・映画サイト解説
「ゆれる」「ディア・ドクター」の西川美和監督が、第153回直木賞候補作にもなった自著を自身の監督、脚本により映画化。人気作家の津村啓こと衣笠幸夫(本木雅弘)は、突然のバス事故により、長年連れ添った妻(深津絵里)を失うが、妻の間にはすでに愛情と呼べるようなものは存在せず、妻を亡くして悲しみにくれる夫を演じることしかできなかった。そんなある時、幸夫は同じ事故で亡くなった妻の親友の遺族と出会う。幸夫と同じように妻を亡くしたトラック運転手の大宮(竹原ピストル)は、幼い2人の子どもを遺して旅立った妻の死に憔悴していた。その様子を目にした幸夫は、大宮家へ通い、兄妹の面倒を見ることを申し出る。なぜそのようなことを口にしたのか、その理由は幸夫自身にもよくわかっていなかったが・・・。

・感想
『愛するべき日々に愛することを怠ったことの、代償は小さくはない』がテーマ。
脚本、監督が優れ、出演者は演技派が揃っていて、今年見た映画の中でも一二と感じました。
本木雅弘のストイックなところ、竹原ピストルの先が読めないところ、深津絵里の細やかな演技がいいね。
家族の愛情を表す言葉の数々が胸を打ちました。
人を愛することは簡単なものではないし、場合によれば主人公のように愛を感じないこともある。
ただ主人公は時間をかけて大切なものを取り戻すことができた。愛情を。
音楽では、終盤で流れた「ヘンデル」の「Ombra mai fu」が美しく効果的でした。

イメージ 1