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孤高の天才マンガ家、故・谷岡ヤスジ(1942-1999)画伯による、1970年代後期の動物まんがシリーズ『ヤスジのアニマルどー!!』より、わずか5ページに土用の丑の日に蒲焼きにされるウナギを主人公として生と死の狭間の深淵、そして幽冥界に踏みこむいまわの際の真の悟りを最小に切りつめられた台詞と擬音、効果音と動作でシンプルこの上なく、ほとんど無言劇のように静謐に、かつダイナミックに描ききった傑作です。文学でもこれに匹敵するものは八木重吉、またはまったく正反対に見えますが西脇順三郎の最上の詩作くらいしかないもので、おそらく天才はこれを無心に2、3時間で仕上げたに違いなく、読者は本作を一度読んだが最後、土用に鰻を食す際にはこの傑作を思いながら世界中の蒲焼きウナギたちの運命に瞑目せずにはいられません。なお谷岡ヤスジにはほぼ同趣向でわずか3ページの「(仮)サンマの死」という別作品もありますが、そのご紹介は秋日和まで取っておくことにいたしましょう。