日本のパンク・ロック!(3)・ガセネタ | 人生は野菜スープ~アエリエルのブログ、または午前0時&午後3時毎日更新の男

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元職・雑誌フリーライター。バツイチ独身。午前0時か午後3時に定期更新。主な内容は軽音楽(ジャズ、ロック)、文学(現代詩)の紹介・感想文です。ブロガーならぬ一介の閑人にて無内容・無知ご容赦ください。

ガセネタ (1977.9-1979.3)

ガセネタ (1977.9-1979.3)
◎ガセネタ - 宇宙人の春 (MV) :  

◎ガセネタ - 雨上がりのバラード :  


ガセネタ - ガセネタ (Super Fuji, 2017) :  

Released by Super Fuji Discs FJSP 268,  7", 45 RPM, May 20, 2017
(Side A)
A1. 社会復帰 = Shakaifukki
A2. 父ちゃんのポーが聞こえる = Tochan No Poe Ga Kikoeru
(Side B)
B1. 雨上がりのバラード = Ameagari No Ballade
B2. 宇宙人の春 = Uchujin No Haru
[ ガセネタ ]
山崎春美 - vocal
浜野純 - guitar
大里俊晴 - bass guitar
村田龍美 - drums
ガセネタ - Soon or Later (P.S.F., 1991) :  

Released by P.S.F. Records PSFD-17, CD, August 25, 1991
Recorded by 小沢靖
(Tracklist)
1. 父ちゃんのポーが聞こえる (Live) - 3:26
2. ◎?△□! - 0:38
3. 雨上がりのバラード - 2:56
4. 雨上がりのバラード - 2:54
5. 社会復帰 - 2:13
6. 宇宙人の春 - 2:14
7. 雨上がりのバラード (Live) - 4:19
8. 宇宙人の春 (Live) - 2:21
9. 雨上がりのバラード (Live) - 4:01
10. 父ちゃんのポーが聞こえる - 5:29
11. ・・・・・・・・・ - 0:56
[ ガセネタ ]
山崎春美 - vocal
浜野純 - guitar
大里俊晴 - bass guitar
An unidentified drummer also plays on the release.
(Original P.S.F. "Soon or Later" CD Liner Cover & Inner Sheet)


 全レパートリーはたった4曲、バンド活動中に発表した音源はなく解散後10年以上経ってからようやく発掘音源がリリースされた伝説的存在で、1977年9月に活動を開始し、1979年3月に解散したこのバンド、ガセネタについては日本語版ウィキペディアに詳しい項目があります。バンド存続時にプロ活動どころか音源リリースも行われなかったアンダーグラウンド・シーンのバンドとしては異例なほど詳細な解説項目なので、ご紹介はそちらに任せます。
◎ガセネタ(日本語版ウィキペディア) :  

 平均年齢20歳、ロック同人誌の寄稿家のメンバーたちによって結成されたガセネタは、結成・活動時期こそ日本の初期パンク勃興期と重なっていますが、本人たちはハード・ロックの即興演奏バンドという意識こそあれ、その活動をパンク・ロック・ムーヴメントと関連されるのは意図的に避けていたようです。バンドの活動期間は1年半、当初はバンド名を固定せず、それまでライヴごとに異なる名義を名乗っていたうちから「ガセネタ」とバンド名が定着したのは1978年8月、それから解散するまでは約半年強しかありません。またプロ・ミュージシャン活動ではなくアンダーグラウンド・シーンの学生バンドだったガセネタは単独ライヴを行う機会はなく、1バンド持ち時間30分程度の数バンドの合同イヴェントでしか演奏しなかったので、レパートリーは全4曲、「雨上がりのバラード」「父ちゃんのポーが聞こえる」「宇宙人の春」「社会復帰」のみ、それに予定しない即興演奏が加わる程度でした。

 パンク・ロックと呼ばれることを拒否していたガセネタを日本の初期パンクとしてご紹介していいものか迷いもしますし、メンバーが世俗化したロックに対して取っていたスタンスは、パンクというよりもダダイズム的な即興演奏系ハード・ロックの極限化であり、発想はアート・ロックの系譜にあるとも見なせます。しかしガセネタほどそれを徹底してやっていた存在はないので、この特異なバンドの音楽は面白い・つまらないを越えて、一度は聴いておきたいものです。当時日本のポピュラー音楽シーンはアリス、さだまさし、オフコースなどが席巻し、サザンオールスターズ、松山千春や長渕剛らが次代を担う新人としてデビューし、さらにイエロー・マジック・オーケストラが最先端のテクノ・ポップとして登場した時期でした。一方アンダーグラウンド・シーンにはガセネタがいたというだけでも、この音楽というにはあまりにも非音楽的パフォーマンスに特化したバンド(?)を無視することはできません。

(旧記事を手直しし、再掲載しました。)