんなさい」


 「人の事言えるのか?こんなにやつれて…ご飯食べてたのか?ちゃんと寝てないんだろ?俺こそごめん」


 「私もっとわがままになる…自分のことしか考えない」


 そう言ってkissをした


 「こら仁希の前だぞ…」


 「仁希さんの前だろうと構わない」


 そう言って、kissする二人から目をそらし出て行こうとした時


 「仁希助けて…」


 兄貴が叫んだ


 えりかさんを片手で支えていた


 彼女は気を失ってしまったみたい


 あわてて抱き上げソファーに寝かせた



 兄貴は

 

 “さっきまで生きる気力を無くしていた人か?”


 と思う位の勢いで駆けつけた看護士さんに


 「食べてないだろうし寝てないだろうし…えりかを助けて!」


 「とにかく検査して処置をしますから…貴方も早く治さないと」

 と怒られていた



 

 検査を終え、えりかさんが帰って来た


 「この前は君、次は真珠、今度は彼女。どうなっているんだ?まったく」


 I先生は、しばらく点滴で様子を見ること、眠ってないみたいだから軽い薬を使っている事、水分を充分に摂らせる事を告げ


 “病室は○号室に…”


 「駄目だここに置いて。目が覚めた時俺がいないと不安がるから…俺の横でいい」


 「あのなぁ…いくら個室とはいえここは病院。ホテルじゃないんだぞ。信じられないが、さっきまでお前も生きる気力もない病人だったんだから…彼女の看病は駄目だ」


 「俺はもう大丈夫だから…本当にそうしてくれ頼む」


 「しかたないなぁ………治療を有効に進める為に特別に許可するか…」



 「仁希頼めるか?」


 僕はえりかさんを抱き上げた


 「ぅん?誰…?」


 「僕だよお姫様」


 「Luijiさん…?」


 「はい姫の指定席」


 兄貴の横に寝かせた




 「抱きあげたのは俺じゃないって解かったの?」


 「もちろん…」


 「Luijiに抱かれた気分はどう?」


 「女優さんになったみたい…」


 「女優さんか…幸せだった?」


 「とっても…でもここの方がいい…」


 そう言うとすぐ軽い寝息が聞こえた



 「あらあら本当に安心できる指定席みたいね」


 看護士さん達に冷やかされたが、俺にとってもここは指定席だ



 水分を充分に摂らせるようにと言われたけれど飲まないので、俺は水を口に含みえりかに何度も飲ませた



 だが夕暮れ時、目を覚ましたえりかは何も覚えていなかった


 「やだ…そんな事…恥ずかしい…でも私の指定席は社長の腕の中。社長のそばでないと何も出来ない」


 そう言って笑った



<真珠の場合>
 もう何も迷わない
 えりかがいないと俺は生きる気力も出ない
 えりかも同じだと良く解かった
 もう何があっても離したりしない



 次の日から俺は、少しずつ食事も出来るようになり点滴も外れ、やがて退院し仕事にも復帰した


 えりかはまだしばらく入院しなくてはならないので、夜は病院に泊まる事にした
 

 部屋もハウスクリーニングを頼み綺麗にしたし後は退院を待つだけだ



 「そろそろいいか…退院しても。あまり遠くは無理だけど、療養を兼ねて旅行でもしてきたらどうだ?」 


 I先生が勧めてくれたのでそうする事にした



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