素人1人VS弁護士14人 第2回期日 被告弁護士への尋問。

行ってきました福岡高裁。
まず、裁判長が交代していたのでびっくり。
傍聴人は、18人。傍聴席はほぼ満席です。
関心の高さがうかがえますね。

今回は、被告である弁護士が当事者尋問された。

45分を超える尋問であったが、主尋問は特にどうという内容のものでもなかった。
事実確認に終始していて、
傍聴人としては、事の経緯がわかるので、ありがたくはあったが、
裁判官や当事者たちにとっては、すでに分かっている事実ばかりと思われるので、
尋問自体には、あまり意味はなかったのではなかろうか。

思うに、被告本人を裁判官たちに見せて、
まともな弁護士ですよってことをアピールしたかったんじゃないだろうか。

すくなくとも、顔を見たら悪徳弁護士と分かるような風体ではなかったから。
スーツを着た女弁護士。
年は30代前半くらい?。
年はわかんないけど、まあ、弁護士としては駆け出しだろう。
そうでなきゃ、弁護士軍団にならない気がする。
私なら自由な弁護活動ができなくなるので、弁護士軍団は断る。
それなりの年齢なので、自分のことで、人の指図は受けたくないです。

主尋問を聞いていて面白かったのは、
弁護士軍団「調査官報告にはこのように記載されてますが、このようなことを言いましたか?」
被告弁護士「言ってません」

あら~。調査官が虚偽の報告書を書いたという趣旨の証言ですね。
果たして、調査官が虚偽の報告をしたのか、被告弁護士が偽証しているのか。
とりあえず、被告弁護士の言葉が足りなかったため、
調査官に勘違いされちゃいましたって感じでお茶を濁してました。

上記のように、弁護士軍団の立証方針は、
原告や調査官の勘違い、思い違い、思い込み、行き違い、それに、
被告弁護士の単純ミスによるもので、
不法行為と呼べるような故意過失はなかったって心証をを
直接にはあまり口に出さずに、裁判官に抱かせようとしているってところではなかろうか。
素人なら、直接に、「故意はなかった」口に出すものの、それを立証するのは大変です。
そこを、あえて口にしないのが、テクニックなのか。勉強になります。

ただ、聞いていると、弁護士軍団の主尋問が、被告弁護士を追及してるようにも聞こえた。
「なんで、2週間も連絡が空いてるの?」とか
「面会交流は実施しないといけないですよね」とか。
まあ、主尋問だから、全部演技なんだけどね。
もちろん打ち合わせ済みの問答なので、被告弁護士もすらすら答えてました。

被告弁護士「依頼人とともに自分も被告にされてパニックになった」
ってところは、笑っちゃいますね。
まあ、刑法犯が心神耗弱を主張してるのと同じパターンなんでしょうがね。

弁護士軍団「当初、奥さんのお父さんが同行しないと面会交流には応じられないとしていたのに、
今は、お父さん抜きで面会交流できているのはなぜか?」
被告弁護士「依頼人が、依頼人のせいで、弁護士まで訴えられたことに責任を感じて、
これ以上、弁護士に迷惑をかけられないと面会交流をしているのだと思います」

おいおい、弁護士が依頼人に面倒みてもらっちゃダメでしょ(笑)。
でも、まあ、おかげでスムーズに面会交流ができているということであれば、
結果オーライだね。

弁護士の仕事は、紛争を解決すること。
裁判をする以外にも、紛争は解決できる。
依頼人をあきらめさせるというのも紛争解決の方法の一つだ。
連れ去り被害者で弁護士に依頼した人ならわかるだろう。
子供はあきらめろ、親権はあきらめろと説得されたはずだ。
つまり、そういうことね。
それにしても、依頼者の前で、同情を誘うとはなかなか斬新な手法だ(笑)。

そして反対尋問。

これは原告には失礼ながら、あまり有効にはできなかった印象だ。
そもそも、主尋問が、
思い違い、思い込み、行き違い、を主張する内容だったので、
反対尋問も難しそうだった。

なにより、裁判長に聞く気がなかった。
まあ、主尋問が、上記の内容なので、
水掛け論にしかならないと考えたのであろうか。
それもとも、すでに、結論を出しているのか・・・。

持ち時間は15分程度だったのだが、
資料のどこそこに記載があるとかを探しているとあっという間に時間が経ってしまい、
5分の延長をもぎ取ったが、5分後に裁判長に時間切れを宣告された。

傍聴して真剣に聞いていれば、ポイントはいくつかあったが、
それを裁判長が聞いていたかどうか心配である。

・原告「私はこう言いましたよね」
被告弁護士「聞いてない。電話で、原告がずっとぼそぼそ何か言っていて聞き取れなかった。
そこで、とりあえず、自分の用件を話した。」
(電話は録音されているので、裁判官が聞けばわかるようです。聞くかな?。)

・病気によって、面会交流できなかったというが、診断書等の証拠はあるのか?。
(あれば出すはずだから無いだろう。)

・原告のことを一筋縄じゃいかないと思ったと言うが、それなら、面会交流を誠実にしていたほうがよかっただろう。
不誠実な対応をしたせいで、損害賠償請求まで起こされて、依頼人は迷惑している。
(ごもっとも。)

最後に、右陪席裁判官が、発言したのだが、
その声が法廷内に大きく一語一語はっきりとよく響く!
すごい!。ここが一番驚いた。
見かけとのギャップがすごかった(笑)。

実際に病気があったのかを確認したかったらしい。
まあ、証拠がない以上、弁護士が口頭で言うことを信じるか信じないかなのだが。
弁護士は、依頼人と子供のどっちが熱を出したのかわからないといい。
どっちも熱を出したとか、子供が熱を出したとか、証言が二転三転した。
最終的にははっきり覚えてないと言うが、そこは大事なところでしょ。
怪しすぎる。病気と言っとけば面会交流をさせなくてもOKと軽く考えてんだよな。

これを聞いた裁判官がどう判断するのか。

法廷では、
おちついて、ゆっくり、大きな声で、一語一語はっきりと話す。
これが大事。

そして、
連れ去り被害者の方は、相手方の返事が分かっていても、
毎週、面会交流などの要望を伝えること。
これは定型文でいいと思います。
官製はがきに印刷して発送しましょう。
わずか、52円です。
月約200円。
年間約2711円。
こんなに安く確実に手に入る証拠はありません。
もしこれを出してない場合は、相手方から、
「面会交流の申し出がなかった。申し出があれば対応した」
と反論されます。
発送しておかないと後悔しますよ。